とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, January 24, 2016

LiICAってなによ?

らぁめん花月嵐で食べたラーメンのメモです。

-豚そば銀次郎 (700 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
麺はほぼストレートの中細麺でツルシコの食感。スープは豚骨と魚系の分かり易いダブルスープ(だと思う)。やや粘度を感じるも、基本、さらさらしたあっさり系、だけど味が薄いわけでわない。
スープは麺によく絡んでいるようには感じなかったが、物足りなさはない。麺自体に味付けしてあるような気がした。そして、麺の味をスープは盛り立てているといった印象のラーメン。
具は、玉子、チャーシュー、海苔、刻みネギ、刻み玉葱。
玉子は普通のゆで卵。
チャーシューは薄切りで非常に柔らかい。脂部は殆ど無く、悪くない味。
ネギ、玉葱のシャッキリ感が良いアクセント。
チェーン店でこのクオリティーは凄いと思う、驚いた。ただ、チャーシューの上に載せられた魚粉が魚くさくなるから邪魔。


閑話休題


相当古い文献を読んでみました↓

The Reaction of Lithium N-Isopropylcyclohexylamide with Ester. A Method for the Formation and Alkylation of Ester Enolates
J. Am. Chem. Soc., 1971, 93, 2318.

エステルのα-アルキル化をサーチしていたんですが、エステルのエノレートアニオンはケトンのそれと比べてかなり反応性が高く、ケテンが生成しがちだといいます。そのため、低温で反応を行ったり、反応性の低い求電子剤に使用を避けるといったことが必要となります。そんなカルボン酸エステルエノレートではありますが、tert-ブチルエステルの場合は室温でも安定なようです(メチルエステルやエチルエステルだと0℃以下で分解するようです)。

また、エステルエノレートはケテンへの分解という問題の他に、自己縮合(Claisen condensation)するという問題があります。自己縮合への対処法としては、LDAなどの強力な塩基の溶液中に基質(エステル)を加えていくことでエステルを即座にエノレートへと変換さえせことで、系内に余剰のエステルを存在させないようにすることが基本と思われますが(全部エノレートになればClaisen縮合は遅い)、tert-ブチルエステル(R=tert-Bu)を用いることでその嵩高さによってカルボニル基への求核攻撃を抑制するといった方法も有効です。

で、他に有効な方法ってないのかなぁと思っていたら、発見したのが今回メモする文献で、LiICA (Lithium N-IsopropylCyclohexylAmide)が有効だというお話です。


ちなみに、ethyl propionate, ethyl hexanoate, tert-butyl hexanoate, ethyl isobutylate, ethyl isovalerate, ethyl cyclohexanecarboxylate, ethyl phenylacetateをLiICAを使って-78℃でエステルをリチオ化すると、室温まで温度を上げても自己縮合は起こらないといいます(但し、0℃でリチオ化しようとすると自己縮合がかなり起こる)。


そして、室温、DMSO存在下(DMSO-THF, 20˚C)でエノレートの溶液をハロゲン化アルキルと反応させることで、高収率でα-アルキル化を行うこことができます。

ただ、酢酸エチルのように極めて活性の高いエノレートだと収率が低く、この原因はおそらく自己縮合がアルキル化と競合するためだと著者等は考えてます。


ちなみに、活性の低いlithio tert-butyl acetateとヨウ化ブチルをTHF中で反応させると60% Yieldですが、DMSOを添加して、50% excessのヨウ化ブチルを室温で作用させると85%まで収率が向上します。

最後にLiITAを用いたα-アルキル化の基質一般性はこんな感じ↓

tert-Butyl acetate + n-Butyl iodide/ 85%
tert-Butyl acetate + n-Butyl bromide/ 75%
tert-Butyl acetate + n-Octyl iodide/ 96%
tert-Butyl acetate + Isobutyl iodide/ 42%
tert-Butyl acetate + Isoamyl iodide/ 75%
tert-Butyl acetate + Allyl bromide/ 80%
tert-Butyl acetate + Benzyl Bromide/ 96%
tert-Butyl acetate + Isopropyl iodide/ 50%
tert-Butyl hexanoate + Methyl iodide/ 82%
Ethyl hexanoate + Methyl iodide/ 83%
Ethyl hexanoate + Isopropyl iodide/ 50%
Ethyl isobutyrate + Methyl iodide/ 87%


昔の論文であんまり詳しいことは書いてないんだけど、LDAやLiHMDSよりも有効アピールしてたので、これからはLiICAに注意を払って論文ウォッチしていこうと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。


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Sunday, January 17, 2016

ダイレクトアルドールでone-potで共役エノンをつくれ!

TX沿線の蕎麦屋に行ったときのメモです。

-遊庵 memo-

-せいろ (700 JPY) + おかわり (500 JPY) memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
蕎麦は細身(極細ではない)で、エッジが立っていて、噛むほどにキュキュッとした歯触りでキックが凄い。蕎麦の香りは仄か。噛み締めると、蕎麦らしいフレーバーと胡桃様のフレーバーが。ただ、蕎麦の嚙み反しが強すぎる感があることに加えて、ほんの少し粘度っぽいところが少し鼻につくが旨い。蕎麦は終始水を纏っているが、水っぽいわけでなく、ツユなしでも瑞々しく美味しく食べられる。
ツユは、まずかつおの香味、そこそこシックで強めのbody。甘みもそこそこあって悪くない。そして、瑞々しい蕎麦にツユが良い感じに合う。
薬味は本山葵と葱。
おかわり(ツユ無し)をあらかじめ注文しておくと、ツユを多めにしてくれる。
この蕎麦を一文で言い表すと、「田舎蕎麦を細くして洗練させた感じ」。

-〆張鶴 月 (600 JPY) memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
雪冷え程度の温度でいただく。締まった淡麗辛口。クセがなく悪くない。ただ、飲み進める過程で温度が上がってくると、ちょっと凡庸な味になるか?

-干しほたるいか (350 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
少し温かい状態で提供。けっこう魚くさい(fishy)んだけど、それが旨い。塩辛く、コクと旨味が深い。添えられたマヨネーズを付けて食べると、油の作用のためかマイルドさがup↑する(塩辛いほたるいかにマヨネーズつけて食べるとか、塩分摂り過ぎじゃね?って思うけど、とっても旨い)。

-かけ (700 JPY) memo-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
酸味の効いたしっかりしたbodyのツユ。蕎麦は釜揚げなのだろうか?ちょっと柔らかさが気になる。胡桃のような香味、歯がザクっと入る食感、それから味は良いと思うが、柔らかすぎる食感がボクの好みではない。蕎麦には蒲鉾と三つ葉が載っていて、三つ葉のかけ蕎麦に対する薬味効果がとても良い。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

One-Pot Synthesis of β,β-Disubstituted α,β-Unsaturated Carbonyl Compounds
J. Org. Chem., 2015, 80, 8830-8835.

熊本大の研究グループの報告で、Tiを使ったDirect Aldolでコンプリートに脱水までいかせて、共役エノンを合成するというお話です。


TiCl4を使ったDirect Aldolと言えば、関西学院大学の田辺先生を思い起こしますが、この論文の著者等も田辺先生の仕事にインスパイアされ、Ti-aldolateからtitanoxyl基を脱離させることで、one-potでα,β-不飽和カルボニル化合物の合成を試みます。

で、この反応の肝はelimination stepの際に加えるadditiveです。additiveは脱離反応を促進させるために、Tiに対するリガンドとしての効果やプロトンの引き抜きを期待して添加され、DMF、TMEDA、ピリジンが有効です。また、チタンのカスは自然に析出してくるか、Et2Oまたはヘキサンを加えることで析出し、水のworkupすることなしにセライトろ過で取り除くことが可能で、その後濃縮しそのままカラム精製できます。

あと、N-methylacetamide、アセトアルデヒド、2-ブタノン(MEK)を用いた反応だと、one-potで対応する共役エノンを得るのは難しいそうです。

因に、多くのケースでピリジンを使ったときに反応速度が速く、高収率で、E-選択性がDMFとTMEDAより低くなり、高いE-選択性(E/Z = >95 : 5)は、DMFかTMEDAの添加することでおおむね達成されます(アルドールアクセプターにプロピオフェノンを使った場合、DMFやTMEDAを使っても殆ど選択性は出ない)。

また、以下の実験からTMEADを使った場合は熱力学支配、ピリジンを使った場合は速度論支配のgeometryが決定することが示されました。さらに、過剰のピリジンの存在により、HClがトラップされHClによる異性化が抑制されることが示唆されました。


最後、天然物合成への応用です↓


オレも昔、Ti-アルドールやって中途半端に脱水して哀しい気持ちになったことがあります(コンプリートに脱水までいって欲しかった)。温度とか、ベースの量とか溶媒とかちょっと検討したんだけど、これは思いつかなかったな。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。












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Monday, January 4, 2016

Annual Income 2015

新キャラのキム•フィッシャー特別捜査官(エミリー•スワロー)大好きなコンキチです(ウチのカミさんの方が可愛いけど)。

今回の年末年始に THE MENTALIST SEASON 6 (全11巻)をコンプリートしたんですが、とっても面白かったです。シーズン6では、レッド•ジョン編が遂に幕を下ろし、FBI編がはじまりました。で、ジェーン達が仕えるFBIのボスがいい味出しててとても良かったです。ボスの名はデニス•アボット上級捜査官。恰幅のいいスキンヘッドの眼鏡の黒人で、凄く厳しいんだけど、人間味がある。仕事の任せっぷりもよく、しっかりその尻を持ってくれるという、日本では近年まれに見る理想的な上司です。オレもマジでアボットに仕えたくなったよ。

とことで、次のシーズン7がファイナル•シーズンらしいです。多分、邦訳版は今年の年末にリリースかなと思います。とても待ち遠しいよ。


閑話休題


2015年度の年収(給与収入)はこんな感じになりました↓


2年連続で給料下がって、哀しい気持ちでいっぱいです。でも、残業時間減ってるから、まあ、よしとしますか。と慰めてみてもやっぱり悔しいので、昨年末に駆け込みふるさと納税して地方の特産品をGETして溜飲を下げてみたコンキチです。

今回はじめてふるさと納税してみたんだけど、

ふるさと納税ってとんでもないフリーランチ

だっていうことが分かりました。しかも、高額所得者であればあるほど得をします(本来、ふるさと納税っていう制度は利得を得るための制度じゃないけどね)。

それでは、なんで"ふるさと納税で得をする"かを説明しましょう。

まず、ふるさと納税は、"納税"っていう名前がついてるけど、実際には寄付金控除のスキームを使った(所得税と)住民税の振替です。ついでに、"ふるさと"はただの枕詞で、寄付先は縁もゆかりもない任意の自治体を自由にチョイスできます。

で、ふるさと納税という名前の寄付をした自治体からは、多くの場合、その寄付に対する見返りとして「お礼の品」が貰えます。そのお礼の品が寄付金控除(=税額控除)後の自己負担額よりも高価な品物であれば得をするという筋書きです。

自己負担は「2,000円+寄付金控除Max額をオーバーした金額」なので、寄付金控除額の範囲内ギリギリいっぱいでふるさと納税すれば、自己負担額は2,000円となり、ふるさと納税の恩恵を最大限に享受することができます。

ここで問題となるのは控除額の上限とお礼の品の価値になります。所得税と住民税から税額控除される金額は、



  • 所得税からの控除=(ふるさと納税額-2,000円)×所得税の税率 (総所得金額の40%が上限)
  • 住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10% (総所得金額の30%が上限)
  • 住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(90%-所得税の税率) (特例分が住民税所得割額の20%を超えない場合) or (住民税所得割額)×20% (特例分が住民税所得割額の20%を超える場合)


  • になります。

    ここで重要なのは、住民税からの控除の特例分が住民税所得割額の20%を超えないようにすることです(これ超えると、自己負担が2,000円を超える)。

    では、ここでボクの実例を使ってシミュレーションしてみましょう。

    条件
    給与収入/ 850万円
    給与所得金額/ 645万円 (850×0.9-120)
    所得控除合計 (住民税)/ 186万円 (オレの場合)
    課税標準 (住民税)/ 459万円
    所得税率/ 20%
    住民税所得割額/ 45.7万円 (459×0.1-0.25) (456,500円) (オレの住んでる自治体だと、オレの条件で2,500円税額控除される)

    なので、この前提条件から導きだされる、自己負担が2,000円で収まるふるさと納税Max額は、

    456,500×0.2/(0.9-0.2)+2,000=132,428円

    となります(ちなみに、昨年は125,000円ふるさと納税しました)。

    次に、ボクがGETしたふるさと納税のお礼の品の価値を考えてみましょう。ボクがGETしたお礼の品はこちら↓

     (1) 北海道鷹栖町
    お礼の品/ 鹿肉セット (エゾ鹿肉の山恵のエゾ鹿ジャーキー、エゾ鹿ベーコン 205 g、エゾ鹿スモークハム 105 g)
    お礼の品の推定金額/ 2,100円
    ふるさと納税額/ 10,000円
    還元(キックバック)率/ 21%

     (2) 鹿児島県伊佐市
    お礼の品/ 焼酎だれやめセット (伊佐美、伊佐大泉、黒伊佐錦、各1升)
    お礼の品の推定金額/ 5,790円
    ふるさと納税額/ 20,000円
    還元(キックバック)率/ 29%

     (3) 高知県須崎市
    お礼の品/ 黒打万能包丁舟行型 (迫田刃物) 刃渡り 15 cm
    お礼の品の推定金額/ unknown
    ふるさと納税額/ 10,000円
    還元(キックバック)率/ N/A

     (4) 高知県高知市
    お礼の品/ 酔鯨 特別純米酒 2升
    お礼の品の推定金額/ 5,076円
    ふるさと納税額/ 20,000円
    還元(キックバック)率/ 25%

     (5) 宮崎県木城町
    お礼の品/ 尾鈴山蒸留所焼酎セット (山翡翠、山ねこ、山猿、各720 ml)
    お礼の品の推定金額/ 3,951円
    ふるさと納税額/ 10,000円
    還元(キックバック)率/ 39%

     (6) 佐賀県みやき町
    お礼の品/「天吹」花酵母組み合せ3品&樽型おちょこ2個(山廃純米 雄町、純米吟醸 いちご酵母、純米吟醸 雄町、各720 ml)
    お礼の品の推定金額/ 4,423円
    ふるさと納税額/ 20,000円
    還元(キックバック)率/ 22%

     (7) 愛知県半田市
    お礼の品/ カブトビール (330 ml×5本)
    お礼の品の推定金額/ 3,250円
    ふるさと納税額/ 10,000円
    還元(キックバック)率/ 32%

     (8) 北海道夕張市
    お礼の品/ 夕張メロン1玉(等級:優)
    お礼の品の推定金額/ 4,000円
    ふるさと納税額/ 15,000円
    還元(キックバック)率/ 26%

     (9) 静岡県富士宮市
    お礼の品/ ジェラート8個(ミルクランド)と生クリーム大福5個(上野製菓)
    お礼の品の推定金額/ 2,780円(ジェラート8個)+α(大福5個)
    ふるさと納税額/ 10,000円
    還元(キックバック)率/ 27+%

    ふるさと納税額に対して21-39%相当の商品がお礼おして送られて(キックバック)されてきます。平均して27%超といったところでしょうか。

    たった2,000円の負担で、ざっくり125,000×0.27=33,750円相当以上の品物をGETできたということになろうかと思います。以上が、「ふるさと納税はお得」の仕組みです。


    ところで、ふるさと納税は地方創生の一環の施策であると位置づけられ、「故郷、お世話になった地域、応援したい地域に対して力になれる制度」であるとされていますが(http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/policy/)、実際は「お礼の品」目当てで活用している人が多いのではないでしょうか?(ボクはそうです)
    メディアでも「ふるさと納税でいかに得するか」といった家計の経済合理的判断を煽ってばかりで、本来の趣旨(建前なんだろうけど)を解説する報道は極めて僅かのように感じます。
    自治体からのお礼の品も当該地域の特産品ならまだしも(プロモーションになるからね)、ノートPCなんかの家電製品なんていう節操なさ過ぎだろと思わざるを得ない自治体もあります。

    まあ、特産品GETしといて言うのもなんだけど、ふるさと納税やって税金振り替えて地方創生やるってことに極めて懐疑的です。特産品、場合によっては家電製品で釣って幾許かの税金を振り替えたところで、何ができるんですかね?なんか、昔のふるさと創生事業を思い起こしますよ。
    あと、ふるさと納税は自分が住んでいる自治体から他の自治体への税金の振替なので、自身が居住する自治体の行政サービスが低下する可能性が危惧されます。実際、税金の流出に悩まされる自治体もあるようで、寄付獲得・流出阻止のためにお礼の特産品を豪華にするという過当競争が問題となっているようです。正に本末転倒、一体、誰得なんでしょうか?真剣、市場の失敗なんじゃね?明かに歪だよね。

    官僚の無謬性は有名な話だけど、なにも官僚だけが無謬好きなわけではなく、人はだれしも誤謬を認めたくないものです(オレだって間違いは認めたくない)。特に立場や地位が上位な人ほど間違いを認めたくないのではないでしょうか?でも、それって醜いですよね。間違いに気づいたら、間違いを認めたくない心を超えて、誤りをすぐさま正す姿勢が人として美しい姿だと思うんだけど、そういった人物は希少なようで、あらゆるフェーズでほぼ寡聞にして知りません。(期待してないけど)為政者、高級官僚の皆様におかれましては、誤りを知り得たなら、即座にその誤りを正していただきたいものです、人は間違いを犯す生き物なのですから。

    それから、殆どの人にはまず該当しないと思うけど、高額な特産品(50万円超)を受け取った場合、課税さでる可能性もあるので一応注意しましょう(https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shotoku/02/37.htm)。

    以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のふるさと納税体験記でした。


    それにつけても、フィッシャー捜査官(エミリー•スワロー)って、クール•ビューティーだよね





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    Sunday, January 3, 2016

    THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS (6): 職業選択の最終解?

    江東区のラーメン屋に行ったときのメモです。

    -りんすず食堂 ラーメン (650 JPY) memo-
    -RATING- ★★★★☆
    -REVIEW-
    まず、かけ蕎麦様の香りがやんわりと漂う。スープの味は確かにかけ蕎麦のツユのニュアンスを強く感じさせるも、若干の粘度とスナック感を感じる。食べ進めるなか、途中でおろしニンニクを加えると、スープの粘度とスナック感が感じられなくなり、よりあっさりしたtasteに変化したような気がした。
    食べ進めるうちに、焦げ由来のものだろうか?、苦みが増す感じがする。底部には少量の刻みニンニクが仕込んでありる。
    麺は細麺で微妙のウェーブ(デフォルトが細麺で、太麺をセレクトすることも可)。食べはじめは若干の粉っぽさを感じたが、食べ進めるうちに良い塩梅のツルシコな食感になってくる。麺へのスープの絡み具合は悪くない。
    全体的にあっさりしていて、小麦十割で打った蕎麦的ラーメンといった印象。それでも、ラーメン的ニュアンスはしっかりと有る。
    具は、チャーシュー(凡庸な味で、脂身部分がけっこうある)、ネギ、焦がしネギ、水菜、メンマ(けっこう旨い)、もやし、あとなんか熟成ニンニクみたいなコク深いもの、味玉(黄身はゼリー状。レモンの香味がする)。

    あと、店の説明文によると、枕崎産の厚削りかつお節をたっぷり使用して5時間かけて煮出したかつお出汁と、1週間寝かせた熟成醤油(かえし)を合わせた日本蕎麦のつけ汁が味のベースになっているとのこと。さらに、鶏主体の動物系スープ、昆布、干し椎茸の精進系スープを合わせたトリプルスープがウリのようです。


    閑話休題


    年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学 」のメモの続きです(最後のメモです)。

    アメリカの労働市場は中間が失われて空洞化していると言います。これは、中技能・中賃金のホワイトカラーの仕事が、コンビューターや機械に取って代わられ、激減しているからです。これまでのところ、ITのような新しいテクノロジーが台頭すると、多くの場合、高い技能持ち主が有利になり、中程度の技能をもつ人に適した職の多くが消滅するようです(産業革命のときもそう)。そして、技能レベルの低い人たちの雇用にはそもそもあまり影響が及ばないようです。

    では、そんな時代にどんな職業が生き残るかというと、機械的反復作業ではない仕事=人間にしかできない仕事が残ります。具体的には、頭脳労働中心の仕事(サイエンス、エンジニアリング、マーケティング、etc.)と肉体労働中心の仕事(大工、トラック運転手、ハウスクリーニングの清掃員、警備員、etc.)。が残ると思われます。前者はクリエイティブ・クラスで、後者は概ねマック・ジョブ=「誰でも出来る仕事」です。

    新しいテクノロジーのターゲットは中技能層が担う仕事ということになるので、これから就職活動する学生諸氏がターゲッティングする職種は、クリエイティブ・クラスかマック・ジョブになろうかと思います。

    一昔前までは、職業はホワイトカラーとブルーカラーに二分されるというのがステレオタイプな考え方(文系的ステレオタイプ)だったかと思います(少なくともボクは高校生のときそう思っていた)。で、ホワイトカラーはオフィスでスマートに仕事をこなすイメージで、ブルーカラーは泥臭い肉体労働といった感じでしょうか。なので、大企業に入ってオフィスで(ブルーカラーに対して相対的に楽そうに)働くホワイトカラーになるのが成功スキームだと僕には感じられました(公務員信仰も似たようなものと思います)。しかし現在、フェーズは転換し、学校歴というシグナルだけで中技能のホワイトカラーになった人たちは、機械化というテクノロジーに駆逐されようとしているように感じられます。だって、所謂ホワイトカラー(中技能のホワイトカラー)って人海戦術的コストセンターで、(極論すれば)なにも付加価値を生み出さないじゃないですか?


    ここまでをまとめると、

    a) クリエイティブ•クラスは希少性が高く、機械による代替が困難なので、給料が高い
    b) 従って、経済的にそこそこの余裕を持って生活したいならクリエイティブ•クラスを目指すべき
    c) クリエイティブ•クラスとは、科学者、エンジニア、芸術家、文化創造者、経営者、専門家。この中でハードルが低いと思われるのは、科学者とエンジニア(専門家は漠然としているのでおいておく)。
    d) 日本国内において、科学者やエンジニアがメディアなどでクローズアップされることは少なく、一般的に馴染みが薄い職種と思われるが、なるためには唯一と言っていい決まったスキームがある。即ち、まともな大学の理学部、工学部、薬学部系の学部に入って、大学院まで進学すれば比較的高確率で長期雇用の科学者やエンジニアになれる。また、大学の研究室では研究を行っているので、学部の4年次で自然科学の研究室に配属されれば、とりあえず科学者(の卵)になったと言える(職業人=プロではないが)。
    e) 受験生の皆さんは、所謂日本で言うところの理科系を選択し、理学部、工学部、薬学部を目指しましょう。これが、クリエイティブ•クラス就職への第一歩です。あと、数学を勉強すれば論理的思考が身に付きます。間違っても、入試で数学のない社会科学系の学部とかは受験すべきではないと思います。だって、社会科学って統計学をめちゃくちゃ使うでしょ。多変量解析使いまくりだと思うんですが、それで入試で数学無しとか狂ってると思います。あと、所謂文科系の教授って学位持ってない人もけっこういるんだけど、理系では絶対あり得ない。学位さえ持ってない教授のレベルってなんなの?って思います。

    こんなところかと思います。



    それから、

    本書の著者は、「国が繁栄するか衰退するかは、その国の頭脳集積地の数と実力にますます大きく左右されはじめる。物理的な工場の重要性は低下し続け、その代わりに、互いにつながり合った高学歴層が大勢いる都市が、アイデアと知識を有む「工場」として台頭するだろう。」と述べています。

    そして、スウェーデン国立銀行賞受賞経済学者のポール•クルーグマンは、「国を貧しくする要因は、不況、歯止めなきインフレ、内戦などさまざまだが、国を豊にできる要因は生産性の向上だけだ」と言います(ちなみに、過去200年、アメリカ国民一人当たりの所得の伸びは、労働生産性の伸びと密接に連動していることに加えて、世界のあらゆる国で、歴史上の大半の時期にあてはまるそうです)。

    さらに、ハイテク産業で新たに1件の雇用が生まれると、その地域でサービス関連の新規雇用が5件生み出されるのに対して、伝統的な製造業の場合には、1件雇用増が生み出す新規雇用は1.6件しかないと言います(本書の著者の分析)。



    つまり、自然科学(サイエンス)系の学部にはいり、大学院に進学してクリエイティブ•クラス職に就いた人たちは、自身の経済的充足のみならず、国家の繁栄に寄与し、周辺産業(主にサービス業)の雇用にも貢献するという正の外部性を社会にもたらす貴重な人材なのです。ついでに給料も高いので納税額も多く、公共サービス整備への寄与度も高いです。

    どうです?高校生•受験生のあなたは、理科系を選択して、まともな大学の理系学部に入って、大学院まで進学して、クリエイティブ•クラスな職業に就いて、経済的にそこそこウハウハして、国力の増強と周辺産業の雇用促進に貢献してみませんか?一時のボランティア活動なんかより、よっぽど社会貢献できると思いますよ。

    以上、二流代出のテクニシャン(研究補助員)の読書感想文でした。

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    Saturday, January 2, 2016

    THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS (5): 脱「貧困都市」の処方箋

    新年早々、提督業に勤しむオタッキーのコンキチです。



    福しんっていうチェーン食堂に行ったときのメモです。

    -レバニラ定食 (600 JPY) memo-
    -RATING- ★★☆☆☆
    -REVIEW-
    ライスは大盛り無料。卵スープ(塩味が効いていて旨い)、お新香(旨くない)付き。メインのニラレバはめちゃくちゃ美味しいわけではないが、まあ及第で普通に美味しい。レバ少なめで、もやしとニラrichな気がする(特にもやしリッチ)。値段を考えばこんなものかも。コスパは悪くないと思うし、気軽にレバニラを食べれるのがうれしい(レバニラ単品は380 JPY)。

    -生ビール(390 JPY) memo-
    -RATING- ★★★☆☆
    -REVIEW-
    多分、アサヒ。クリーミー感が出ていて悪くない。

    従業員は3名いて、鍋振りの(多分)中国人男子、ホール担当のけっこう可愛い(多分)中国人女子、厨房内の日本人おばさん。店内はこ綺麗で好印象。

    ちなみに、福しんでは、セントラルキッチンを採用し、麺、餃子、チャーシュー、カット野菜、スープ、タレ類などを自社工場で一貫して製造して、専用車両で各店に配送しているそうです。


    閑話休題


    年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学 」のメモの続きです。

    都市の格差問題において、

    Quenstion/ 衰退している都市がイノベーションハブへと躍進するためにはどうしたら良いか?

    という問いに対する回答は、

    Answer/
    (1) やっぱ教育への投資が一番
    (2) 才能を惹付けるインセンティブの設定が重要
    (3) 衰退し続ける都市は”貧困の罠"(ネガティブ•フィードバック)に陥っているから、それを打破するために「ビッグプッシュ」(デッカいテコ入れ)が欠かせない。だけど、成功確率は低いよ

    といった感じのようです。

    ます、教育への投資ですが、
    アメリカが世界経済に君臨できたのはかなりの部分、教育の質が圧倒的に高かったおかげで、労働力の質が抜きん出ていたからだといいます。まあ、イノベーションに取り組むハイテク企業は、技能レベルの高い労働力、すなわち博士をはじめとする高学歴科学人材を必要としているのだから、教育への投資が重要であるということは容易に受入れられると思います。
    シリコンバレーのある企業ではエンジニアの半数以上が外国人だと言いますが、その理由は、アメリカ生まれのエンジニアが足りないからで、それを高学歴の移民で補完しています。

    次に、才能を惹付けるインセンティブについてですが、
    アメリカでは大学進学率が低下し、大卒労働者の供給ペースが減速していますが、その不足分を高学歴移民で補っています。こういうことが可能なのは、アメリカが高学歴移民を惹付ける魅力(インセンティブ)があるからです。ちなみに、外国出身者はアメリカの労働力全体の15%ですが、エンジニアで三分の一(33%)、博士号保有者で半分(50%)を占めると言います。
    ヨーロッパの国々は労働契約が硬直的で、給料の額、勤務スケジュール、昇進などに関する制約が強く、意思決定は上位下達が多く、昇進は概ね年功序列で出世するのに長い時間がかかる(降格は滅多に無い)そうで(日本の話みたいに聞こえる)、社内での給料格差はアメリカより小さいが、努力や才能が給料に繁栄させにくい社会であるといえます。換言すれば、平均以下の働き手にとって理想的です。しかしながら、このような制度は飛び抜けた能力を持ったAクラス人材に不満が燻るもので、彼らにとっては、アメリカで働いて早く出世して、高額な給料をGETした方がいいといった具合になります。
    先進国のなかで、アメリカほど教育への投資が多くの見返りをもたらす国は珍しく、加えて、多くの国ではアメリカより税金が高いので、働き手の手取り額ベースでの賃金差はさらに拡大します。なので、世界のAクラス人材にとって、アメリカの労働市場は際立って魅力的なものとなるのです。

    最後にビッグプッシュですが、
    衰退都市から脱却するためには、ビッグプッシュが必要だとは言いますが、その成功確率は低いです。公的セクターがベンチャーキャピタリストの真似事をするのは概して愚策のようで、アメリカの場合、イノベーション産業の集積地のなかで、当局によるビッグプッシュ戦略によって生まれたものはほとんど見当たらないそうです。まあ、プロのベンチャーキャピタリストだって次の成長企業を見出すのは容易ではないのに、素人さん(当局)がそうそう美味しい産業を見出し育てることなんで出来るはずありません。シアトル、ボストン、サンディエゴ、ロサンゼルスといったアメリカのイノベーションハブは、政治家が計画して築いた都市ではなく、早い段階で当該都市に拠点を置いたイノベーション企業が成功したからです。しかしながら、数少ない成功例に次のようなものがあります。

    a) アイルランド
    税制面を含めた思いきった優遇措置を設けて、ハイテクと金融の集積地を築いた。ただし、金融危機以降、そうした政策の持続可能性を疑う声が出てきている。

    b) イスラエル
    革新的な防衛技術と専門的人的資本を必要としていたイスラエル軍に投資していたら、間接的に民間部門を育み、それが国際的も競争力を持つハイテク産業の集積地が形成された(産業育成を計画していたわけではない)。

    c) 台湾
    1960-1970年代に科学研究に大掛かりな助成を行い、1次産業中心の経済をイノベーション産業を擁する先進的な経済に転換させることに成功。政府の投資をきっかけに、アメリカで活動していた中国系科学者たちが帰ってきて研究開発の集積地が誕生。その集積地がやがて民間企業を支えられるまでになった。早い時期に半導体に投資したことが大きくものを言った。半導体はたちまち台湾のハイテク産業の核になり、いまや台湾の経済的繁栄の原動力の一つになっている。

    本書では、台湾のおけるビッグプッシュ戦略は「政策担当者がベンチャーキャピタリスト的な先見の明を発揮した数少ない例の一つ」と解説していますが、「台湾政府が資金をつぎ込んだテクノロジーの中には実を結ばなかったものもあった」とも述べられています。産業育成に対するビッグプッシュは当たれば大きいけどまずあたらない大博打といったところでしょうか。

    ところで、産業育成に対するビッグプッシュはギャンブルと思いますが、教育に対するビッグプッシュだったらもっと金も掛からなくて成功確率も高いんじゃね?って思います。我が国(日本)では大学全入時代と言われるほど大学が乱立していて、Fラン大学にも私学助成が入っています。その一方で、国立大学の学費は右肩上がりです。要は、卒業しても高校レベルの学力させ獲得できない学校に無駄金を投入して、かろうじて大卒と認識されるであろ国公立大が割を食っているということと思います。
    個人的には、
    a) 私学助成は全廃(段階的に縮小)して私立大には独立独歩の大学経営を促す。
    b) 国立大の学費は無料(もしくはもの凄く安くする)にして、合否は全て学力試験で決定し健全な競争を誘起する。
    っていうがが希望です。そうすれば、成績優秀な経済的就学困難者は国立大を目指せばいいし、ブランド力のある私学も生き残るでしょう(多分)。Fラン大学に代表される大学としての機能を果たしていない大学は淘汰され、大学の質を担保することができるでしょう。Fラン大にしか入れない知能で、高額の授業料を支払い、ブラック企業にしか就職できず、学生時代に借りた利息付き奨学金を返済する余力もないなんていう悲劇(ある意味喜劇)もなくなるでしょう。また、大学の教員も競争に晒され、無能な教員も淘汰されるでしょう。「自分が一番典拠している参照文献は絶対、参考文献欄に載せませんから」とか「人が書いたもののなかで、初めて出会った論文をあたかも自分が最初から発見したかのようにして書くっていうのは、常道で」とか「逆に、"誰々が言っている"っていうことは、むしろ自分の内容が浅薄なので、権威付けのために(出典・引用が)付けられる」とか嘯く教員や、そんな人間が副学長を勤めるような大学には、できればご退出いただきたいものです(http://matome.naver.jp/odai/2139806737971659001)。それから、私大に限ったことではないと思いますが、学位(博士)の無い人間に教授はさせちゃいけないと思いますね。

    もうちょっと、つづく.....

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