とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Saturday, May 23, 2009

CH2(N3)2

こんな文献(Technical Noteです)を読んでみました↓


Org. Process Res. Dev. 2008, 12, 1285-1286.


前の反応から引きずってきた残留ジクロロメタンとNaN3が反応して、強い爆発性のCH2(N3)2が生成したというお話し。

メシル化してワークアップして、ジクロロメタンをとばした後、DMF(4 L)を加えてbath温度35℃、~20 Torrで20 Lのエバポレーターでエバポして1 step目終了。で、DMF (12 L)加えて、NaN3 (580 g)を加え70℃、16 hで反応。室温まで冷して水入れてエーテル抽出してエバポしてたらエバポレーターに濃縮されたジアジドメタンで爆発したという話。

エバポしてレシーバーを空にして一晩放置プレイしていたらコンデンサの付け根のglass crosspieceに30 mlの液体(2相)が溜まっていたそうです。で、濃縮し終わったフラスコを外して、液体をながそうとしてレシーバーに繋がっているPTFEコック空けたらドカンといったそいうです。

ちなみに、crude中には8-10 mol%のジアジドメタン (40 g, 0.4 mol)が検出されたそうです。

恐いですね。

っていうか、残留溶媒って意外と残りますよね。「bath温度35℃、~20 Torr」はちょっと甘いと思う。コンキチは以前香料合成もしていたことがあるんだけど、けっこう抽出溶媒は残る。香料は(基本的にvolatile compoundなので)液体のものが殆ど。で、1 mmHg, 60℃とかで濃縮してもAcOEtとかヘキサンとか残ってるからね(GCで分かる)。あと、沸点だけじゃなくて蒸発潜熱(蒸気圧)を考慮するのも大事と思います。例えば、メタノール(bp. 64.7℃)よりもヘキサン(bp.69℃)の方が圧倒的に飛び易いでしょ。あと、モノとの親和性とか。


ななはさておき、溶媒と試薬の組み合わせには気をつけたいと改めて感じる二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

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