ども、トンカツとカツ丼大好きコンキチです。
住所:千代田区外神田1-8-14
-ビール (大) (650 JPY)-
クラシックラガー。
お通しの昆布と椎茸の煮物が美味しかったです。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ご飯、赤だし、お新香付き。
トンカツの衣は薄く、カラッとサクッと揚っていて軟らかい。
肉厚なカツは僅かに野趣的な獣臭(好ましい)はして、心憎いほど食欲を掻き立てる。軟らかくジューシーな味わいで、もっちりとした食感でキメ細かい肉質。文句なしに旨い。
何もつけずにそのまま食べて美味しい、レモンを搾って食べて物凄く旨い。特製ソースはウースターソース系なんじゃないかと思うんだけど、これを掛けてもやっぱり美味しい。お醤油をちょっぴり垂らして食べるのも日本人好み。
うっかり塩をカラシを試すのを忘れたので、次に行ったときは試してみたい。
それから、キャベツ用のドレッシングが秀逸。少しクリーミーでベジタブルというかボタニカルテイストがふんだん。
ご飯もふっくら炊き上がっていて美味しいかったです。
あと、食前に緑茶、食後にジャスミン茶のサービスが嬉しい。
接客がすごく良くて、店内にはなんとも言えない油の良い香りがうっすらと漂っていました。
油はコーン油を主として、ごま油を10%程度風味づけに加えているらしいですね。
entry 2 大黒家 (本八幡, visited Sep. 2016)
住所:市川市八幡3-26-5
随分前に閉店してしまったんですが(2017年頃?)、永井荷風が通っていたことで有名なお店ですね。閉店前に食べに行けてよかったです。
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
カツ並丼、上新香、菊正宗一合のセット。
カツ丼のカツは至って普通。凡庸な味と思うけど、落ち着く味で悪く無い。
で、カツは」普通なんだけど(並だし)、ツユというかお出汁が旨いですね(しかもツユダク)。このお出汁でご飯がススム、ススム。お出汁と玉子と玉葱とご飯のシナジーが素晴らしいです。
個人的に、なぜグリンピースが載っているのかは謎。
上新香は、らっきょう、胡瓜、人参、白菜。
らっきょうは普通に美味しい。
胡瓜はボクの好みの味ではなかったです。
人参は硬くコリコリした食感でピリ辛。芯まで味が染みていて美味しい。
白菜は、子供の頃に田舎の実家で食べた味。
あと、菊正宗は燗をつけてもらいました。
entry 3 とんかつ やまいち (神田須田町)
住所:千代田区神田須田町1-8-4 玉井ビル1F
-黒生 小瓶 (450 JPY, visited Oct. 2016)-
-RATING- ★★★★★
-REVIER-
ロースかつ。白菜の漬物、赤だし、キャベツ付き。
ツユの掛かり具合が控えめだからか?、衣はサックリした感じが十分残っている。
ご飯へのツユにの浸透具合は軽微で、ふっくらした食感をしっかり楽しめる。
玉子はソリッド感あってボク好みの仕上がり。
ツユの味は甘めでモダンな洋食テイスト(多分、ツユダクにすると残念な感じになるんじゃないかな?だから控えめ?)
お肉(ロース)はけっこう肉厚で、一切り毎に"脂/肉 ratio"はバラバラで(当たり前か)、脂はとろける食感でクサみなし。肉の部分は弾力に富み、歯応えが楽しめて美味しい。
肉を噛んで、ご飯を噛んで、噛むほどに広がる肉と脂とツユの味わいが楽しめるダイナミックなかつ丼に仕上がっていると思いました。
白菜の漬物は塩味強め。
キャベツの細さが素晴らしく、お酢の効いたシンプルな味のドレッシング、あっさり系のおろしポン酢、ソースでいただきました。
あと、席についたときに提供されるお茶が蕎麦茶でうれしかったです。
-アサヒプレミアム小瓶 (500 JPY, visited Oct. 2018)-
熟撰。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ヒレかつ。
カツは少しソリッド感があって噛み締める楽しさがある。それでいて抵抗感無く歯が入る軟らかい分厚いお肉。マイルドな獣フレーバーが食欲を掻き立てる。
衣はその存在を感じさせないほど一体化している。そして、そこに絡んでいる玉子がとっても美味しい。玉子はある程度のソリッドな食感を醸し出しつつトロトロで最高に美味。
お出しは自己主張しないあっさりした味わいで、カツと玉子の味が映える。
そして、食感が硬過ぎず軟過ぎずの絶妙な仕上がりのお葱が嬉しい(香味もキツくないし)。
総じて、玉子・お出汁・カツの三位一体の旨さ。
あと、添えてあるキャベツの食感がフワフワで繊細(丁寧に千切りされている)。つけ合わせのらっきょうとカリカリウ梅も嬉しい。
調味料は、岩塩(ローズ・カラー)、トンカツソース(フレッシュで 酸味強めだったような気がする)、ドレッシング(マイルド&クリーみで美味しい。薄味なのでたっぷり掛ける。)、おろしポン酢(穏やか)、柚子胡椒(試してない) とバリエーション豊か。
entry 4 とんかつ瓢 (柏, visited Sep. 2018)
住所:柏市旭町2-2-2 第一松崎ビル1
住所:柏市旭町2-2-2 第一松崎ビル1
-アサヒスーパードライ中ジョッキ生 (500 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
ちゃんと美味しい
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ご飯、豚汁、お新香付き。
とんかつが旨い。やんわりと好ましい野趣的な香り。軟らかい肉質でとってもジューシー。滅茶苦茶旨いぞ。
そのまま何も付けずに食べて十分旨い。ソースを付けて食べて旨い。からしと一緒に食べて旨い。で、一番旨い食べ方は塩。
3種類のこだわりの塩が用意されている。
(1) アメリカ合衆国モートンロックソルト テキサス岩塩の中で不純物の少ない希少な岩塩。
マイルドかつシンプルで綺麗な甘さが口の中に広がって一番好き。形状は粗め。
(2) ボリビアアンデス岩塩 (紅塩) 紅色は、鉄分固有の発色性質(無着色)
細かい。色が綺麗。チョイ複雑な甘みとシャープな塩味。
ボク的に二番人気の岩塩。
(3) パキスタンブラック岩塩 硫黄の匂いがする岩塩。ミルで挽く(ミル付きの容器に入っている)。
ホントに硫黄の匂い(所謂S臭)がするスパイシーなお塩。ちょっとハード過ぎるきらいもあるけど、面白い。
お塩で柔らかいシンプルな甘みがヒレ肉の旨味をより一層引き立ちます。
ちなみに、お店のオススメも塩で、「塩でお召し上がりになるのがおすすめです。」って紙に書いてあったです。
豚肉は林SPFで、衣の存在に気付かないほどの軽やかな揚げ具合。
あと、セットの豚汁は滋味深く、付け合わせのお新香(大根、人参)もいい感じに漬かっていてベリーグッドなお味でした。
住所:台東区上野6-2-6 胡同ビル1F
-ビール (520 JPY)-
キリンクラシックラガー中瓶
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
まず漂ってくるのは油の良い香り。
お肉は肉厚で軟らかく、僅かに香る獣フレーバーが食欲をそそる。
調味料はトンカツソースと醤油とカラシ。そのまま何も付けずに食べて旨い。衣は薄く軽やかで、その存在を忘れてしまうほど。
お醤油を肉の切断面にたらして素早くいただくと、和テイストが広がって旨い(少し時間を置くと、醤油が肉に染み込んでしまって、醤油フレーバーが拡散しなくなってしまうような気がする)。
トンカツソースはフレッシュ、スイート、フルーティー。とんかつにつけて安心の味。
アクセントとしてのカラシも良い。
ご飯、味噌汁、お新香付き。
ご飯は大盛。味噌汁はしじみリッチで滋味深く、キリッとした赤味噌ベース。お新香は柚子の香り漂う大根の漬物。
この低価格でこの味は大満足でコスパ高いと思う。
entry 6 河金 (入谷, visited Oct. 2018)
住所:台東区下谷2-3-15
アド街でも紹介されたお店ですが、近年(昨年?)閉店してしまったようです。
千束の河金は健在ですね。
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
カレー on カツ on キャベツ on ご飯なカツカレーの丼。
カレーはソリッドな香ばしさで、ペースト感が大きい和的で家庭的な味。
カツの衣は薄くて硬め。お肉は淡白で普通に美味しい。
ユニークな丼だと思うんだけど、カレーがボクの好みに合わない。
全体的に子供っぽい味。
ちょっとウンチクなんですが、河金はカツカレーの原型を開発したとされ、初代が大正7年(1918年)に浅草河金として創業します。その後、長男が浅草河金を継ぎ、次男が下谷河金と千束河金を起こします。浅草河金はだいぶ前に廃業。下谷河金は初代の孫(飯田屋の四代目と幼馴染み)が営業していましたが、多分昨年廃業。千束河金は初代のひ孫(四代目)がのれんを守っています。多分、合ってるんじゃないかと思います。
entry 7 あけぼの (有楽町, visited Feb. 2019)
住所:千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館B1F
マスターがとっても気さくなショップです。
マスターがとっても気さくなショップです。
-エビスビール (中瓶) (550 JPY)-
-かつ丼 (980 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
お新香と味噌汁付き。
かつ丼のカツはソリッドなタイプ。といって固すぎるわけではなく、しっかりとした噛み心地の良さを満喫できる。脂身部分はさほど多くなく、その甘みを嫌味なく楽しめる。
ご飯は固め、お出汁少なめ、玉子も固めでトータルにソリッドな仕上がりで普通に美味しい。
お新香は人参が秀逸。シャッキリ、コリコリした硬い歯触りで、仄かに立ち上るケミカルフレーバーと糠の香りの共同効果が良い。
味噌汁の表層に浮かんでいるのはセリだろうか?独特の鮮烈なグラッシー(grassy)さが爽やかさを上手く演出している。
-かつ丼 (980 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
お新香と味噌汁付き。
かつ丼のカツはソリッドなタイプ。といって固すぎるわけではなく、しっかりとした噛み心地の良さを満喫できる。脂身部分はさほど多くなく、その甘みを嫌味なく楽しめる。
ご飯は固め、お出汁少なめ、玉子も固めでトータルにソリッドな仕上がりで普通に美味しい。
お新香は人参が秀逸。シャッキリ、コリコリした硬い歯触りで、仄かに立ち上るケミカルフレーバーと糠の香りの共同効果が良い。
味噌汁の表層に浮かんでいるのはセリだろうか?独特の鮮烈なグラッシー(grassy)さが爽やかさを上手く演出している。
あと、煮干しベースの出汁らしいですね。
entry 8 レストラン桂 (三越前, visited Jun. 2019)
住所:中央区日本橋室町1-13-7
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
クリーミー感はなくって、キレのあるタイプ。
ジョッキの匂いがちょっろ気になったです。
お通しのえびせんとピーナッツに心が和みました。
-RATING-★★★★★
-REVIEW-
サンドイッチからは食欲をそそられるバターのファッティーふれーばー(fatty flavor)が濃密に香る。
パンはトーストされていてとっても香ばしく、内側に塗られているバターの香味が映える。
薄めの衣に包まれたカツ(多分ヒレ)は、しなやかな食感と淡白めの旨味があって、仄かに香る獣フレーバーが堪らない。はっきり言って、カツとトーストがベストマッチ。
パンとカツの間にレタスが挟んであるんだけど、清涼感があって良い口直しに。
添えられたカラシも良く合っていていて、パンチ力アップ。
パセリも薬味としてよし。
entry 9 甲子屋 (流山)
住所:流山市流山2丁目298
一番搾り。 お通しに、そらまめ。
そらまめは苦手なんだど、これはしっとりしていて普通にいけた。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
お肉110 g。
御飯(茨城県こしひかり)、豚汁、キャベツ(嬬恋産)、ポテサラ、お新香のセット。
トリュフ塩、カラシ、レモン、ドレッシングが添えられている。
カツは衣の外側はサクッと、内側はちょいしっとりしている。油(ラード)由来だと思うんだけど、うっすらケーキのような香味を感じます。
ヒレ肉は丁度いい噛み心地で、肉質にキメの細かさがあってとっても美味しい。何もつけなくても、お肉からうっすら塩味がして美味しく食べれる。トリュフ塩を振りかけると、独特のポップなジャンクスパイシーさが付与されて面白い。トンカツソースは甘くやさしい滋味があって、鉄板の相性。芥子やレモンの味変も楽しい。お醤油を合わせても大分いける。どうでもいいけど、とにかく旨い。
キャベツはフワフワに切り出されていて、ボク的にはトンカツソースで食べるのが一番好み。
ポテサラもやさしい口当たりでかなり美味しい。
豚汁もいい味に仕上がってるし、胡瓜と大根のお新香はシャッキリ爽やかで、口直しにもってこい。
満足の定食。
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
均質に軟らかい"もつ"。
白味噌仕立ての穏やかな味付けで 普通に美味しい。
家庭的な白味噌仕立ての豚汁つき。いい味だけど、豚肉少ない(安いから仕方ない)。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
カツはソリッドめの淡白テイストだけど、仄かに香る獣フレーバーに食欲を掻き立てられる。 甘くて香味豊かな葱が仕込んであって、これがカツとベストマッチでシナジー爆発。 サクッと揚がった衣からは油の重さを全く感じない。
何も付けずにそのまま食べて旨い。
トンカツソースで食べて美味しい。
カラシもよく合う。
ポン酢タレもおいしい。
文句なしに旨い定食。
entry 10 塩梅 (柏, visited Apr. 2022)
住所:柏市明原1-2-3 柏田中ビル B1F -キリン一番搾り (627 JPY)-
-ひれかつ定食 (小) 120g (1,600 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
メインのひれかつに、ライス、味噌汁、キャベツのついた定食。さらに、切干大根・キムチ・中華風野菜の三種の漬物もついてくる(キャベツ、ライス、味噌汁はおかわりオッケー)。
キャベツ用のドレッシングは、梅じそマヨネーズ(食欲増進・マイルドな酸味)、ごま味噌(話題の健康食品)、おろし野菜(玉ねぎ・人参がベース)、トマトバルサミコ(ビタミンがいっぱい)から一つ選ぶ。で、おろし野菜をセレクト。
まず、キャベツとドレッシングが運ばれてくる。キャベツはフワフワにスライスされていて、乾いた食感(直ぐ出てきたので、作りおきなんでしょう)。ちょっと苦い。ドレッシングは和風で普通に美味しい。
ご飯は普通に美味しくて、赤味噌仕立ての味噌汁も塩気強過ぎず、いい塩梅。
メインのトンカツは、油が存在しないかの様な軽やかなしっとりサクサクな衣で、 ヒレ肉かはらは食欲をそそる綺麗めの獣フレーバーが香り、軟らかくモチモチな食感で淡白な味わい。この感覚は唯一無二かも。
味付け要員にトンカツソース、カラシ、カラシを溶いたポン酢がついてくるけど、なにもつけないか、レモンを搾って食べるのがベスト!
あと、漬物が美味しいです。特に、中華風野菜に入ってる蕪(だと思った)がとっても美味しい。
食後に梅昆布茶(味濃い)をいただいてフィニッシュです。
entry 11 神田ポンチ軒 (神田小川町, visited Jul. 2023)
住所:千代田区神田小川町2-8 扇ビル1階
-REVIEW-
普通に美味しい。
油モノにはやっぱ淡色ラガー。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
トンカツから薫ってくるのは芳醇なお肉の香り。
油の匂いを全く感じない(驚き)。穏やかな野趣的な獣フレーバーが鼻腔を刺激して、猛烈に食欲を掻き立てる。
衣はサクサクに揚がっていて、食べている最中、その存在に気付かない不思議な感覚に襲われる。
お肉は違和感無く歯が入り、心地良い弾力。咀嚼するほどに滲み出る綺麗な旨味。
そのまま食べて良し、カラシを付けて食べて旨い、レモンを搾るとシナジー爆発。酸味とナチュラルな甘みのあるトンカツソースはまちがいのない安定のうまさ。柚子胡椒はシロップ状(液状)でお酢メイン。その辺のよくあるペースト状の柚子胡椒にありがちなトゲトゲしさがなくてかなりい。レモンしるとは違った和的柑橘が良いアクセントに。そして、塩(粗塩)が旨い!甘味が強く奥行きのあるお塩は、トンカツと一緒に食べることでさらに甘みが際立ってトンカツをより美味しくしてくれる(これが一推し)。
油は6:4でブレンドしたコーン油とゴマ油。
塩はミネラルたっぷりのゲラント塩。
味噌汁は濃厚な味わいで、具のお魚が美味しい。
胡瓜と白菜の漬物は絶妙に丁度よい漬かり加減。
キャベツが超フワフワ。ドレッシングは酸味キツ過ぎずフルーティーな甘味があって良い。
完璧な定食。
やっぱり、トンカツって本当にいいものですね。
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閑話休題
こんな文献を読んでみました↓
Cap analogs with a hydrophobic photo cleavable tag enable facile purification of fully capped mRNA with various cap structures
Nature Commun., 2023, 14, 2657.
mRNAの精製技術に関する論文で、mRNAの完全化学合成を達成した名古屋大学の阿部 洋先生のグループからの報告です。
真核生物(細胞核を持っている生物)のmRNAは、5'末端にCap構造と3'末端にpoly-A (ポリアデノシン)を持っていて、両者の相互作用により翻訳活性がエンハンスされるそうです。
また、Cap構造はmRNA前駆体のスプライシング、ヌクレアーゼ耐性、核輸送に対しても重要な役割を果たすらしいですね。
Cap構造の導入には酵素による共転写キャッピングが一般的で、標準的なキャッピング法によるキャッピング効率は80-90%とか60-90%、もしくは60-80%と言われているようです(低分子合成マンとしては、その低純度さに驚きました)。
なので、現在のmRNAワクチン(ファイザーとかモデルナのCOVID-19用ワクチンですね)の純度は60-70%程度と推測され、不純物として含まれるキャップされていない非キャップ体である5'-トリホスフェート(pppRNA)の副生が問題となります。
因みに、クリニカル・バッチは純度78%、コマーシャル・プロダクトは純度55%という報告もあるようです(うろ覚え)。
pppRNAはmRNAウィルスにみられる構造で、RIG-1やMDA5などの自然免疫受容体を介した過剰免疫反応を惹起する可能性があので、当然、除去すべき不純物なわけです。
まあ、pppRNAを分離してやればいいんですが、それが非常に困難なんですね。困ったことに、逆相HPLCではキャップ体と非キャップ体(pppRNA)が分離しないのです(同じ保持時間)。
で、高純度のキャップされたmRNAをゲットするために著者らが編み出したのが、本報のPureCap法です。
具体的には、
(1) 光切断可能な疎水性タグを導入したキャップアナログを用いて共転写反応を行う
(2) 逆相HPLC精製することでキャップ化mRNAのみを分離精製(疎水性基を導入しているのでpppRNAと分離する)
(3) 疎水性タグを光反応で除去して目的物ゲット。
という手法です。
Fig.1 Structure of Capped RNA.
Scheme 1 Co-transcription capping of mRNA (in vitro transcription reaction).
Fig 2. Structure of cap analogs with a photocleavable hydrophobic tag and ARCA.
Fig. 3 Purification of capped-mRNA using RP-HPLC.
PureCap法ではキャップアナログのデザインがキモとなるわけで、著者らは光(365 nm)で切断できるタグとしてニトロベンジルエーテルを選択し、疎水性を高めるためにtert-ブチル基を導入しています(tert-ブチル基は安定性向上にも資する)。
標準的な共転写反応ではキャップアナログにARCA (anti-reverse cap analog, Fig. 2)を使うんですが、それだとキャップ化mRNAとpppRNAが分離しません(Fig. 3)。
一方、著者らがデザイン・合成したキャップアナログを使うと、tert-ブチル基の疎水性によって保持時間がpppRNAより遅くなり良好な分離がみられます。
著者らはPureCap法を使って650-ntのmRNAを合成しているんですが、そのcapping rateは次に通りです↓
ACRC:56% (Conventional Method)
DiPure:>99%
TriPure_1:>99%
TetraPure_2:98%
素晴らしいですね。疎水性向上のために導入されれたのはtert-ブチル基たったの一ユニットであるにも関わらず、長鎖のRNAの分離が可能なことに驚きを隠せません。
しかも、PureCap法はSARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードする4247-ntのmRNA(コロナワクチンmRNA)に対しても有効です(Dipureを使ってキャップ化率95%、tert-ブチル基をフェニルエチル基に変えたキャップアナログを使用するとキャップ化率98%)。
あと、PureCap法が優れているのはcapped-mRNAとpppRNAの分離だけじゃなくって、これまで高純度で製造することができなかったCap_2型構造を有するmRNAを高純度製造できるようになったことです。
Cap_2型構造を持つmRNAは医薬品として有用であると考えれれていたんですが、高純度品がなかったために生物学的効果が良く分かっていなかったんですね。本報ではCap_2型構造を持つmRNAが高活性であることも併せて示しています。
はっきり言って、かなりいい仕事してるんじゃないかなと思いました。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の流行り始めてるぜーmRNAメモでした。
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