とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, January 3, 2016

THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS (6): 職業選択の最終解?

江東区のラーメン屋に行ったときのメモです。

-りんすず食堂 ラーメン (650 JPY) memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
まず、かけ蕎麦様の香りがやんわりと漂う。スープの味は確かにかけ蕎麦のツユのニュアンスを強く感じさせるも、若干の粘度とスナック感を感じる。食べ進めるなか、途中でおろしニンニクを加えると、スープの粘度とスナック感が感じられなくなり、よりあっさりしたtasteに変化したような気がした。
食べ進めるうちに、焦げ由来のものだろうか?、苦みが増す感じがする。底部には少量の刻みニンニクが仕込んでありる。
麺は細麺で微妙のウェーブ(デフォルトが細麺で、太麺をセレクトすることも可)。食べはじめは若干の粉っぽさを感じたが、食べ進めるうちに良い塩梅のツルシコな食感になってくる。麺へのスープの絡み具合は悪くない。
全体的にあっさりしていて、小麦十割で打った蕎麦的ラーメンといった印象。それでも、ラーメン的ニュアンスはしっかりと有る。
具は、チャーシュー(凡庸な味で、脂身部分がけっこうある)、ネギ、焦がしネギ、水菜、メンマ(けっこう旨い)、もやし、あとなんか熟成ニンニクみたいなコク深いもの、味玉(黄身はゼリー状。レモンの香味がする)。

あと、店の説明文によると、枕崎産の厚削りかつお節をたっぷり使用して5時間かけて煮出したかつお出汁と、1週間寝かせた熟成醤油(かえし)を合わせた日本蕎麦のつけ汁が味のベースになっているとのこと。さらに、鶏主体の動物系スープ、昆布、干し椎茸の精進系スープを合わせたトリプルスープがウリのようです。


閑話休題


年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学 」のメモの続きです(最後のメモです)。

アメリカの労働市場は中間が失われて空洞化していると言います。これは、中技能・中賃金のホワイトカラーの仕事が、コンビューターや機械に取って代わられ、激減しているからです。これまでのところ、ITのような新しいテクノロジーが台頭すると、多くの場合、高い技能持ち主が有利になり、中程度の技能をもつ人に適した職の多くが消滅するようです(産業革命のときもそう)。そして、技能レベルの低い人たちの雇用にはそもそもあまり影響が及ばないようです。

では、そんな時代にどんな職業が生き残るかというと、機械的反復作業ではない仕事=人間にしかできない仕事が残ります。具体的には、頭脳労働中心の仕事(サイエンス、エンジニアリング、マーケティング、etc.)と肉体労働中心の仕事(大工、トラック運転手、ハウスクリーニングの清掃員、警備員、etc.)。が残ると思われます。前者はクリエイティブ・クラスで、後者は概ねマック・ジョブ=「誰でも出来る仕事」です。

新しいテクノロジーのターゲットは中技能層が担う仕事ということになるので、これから就職活動する学生諸氏がターゲッティングする職種は、クリエイティブ・クラスかマック・ジョブになろうかと思います。

一昔前までは、職業はホワイトカラーとブルーカラーに二分されるというのがステレオタイプな考え方(文系的ステレオタイプ)だったかと思います(少なくともボクは高校生のときそう思っていた)。で、ホワイトカラーはオフィスでスマートに仕事をこなすイメージで、ブルーカラーは泥臭い肉体労働といった感じでしょうか。なので、大企業に入ってオフィスで(ブルーカラーに対して相対的に楽そうに)働くホワイトカラーになるのが成功スキームだと僕には感じられました(公務員信仰も似たようなものと思います)。しかし現在、フェーズは転換し、学校歴というシグナルだけで中技能のホワイトカラーになった人たちは、機械化というテクノロジーに駆逐されようとしているように感じられます。だって、所謂ホワイトカラー(中技能のホワイトカラー)って人海戦術的コストセンターで、(極論すれば)なにも付加価値を生み出さないじゃないですか?


ここまでをまとめると、

a) クリエイティブ•クラスは希少性が高く、機械による代替が困難なので、給料が高い
b) 従って、経済的にそこそこの余裕を持って生活したいならクリエイティブ•クラスを目指すべき
c) クリエイティブ•クラスとは、科学者、エンジニア、芸術家、文化創造者、経営者、専門家。この中でハードルが低いと思われるのは、科学者とエンジニア(専門家は漠然としているのでおいておく)。
d) 日本国内において、科学者やエンジニアがメディアなどでクローズアップされることは少なく、一般的に馴染みが薄い職種と思われるが、なるためには唯一と言っていい決まったスキームがある。即ち、まともな大学の理学部、工学部、薬学部系の学部に入って、大学院まで進学すれば比較的高確率で長期雇用の科学者やエンジニアになれる。また、大学の研究室では研究を行っているので、学部の4年次で自然科学の研究室に配属されれば、とりあえず科学者(の卵)になったと言える(職業人=プロではないが)。
e) 受験生の皆さんは、所謂日本で言うところの理科系を選択し、理学部、工学部、薬学部を目指しましょう。これが、クリエイティブ•クラス就職への第一歩です。あと、数学を勉強すれば論理的思考が身に付きます。間違っても、入試で数学のない社会科学系の学部とかは受験すべきではないと思います。だって、社会科学って統計学をめちゃくちゃ使うでしょ。多変量解析使いまくりだと思うんですが、それで入試で数学無しとか狂ってると思います。あと、所謂文科系の教授って学位持ってない人もけっこういるんだけど、理系では絶対あり得ない。学位さえ持ってない教授のレベルってなんなの?って思います。

こんなところかと思います。



それから、

本書の著者は、「国が繁栄するか衰退するかは、その国の頭脳集積地の数と実力にますます大きく左右されはじめる。物理的な工場の重要性は低下し続け、その代わりに、互いにつながり合った高学歴層が大勢いる都市が、アイデアと知識を有む「工場」として台頭するだろう。」と述べています。

そして、スウェーデン国立銀行賞受賞経済学者のポール•クルーグマンは、「国を貧しくする要因は、不況、歯止めなきインフレ、内戦などさまざまだが、国を豊にできる要因は生産性の向上だけだ」と言います(ちなみに、過去200年、アメリカ国民一人当たりの所得の伸びは、労働生産性の伸びと密接に連動していることに加えて、世界のあらゆる国で、歴史上の大半の時期にあてはまるそうです)。

さらに、ハイテク産業で新たに1件の雇用が生まれると、その地域でサービス関連の新規雇用が5件生み出されるのに対して、伝統的な製造業の場合には、1件雇用増が生み出す新規雇用は1.6件しかないと言います(本書の著者の分析)。



つまり、自然科学(サイエンス)系の学部にはいり、大学院に進学してクリエイティブ•クラス職に就いた人たちは、自身の経済的充足のみならず、国家の繁栄に寄与し、周辺産業(主にサービス業)の雇用にも貢献するという正の外部性を社会にもたらす貴重な人材なのです。ついでに給料も高いので納税額も多く、公共サービス整備への寄与度も高いです。

どうです?高校生•受験生のあなたは、理科系を選択して、まともな大学の理系学部に入って、大学院まで進学して、クリエイティブ•クラスな職業に就いて、経済的にそこそこウハウハして、国力の増強と周辺産業の雇用促進に貢献してみませんか?一時のボランティア活動なんかより、よっぽど社会貢献できると思いますよ。

以上、二流代出のテクニシャン(研究補助員)の読書感想文でした。

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