2010年2月13日土曜日

アニマルスピリット

アニマルスピリットを読了しました。



(いま流行りの)行動経済学の本です。ところで、書名にもなっているアニマルスピリットとは、安心、公平さ、腐敗、貨幣錯覚、物語だそうです。で、こういったアニマルスピリットが、時として、人を(経済)非合理的に振舞わせることになる源泉になるのです。

で、コンキチがこの本を読んで最も印象に残ったアニマルスピリットのファクターは、ズバリ、貨幣錯覚です。

大衆はインフレ率をちゃんと織り込むことができないということです。

つまり、「実質」ではなく「名目」しか眼中にないということ。物価スライド制とかそんなの関係ねぇって感じです。

ちなみにコンキチは、そういった大衆の盲目性を目の当たりにしたことがあります。それは、小泉政権初期のデフレ経済下、(コンキチの大嫌いな)労組の職場会で、次節の要求を話しあうことになりました。コンキチは、所謂ベア(ベースアップ)とは、賃金におけるインフレ調整機能だと考えていたので(実際には全くそうなっていないが)、ベースダウンすることを主張しました。デフレ下で、要求する側自らがベースダウンを切り出せば、ベアのインフレ調整機能としての役割は確固たる地位を築くことになる、そう考えたのです。そして、景気浮揚時にはなんの問題もなく、システマティックにベースアップが実行に移され、結果、実質賃金(購買力)の安定に寄与するという至極あたり前な主張をしました。しかしながら、120%歯牙にもかけられませんでした。

ま、そんなもんなんでしょうね。時の政府も、貸金業規制法改正とか、派遣規制とかの愚策にご執心(とまではいかないか)であったようだし。物事の表層しか見ていないのだ。

皆さんも本書を読んで、アニマルスピリットを学んでみませんか?大衆の非合理性を理解することができるかもしれませんよ

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