2016年1月17日日曜日

ダイレクトアルドールでone-potで共役エノンをつくれ!

TX沿線の蕎麦屋に行ったときのメモです。

-遊庵 memo-

-せいろ (700 JPY) + おかわり (500 JPY) memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
蕎麦は細身(極細ではない)で、エッジが立っていて、噛むほどにキュキュッとした歯触りでキックが凄い。蕎麦の香りは仄か。噛み締めると、蕎麦らしいフレーバーと胡桃様のフレーバーが。ただ、蕎麦の嚙み反しが強すぎる感があることに加えて、ほんの少し粘度っぽいところが少し鼻につくが旨い。蕎麦は終始水を纏っているが、水っぽいわけでなく、ツユなしでも瑞々しく美味しく食べられる。
ツユは、まずかつおの香味、そこそこシックで強めのbody。甘みもそこそこあって悪くない。そして、瑞々しい蕎麦にツユが良い感じに合う。
薬味は本山葵と葱。
おかわり(ツユ無し)をあらかじめ注文しておくと、ツユを多めにしてくれる。
この蕎麦を一文で言い表すと、「田舎蕎麦を細くして洗練させた感じ」。

-〆張鶴 月 (600 JPY) memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
雪冷え程度の温度でいただく。締まった淡麗辛口。クセがなく悪くない。ただ、飲み進める過程で温度が上がってくると、ちょっと凡庸な味になるか?

-干しほたるいか (350 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
少し温かい状態で提供。けっこう魚くさい(fishy)んだけど、それが旨い。塩辛く、コクと旨味が深い。添えられたマヨネーズを付けて食べると、油の作用のためかマイルドさがup↑する(塩辛いほたるいかにマヨネーズつけて食べるとか、塩分摂り過ぎじゃね?って思うけど、とっても旨い)。

-かけ (700 JPY) memo-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
酸味の効いたしっかりしたbodyのツユ。蕎麦は釜揚げなのだろうか?ちょっと柔らかさが気になる。胡桃のような香味、歯がザクっと入る食感、それから味は良いと思うが、柔らかすぎる食感がボクの好みではない。蕎麦には蒲鉾と三つ葉が載っていて、三つ葉のかけ蕎麦に対する薬味効果がとても良い。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

One-Pot Synthesis of β,β-Disubstituted α,β-Unsaturated Carbonyl Compounds
J. Org. Chem., 2015, 80, 8830-8835.

熊本大の研究グループの報告で、Tiを使ったDirect Aldolでコンプリートに脱水までいかせて、共役エノンを合成するというお話です。


TiCl4を使ったDirect Aldolと言えば、関西学院大学の田辺先生を思い起こしますが、この論文の著者等も田辺先生の仕事にインスパイアされ、Ti-aldolateからtitanoxyl基を脱離させることで、one-potでα,β-不飽和カルボニル化合物の合成を試みます。

で、この反応の肝はelimination stepの際に加えるadditiveです。additiveは脱離反応を促進させるために、Tiに対するリガンドとしての効果やプロトンの引き抜きを期待して添加され、DMF、TMEDA、ピリジンが有効です。また、チタンのカスは自然に析出してくるか、Et2Oまたはヘキサンを加えることで析出し、水のworkupすることなしにセライトろ過で取り除くことが可能で、その後濃縮しそのままカラム精製できます。

あと、N-methylacetamide、アセトアルデヒド、2-ブタノン(MEK)を用いた反応だと、one-potで対応する共役エノンを得るのは難しいそうです。

因に、多くのケースでピリジンを使ったときに反応速度が速く、高収率で、E-選択性がDMFとTMEDAより低くなり、高いE-選択性(E/Z = >95 : 5)は、DMFかTMEDAの添加することでおおむね達成されます(アルドールアクセプターにプロピオフェノンを使った場合、DMFやTMEDAを使っても殆ど選択性は出ない)。

また、以下の実験からTMEADを使った場合は熱力学支配、ピリジンを使った場合は速度論支配のgeometryが決定することが示されました。さらに、過剰のピリジンの存在により、HClがトラップされHClによる異性化が抑制されることが示唆されました。


最後、天然物合成への応用です↓


オレも昔、Ti-アルドールやって中途半端に脱水して哀しい気持ちになったことがあります(コンプリートに脱水までいって欲しかった)。温度とか、ベースの量とか溶媒とかちょっと検討したんだけど、これは思いつかなかったな。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。












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