2016年5月2日月曜日

働くPhosphazene

千葉の渋谷こと柏Cityのラーメン屋さんのメモです↓

-めん王 若柴本店-
R16店舗の正面を見ればすぐわかると思うけど、渡邊美樹ばりに「ありがとう」を強調する、怪しげな店。はっきり言って、ちょっと宗教がかってると思います。
-めん王 濃厚情熱の味噌ラーメン(細麺) (増税前 690 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
甘めで濃いめの味噌スープは、縮れた細麺に良く絡む。細麺はつるつるした触感でライトタイプ。たっぷりのもやしが載っており、これが濃いめのスープと調和している。普通に美味しいが、ただそれだけ。感動は無く、想定内の味。使用している味噌は北海道紅一点。細麺に使っている小麦粉は柄木田製粉の龍王。

-めん王 醤油ラーメン (増税前 500 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
昔ながらの中華スープベースのスープ。麺(細麺)がスナックライクで、つるつるしていてそこそこ旨い(悪くない)。で、デフォルト状態のところにおろしニンニクを加えると、スープにエッジが立ってきて格段に旨くなる。

-半チャーハン (増税前 300 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
普通に美味しくて、コスパ高い。パラパラ感に改善の余地があると思うけど、味つけは良い。

塩ラーメンも味見したけど、スープの輪郭がぼやけていて全然ダメでした。
あと、帰りしなにサービスでもらった饂飩を家で茹でて食べたら、すこぶる旨かったとです。
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-麺屋こうじ ラーメン memo (増税前 700 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
麺は中太ストレート。コシが強く、噛んだときに歯に返ってくる弾力が楽しい。味も良い。麺自体はとても良く出来ていると思う。
しかしながら、スープはいただけない。濃厚豚骨魚介スープは、獣の臭みは感じないけど全体的に塩気が弱く、fatty感とoily感が強い。豚骨魚介の味自体は悪くないと思うが、fatty-oilyなflavorが塩味全体をぼやかしているように感じる。それから、スープの粘度が極めて高い。
麺に対するスープの絡みは悪くないと思うが、スープのfatty-oily感に麺が覆っているようで、ピントのはずれた味に感じる。
スープがトロトロで強烈にfatty。一緒についてくる割りスープ(昆布ベースで、椎茸様のキノコ入り)を全て加えても焼け石に水の脂っぽさ。 具はメンマ、焼豚、ホウレン草(?)、ネギ、海苔、魚粉。
スープが「超濃厚」だから好みに応じてスープ割りで薄めることを推奨しているが、スープ割りで均一に薄める行為は、丼内も麺や具をこねくり回す所作で、美しくない。加えて、濃度をいい塩梅に加減するのは極めて困難だと思う。なので、完成度が極めて低いと言わざるを得ない。
麺は北海道産小麦を使った全粒粉麺。
「焼豚にはこだわっていて、提供する直前に専用のグリラーで炙る一手間をかけ香ばしくしており、食欲を一段と駆り立てる」とアピールしているが、ロースト感は弱く(多少あるけど)、焼豚も脂身が気になり、味も貧弱な部類で旨くない。
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-兎に角 ANOTHER LEAF 端麗ラーメン (700 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
まずコショウのspicy noteが一閃(表面にコショウが振ってある)。魚介系醤油の薄口スープ。麺は(中)太のほぼストレートで、プツンプツンという歯切れで、あまり自己主張しない味だが旨い(米に例えるならササニシキか)。麺にスープが意外と絡んでくる。味的には悪くないと思うが、淡過ぎてもの足りない。具はチャーシュー(中の下的な味)、メンマ、ネギ(ちょっと大きめに切ってあって食感良し)、海苔。

-兎に角 ANOTHER LEAF 辛油そば(750 JPY)-
-RATING-
-REVIEW-
麺は太麺で、モチモチのほぼストレート。
具は、焼豚、刻まれた焼豚、メンマ、葱、海苔、高菜、辛味玉(辛い成分の粒)。
醤油とoily tasteで、節系のflavorがやんわり香る。
麺はとても旨くて、味つけとの相性も良い。
ただ、唯一の欠点で、致命的の残念だったのが、味つけが濃すぎること(マジで高血圧になりそうなほどしょっぱい)。それなりにしっかり掻き混ぜたつもりだったけど、底にタレが沈降していて、上部と下部の濃淡の差が激しい。そして、基本辛い(しょっぱい)。っていうか、とても(塩)辛い。唐辛子の辛さも含まれる。最上部の薄味taste部分は丁度いい塩梅で旨いが(そでもけっこうしょっぱい)、中盤以降は味覚障害者じゃyないと食えないんじゃねってレベルで塩辛くて、オレはつらかったです。
スープ割りができるというので、お願いしてみた。で、2割ほど残し、を加えて、ラーメン様に食べてみた。割りスープは超濃厚なカツオ節フレーバーで、粘度がもの凄く高い(ドロドロしてい)。creamyな部分もあるが、割りスープを加えてもつけ汁の辛さと塩辛さは殆ど緩和されず、くどさがアップ↑する。

前に食べた油そばはかなり旨かったんだけど(http://researcher-station.blogspot.jp/2013/11/2.html)、辛油そばは残念な感じでした。
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-王道家 ラーメン (650 JPY)-
-RATING- ★★★
-REVIEW-
(麺の固さは普通でオーダー)濃厚豚骨醤油でしょうか?粘度が高く、Oily & Creamyで辛め(しょっぱめ)の味。咽せるような獣臭は無いが、全体的にうっすらと獣臭に覆われている。
麺は黄色平打ちの中太で軽くwaveしている。モチモチで旨い麺。
具はほうれん草、海苔、チャーシュー、刻みネギ。ほうれん草はクタクタでイマイチ。海苔はスーピとの相性が良い(スープの重さを軽減してくれる)。チャーシューは豚肉感に溢れsolidな感じながらも、蒸した鶏肉にも似た味で、ほんのり薫るsmoky flavorは秀逸。
食べ進め、残り1/4程度でしょっぱさがup↑塩ダレが底の方に滞留していた為か?かなり塩辛い。ニンニクチップを加えて塩気をごまかすとなかなかgood!
店内に入ると全体的のうっすらと獣臭が漂っている。厨房は丸見えで、従業員は基本口数が少なく、所作は豪快。ホールの床がぬるぬるしているので、滑って転ばないように注意しましょう。
ボクが訪問した日は、従業員は6名(内、そこそこ年配の女性が1名)。厨房はマッチョ系男子3人+女性。マッチョ男子は全員整髪料で頭をキメていて、その内1人は腰パン。そこそこ年配の女性店員が鼻穴に指を突っ込んでいたのにはちょっと辟易。あと、オレのラーメンを持ってくるときちょっとスープをこぼしてたね。ホールの接客係は唯一愛想の良い坊主頭の男性だった。
神経質な人にはあまり向かない店と思います。
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-こってりらーめん誉 みそらーめん (720 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
5種類の味噌と数十種類の素材を使用した1番のおすすめメニューらしいです。
背脂が浮いているけど、ギトギト感は無くサラサラしていて、ニンニクの効いたミソスープはMild & Creamyのあっさり系で、少し粘度を感じる。けっこう上品で洋風チックなミソスープという印象。
麺は中太でwavy。蒲田菅野製麺製の特注麺。サクッとした歯の入りの良さと、中程度のモチモチ感で普通に美味しい。
麺とスープの相性は良く、バランスのとれた味。
具は、チャーシュー、もやし、ネギ、ニラ、メンマ。国産豚を使用した自家製チャーシューは、毎日1本づつ炭火で炙っている自慢の一品らしいいが凡庸な味。
基本的に分かりやすくてシンプルな美味しさのラーメンといった印象。


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-夢館 和風らーめん (720 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
麺は軽くwaveした細麺。柔らかく、コシは無いが、のびた感じではなく、ツルンとした 喉越し。良い意味で没個性的な麺。
スープは魚介節の風味が超濃厚に白いスープでとてもあっさりしている。とても上品な味。表面に浮いている控えめな油だけで、かなりのoilyさを感じるくらいのあっさりさだ。
で、この没個性的な麺は、スープを啜るのに最適化されている。このラーメンはスープを楽しむためのラーメンだ。
具は、焼豚、メンマ、ネギ。
焼豚はとても柔らかくて美味しい。余分な脂感がない。
メンマもとても柔らかくて、優しい味。
けっこうふんだんに入っているネギは薬味としてとてもいい感じで、箸休めとしても良い。
具もスープのために最適化されていると思いました。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

P2Et Phosphazene: A Mild, Functional Group Tolerant Base for Soluble, Room Temperature Pd-Catalyzed C-N, C-O, C-C Cross-Coupling Reactions
Org. Lett., 2015, 17, 3370-3373.

Merckの報告で、BuchwaldのPalladacycle Precatalyst(G2, G3)の系で、Baseにホスファゼン塩基を使ってみるとイイよというお話です。

BuchwaldのPalladacycle Precatalyst(G2, G3)の系では、アルカリ金属塩基が使用されますが、NaOtBuやLiHMDSは塩基に弱い官能基には適合せず、それ自身が求核剤として作用する場合があります。一方、より塩基性の弱いK3PO4, K2CO3, Cs2CO3といった無機塩基は(反応条件下で)溶解せず、一般的に60˚Cの高温が必要とされます(室温で反応が進行するBuchwaldのPalladacycle Precatalyst使う意味が半減するし、基質の分解に繋がる)。

こういった問題に対する安直なソリューションは「じゃ、有機塩基使えばいんじゃね?」ですが、通常のアミン塩基は十分な塩基性がなかったり、反応を阻害してしまったり、反応条件下で分解してしまったりして、なかなか一筋縄では上手くいかないようです。

そして、もう一歩進んだソリューションがThis Workで、「有機超強塩基を使ってみようよ!」です。有機超強塩基に使用によって期待される効果は、
a) 溶ける=均一系。不均一系反応より堅牢
b) (ネーミングそのままだけど)強い塩基性(CH3CN中でpKBH+ 〜47)
c) Lewis塩基中心周りがとっても嵩高いので、触媒反応の阻害を最小限に抑えられるし、有機超強塩基自体が求核剤として作用することもない=基質一般性が高い
d) 塩基の立体や電子状態をチューンできる
です。
ちなみに、有機超強塩基が遷移金属が触媒する反応とともに用いられた研究例は殆どないようです。

で、まずは有機超強塩基のスクリーニングから。著者らがセレクトした反応はこちら↓


この結果、概してP2Etホスファゼンが段違いに活性が高く、トルエン、THF、CPME、DMSO、NMP、tert-amyl alcoholといった幅広い特性•種類の溶媒が使用可能であることが分かりました。

さらに、P2Etを塩基に用いた場合、求電子剤が塩化物やヨウ化物でも(上のFig.で R=H, Br→Cl, or I)、上Fig.の各種求核剤と高収率で反応が進行します。
bromide: 7examples, 82-99%
cloride: 7 examples, 90-95%
iodide: 7 examples, 82-100%

それから、Ester Robustness Testもやっています。C-Nカップリングにおいてエステルユニットを持つ基質はClaisen縮合やエステルアミド化といった副反応が生じるためチャレンジングな基質だと言います。で、Ester Robustness Testはエステル(安息香酸エチルかethyl 3-phenylpropionate)を系内に入れて、目的の反応の収率と添加したエステルの回収率を見るんだけど、P2Etの成績は優秀で、高収率で目的のカップリング反応が進行し、エステルも定量的に回収されます(C-NカップリングでTHF, 25˚Cの場合とNu-H=HO-H, THF, 25˚Cの場合)。NaOtBu、LiHMDS、Zn(HMDS)2を塩基に用いると、目的の反応もエステルの回収も全然ダメで、Cs2CO3だとエステルの回収率は高いけど目的の反応の収率がイマイチです(C-NカップリングでTHF, 25˚Cの場合)。


それでは、最後に複雑な基質を用いた反応例を↓


かなり官能基許容性が高いと思います。

あと、SI読んでて気づいたんだけど、この一連の反応のスクリーニングってパラレル合成でやってるんだよね。相当スピードアップがはかられると思うんんだけど、かなりレベル高くね?ちょっと驚きました。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。


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