2008年3月16日日曜日

サンクコスト: 新銀行東京への追加出資

東京都が1,000億円を出資して設立した新銀行東京が巨額の累積赤字(1,016億円くらい)を積み上げてお茶の間をにぎわしています。しかも、石原知事は400億円の追加出資をご所望の様子です。

やっちゃいましたねえ、慎ちゃん。個人的に石原知事の政治的バックグラウンドは嫌いではないけど、(後付けですが)銀行だけはやらないほうが良いのではと思っていたのですが、案の定という結果です。

「中小企業支援」「ベンチャー支援」を掲げる新銀行東京は、その理念自体は結構なことと思いますが、事業素養に継続性が全然感じられませんね。

だって、

1) 既存大手行が融資を尻込みするカスに融資をするっていうこいとでしょ。貸倒リスクが高過ぎるのでは?

2) 既存大手行が体力を回復すれば、新銀行東京に対する需要がまずまず無くなる。

3) 「中小企業支援」「ベンチャー支援」って、銀行業務おいて一番難しいところじゃないの?

高邁な理念を掲げるのは気持ちいいかもしれないけど、慈善事業ではないんだよね、銀行業務は。

さて、このたび都議会で400億円の追加出資を巡って議会が紛糾しているようです。慎ちゃんは、「(400億円の追加出資に)賛成しなければ、さらに損害が増える」といっているけど、事業素養が悪いんだから\、追加出資しても、その金をどぶに捨てるようなものだと思うな。追加出資するなら、少なくとも大幅な方針転換が必要でしょう。でも、ベンチャー企業への融資を増強する方針ぽいね。銀行はエンジェル(ベンチャー・キャピタリスト)のようにリスクを甘受できるのでしょうかね、都民の金で(自分、都民じゃないんで、都民がいいと言えばいいと思いますが)。

でもこれって典型的なサンクコスト(埋没費用)に係る問題だと思う。既に出資した1,000億がパーになっちゃうから、銀行を潰すわけにはいかないということでしょう。

サンクコスト効果だけで400億を追加拠出して復活するのかな?ここは、ゼロベースで見直して、継続的に利益あげることが可能であるという力強い見通しがなければ、破綻してもらった方がいいと思うけどな。400億追加出資して、また赤字垂れ流したら目も当てられないよ。

懸案事項は銀行業務だけではないんだから、慎ちゃんには、銀行はきっぱりあきらめてもらって、他の政策に邁進して欲しいな。

先日、「セイラー教授の行動経済学入門」という本を買ったので、ぼちぼち読み始めてみようかなと思う、二流大出の窓際研究員なのでした。

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