先日、福岡に行ったときのメモです。
とんこつラーメンについては別にエントリーしてるので、今回はラーメン以外の福岡メシをメモしたいと思います。
飛行機で行ったので、まずは羽田空港で食べたランチから。
entry 1 アカシア 羽田空港店 (visited Mar. 2025)
住所:大田区羽田空港3-4-2 羽田空港第2ターミナル 4F
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
オムがとても美しい。
キメ細かいロールケーキのようなフワフワした均質な質感は魅惑の食感で、こんなの初めて。
チキンライスならぬポークライスで、キュービクに切り出されたポークはソリッドな食感と程よくワイルドな獣臭で味わい深い。
そして、特筆すべきはオムの上の落とされた真っ赤なケチャップ。酸味強い。酸味走っていて、口がスッパマンになりそう。
ミニサラダ付きで、りんごのドレッシングが柔らかい酸味と嫌味のない自然な甘味でドバドバ掛けちゃう。
博多ではまず天神や中洲の屋台を見学しました。
天神の目抜き通りにある三越の前で普通に屋台が営業していてビビりました。
翌日の昼間に同じ場所を通ったんですが、屋台は綺麗さっぱり無くなっていて、当たり前なんですがやっぱり屋台だったっんだなって思いました。
entry 2 博多華味鳥 博多駅筑紫口店 (visited Mar. 2025)
住所:福岡市博多区博多駅東1-13-31 駅東サンシティビル1F
https://www.hanamidori.net/store/archives/11
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
スーッと乾いた辛さが入ってきた後に綺麗な華やかいだ甘味。
軽やかな飲み口。
自然な甘味強めで自然な柑橘感。
尖ったところが一つもないお酒。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ギューッと鬼キック。
スレンダーなファッティーさ。
綺麗な旨味の脂が、いい感じに滲み出ている感じ。
和えてある胡麻も良く合ってる。薬味の山葵を下品につけて食べるのも良いです。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
小鉢、華味鳥水たき(ぶつ切り、ミンチ、切身、肝、野菜盛、雑炊又はちゃんぽん麺)めんたい高菜のセット。
葛切りと蒟蒻足して二で割ったよう舌触りとお味わいで超絶アッサリ。
味付けは、やんわり鰹節様のお出汁のみキック。
そうこうしているうちに、鍋を作って貰います。
まずは、ぶつ切りを仕上げもらうと共に、スープを湯呑みに用意して貰います。
で、スープが滅茶苦茶美味い。
正に至高の鶏白湯と思いました。
お団子(ミンチ)は、フワフワな仕上がりで可愛らしい味。
切身はいい感じに締まっていて普通に美味し過ぎて、普通の極みって感じ。
野菜盛も美味しいなぁ。
特にお豆腐が絶品。
豆の味濃さと、手造り感満載で気持ちいい食感が素晴らしい。
高菜もマイルドで丁寧な味。
鍋を平らげたあとは、締めに雑炊を作ってもらいました。
味付けは塩をちょっと入れるだけなんだけど、鶏のお出汁が超濃厚なので、それだけで十分。
味が足りなかったらお醤油で調整するように言われたんですが、そんなの必要ねぇー。
鶏のエキスがふんだんで、卵の濃ゆい味とが織りなす重厚感あふれるハーモニーが最高な至高の雑炊に仕上がっている。
今まで生きてきた中で、一番の鍋と雑炊と思いました。
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
梅酒をブラッシュアップした感じ。
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
吟醸香がちょっぴり鼻につく普通に美味しい純米吟醸。
entry 3 信州そば むらた (visited Mar. 2025)
住所:博多区冷泉町2-9-1
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
お通しの揚げ蕎麦は、蕎麦の香味が油で映えて、ポリポリ食感が最高。
ビールのアテに最適。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
トローリとした舌触りで、庶民的なテイストがあるポップ寄りのエレガントな味わい。勿論、日本酒にベストマッチなんだけど、デザート感のあるしょっぱ甘さが良いです。
蕎麦の実は小粒に破砕されていてかなりソリッド。深煎りされているからか香ばしく苦味走っている。今まで味わったことのない硬派に締まった複雑な香味。
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
さらりとした口当たり。
蕎麦の味はソリッドで煎り強めで香ばしい(そば味に入ってる蕎麦の実ほどではない)。
単体で食べて美味しいんだけど、お蕎麦とのコンボも狙って注文したです。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
この日の蕎麦は福井県産(在来種)。
蕎麦からは薄っすらとグラッシー・ノート、蕎麦様の香りに穀物様の甘い匂い。
素晴らしくしなやかな口当たりと、程よいもっちり感で咀嚼感が最高に気持ちいい。
香味は拡散性は乏しく仄かなんだけど、安心する味でしっかり美味しい。
ツユは上品な鰹節様の香味がかなり強めで、酸味・甘味・辛味の各々がくっきりしつつ融合した綺麗で美味しい辛汁。
蕎麦とツユの相性は素晴らしく良くて、とっても美味しい。
で、先に注文した蕎麦の実とろろを残しておいてとろろ蕎麦をやったんですが、サイコーですね。蕎麦の実が香味・食感のアクセントになって、普通のとろろ蕎麦より風味絶佳だったです。
entry 4 まかない屋 (visited Mar. 2025)
住所;博多区住吉2-15-3
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
胡麻豆腐。
ねっとりしっとりの食感で、上品な胡麻の香味。
砂糖醤油と山葵のコンボでいただきました。
-生ビール サッポロ黒ラベル (中) (550 JPY)-
-お造り盛り合わせ (1人前) (1,980 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
お醤油、塩、醤油ポン酢。
鰹、イクラ、鰯、サーモン、勘八、烏賊、トビッコ、鯛、鰆、カマス、イサキ、太刀魚、鮪、鯖、エンガワともう一品(忘れた)の盛り合わせ(だったと思う)。
16種類の魚介がワンプレートで楽しめる宝石箱的一皿。
鰹は舌に絡みつく様な軟らかい身質で、とっても綺麗な味。皮が食感と野趣的なフィっシー・フレーバーを主張する。
イクラは張りがあって薄味。
鰯は嫌味が全くなくって、可愛らしい舌触りと旨さだけが口の中に広がるばかり。
サーモンは身がしっかりしていて、すっきりした味でいい。
勘八は脂がちょい回った感じで、食感と旨味の適度にこなれた感が美味しい。
烏賊は適度な張りもありつつ軟らかく、上の載せられたトビッコとの食感のコントラストが楽しい。
鰆は多分炙ってるんだと思う。ウェットなのかドライなのか?形容し難い魅惑の食感に加えて、繊細な魚感のある旨さ。
カマスは鰆に似たような食感も、さっぱりしてる気がしました。
イサキは熟女的な身質で、ミドルからフィニッシュにかけての熟女感のある淡白な味わいが堪らない。
鮪なんだけど、刹那的な食感の変化が面白い。ファースト・インプレッションは張りがあるからの、軟らかいじゃんを通過しての溶ける感じで、嫌味じゃない自然な甘さがして、フィニッシュのいい感じの酸味が良かったです。
太刀魚も思った通りの味で美味しい。
で、鯖がしゅごい。こんなの食ったことない。皮が主張をするだけど、そこが旨味。身はマジックな存在感。口溶けが早く、透明感のある消え方と旨さ。
エンガワはキックいい感じで、脂が控えめにいい塩梅なのが心憎い。
大満喫しました。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
綺麗な辛口で形容し難い旨さ。
飲むほどに甘み強くなる(酔っ払ってる)。
柔らかい酒質でホント落ち着く。
ひとめぼれで醸したお酒のようです。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
一緒に出される甘い醤油でいただく。
烏賊のお造りの表面はブツッとしていいて全体的にソフトな舌触り。
淡麗淡白フレッシュにして、自然な甘さが口の中に広がってとっても美味しい(包丁入れてあるけど、基本醤油と馴染まないので、結局最後は素材の味。で、美味しい)。
刺し身、塩焼き、天麩羅の中から、塩焼きをセレクト。
結果、めっちゃ美味いな。
濃いめの塩味と火が入って活性化した烏賊が兎に角美味い。
丁度いいゴワゴワした食感が旨さに拍車を掛ける。
レモンを絞ると益々烏賊の味が映えて、美味すぎる。
entry 5 よりあい処つしま (visited Mar. 2025)
住所:博多区築港本町1-1 福岡サンパレス前
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
小鉢・味噌汁付。
具は、自信ないけど、鮪、ネギトロ、カンパチ、蒸し海老、トビッコでしょうか?
お魚の切身は、何もしっとりした舌触りとねっとりとした食感。脂が程よく回っているようで美味しいですね
鮪は品のある甘味と綺麗な酸味のある好きな味でした。
具はごまだれを薄っすら纏っていますが、お醤油を軽く掛け回した方いいでしょう。濃口醤油は酸化したよう味だったので、甘いさしみ醤油をチョイ掛けしました。
味噌汁もしっかりした味で美味しい。
小鉢の金平牛蒡やわらかくて上品な味付け。
かなり満足できました。
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
燗をつけてもらいました。
甘・酸・辛と味が流れいて行き、味が濃い。
米の味を感じました。
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
大体思った通り味。
ザ・本醸造って感じ味。
甘味もあるいい感じの淡い辛口。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
フグや鰻にも似た淡白な鬼キック。
噛み締めるほどに、うっすらと野趣味のある魚テイストが染み出してくる。
醤油ポン酢が添えられるので試してみたら、圧倒的に合いますね。
薬味の葱をプラスすると、穴子の旨味さらに映える。
ボク的には紅葉おろし凄く合うんじゃないかなと思いました。
あな刺しは醤油ポン酢でキメッ!
entry 6 海幸 空港店 (visited Mar. 2025)
住所:博多区大字下臼井767-1 福岡空港第2ターミナルビル 3F
-ザ・プレミアム・モルツ・マスターズドリーム (825 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
お出汁のいい匂いとプルプル食感で、普通に美味しい。
具は、蒲鉾、椎茸、鶏肉、海老。
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
いい型で香ばしい匂いだったので凄く期待したんだけど、拍子抜けな味。
裏側の皮周辺の脂はジューシーだったけど、身はふっくら感に乏しく、味も気が抜けてる感じだったです。
薄味だったんだけど、それが余計に裏目に出た気がしました。
-生ビール中 (693 JPY)-
太宰府にも足を伸ばしてみました。
博多から福岡地下鉄空港線で天神に出て、西鉄天神大牟田線急行に乗り換え、西鉄二日市から二駅(西鉄太宰府線)で太宰府駅です。
太宰府天満宮の参道や参道を囲むお店は観光客で混み合っていたんですが、少し離れたところにあるお寿司屋さんは参道の喧騒から隔絶されていて満喫できました。
entry 7 寿し栄 (visited Mar. 2025)
住所:太宰府市太宰府3丁目3-6
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
まろ味のある香り。
ザラっとした甘味。
最後は、綺麗めな酸味で終わっていく。
全体的にふっくら感のある辛口。
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
にぎり(十貫)、細巻(三個)、茶碗蒸し、お吸物のセット。
赤身はしっとりした舌触りで、咀嚼時の気持ちいい軟らかさ。穏やかな酸味を伴った綺麗な味。
他の魚種も押し並べてしっとりしたファースト・インプレッションからの適度な張りを伴った軟らかさで、上品な丁寧な味わい。
炙りが入ってるネタは、鼻腔をくすぐる優しいロースト・フレーバーに加えて、身にはやんわりしたホロホロ感があって円やかな旨味。
玉子焼きも落ち着いた味で普通に美味しい。
茶碗蒸しはお出汁の味がいい感じで、プルフワな口当たりで美味しい。具は、鶏肉、椎茸、三つ葉、銀杏、海老。綺麗な味の鶏肉と自然な濃い味の椎茸が特に好き。
シャリは酸味控えめな中庸な味。ちょっと気になる程度に冷たかったです。
天神様に境内は広大で風光明媚だったです(人も超絶多かったでけど)。
何はともあれ、学校の授業で習った菅原道真公が祀られる、あの太宰府天満宮をお参り出来て感無量でした。
その後、東京への帰路に着くため、福岡空港に向かいます。
福岡メシ、ラストスパートです。
entry 8 第一玉家寿し (visited Mar. 2025)
住所:博多区大字下臼井778-1 福岡空港 国内線 第2ターミナル 3F
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
燗をつけてもらいました。
お通しは、あん肝と烏賊(?)の和え物。
烏賊(?)の味の濃ゆさとあん肝の濃密さのシナジーが日本酒のアテに良きでした。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
鯵、石鯛、アオリイカ、車海老、雲丹の五貫。
まず鯵なんだけど、これホントに鯵なのっていうしなやかで膨よかなもっちりした至福の食感。白身に近いような上品な感じを伴う綺麗な旨味が強い。
石鯛は鯛系のねっとりもっちりした心地よい満足いく歯触りで、淡白だけじゃなく旨味濃いめ(イナダっぽいイメージ)で相当美味い。
車海老は、もうプリプリフレッシュで、とても綺麗な海老の旨さ。上品さが濃ゆい
雲丹も普通に美味しかったです
鯵、石鯛、アオリイカ、車海老は、ちょっと神ってると思いました。
シャリはお酢が少し強め。
あと、寿し栄(太宰府)でも思ったんですが、福岡はシャリが少しねっちょりがデフォなんでしょうか?
それから、江戸前に拘らなければ、地魚はサイコーですね。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
これはヤヴァイね。
身はプリュプリュ。
穏やかな酸味、清楚な味わい、僅かに綺麗な脂。
で、ウェット感がたっぷりあって口溶けするんですよ。
そんなプリティーな味と舌触りなんですが、ごまだれとか薬味のネギとか山葵に味が全然負けてない。
逆にそれらを力にして味映えしている。
こんなのボクが知ってる鯖じゃないし、もう異次元の旨さ。
食っといて良かったと思った逸品でした。
羽田行きの飛行機に搭乗し空を飛ぶこと約二時間(かな)、戻って来ましたメトロポリタン・東京に。
福岡(主に博多)では食傷気味(どころじゃない)だったので、旅の終わりはアッサリしたもので〆ました。
entry 9 おぐ羅 羽田空港店 (visited Mar. 2025)
住所:大田区羽田空港2-6-5 国際線旅客ターミナル4F 江戸小路
-アサヒ 生ビール (759 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
赤こんにゃく、厚揚げ、大根、玉子、ちくわ、わかめ、がんもの8品。
兎に角、お出汁が美味しい
あっさりした優しい味なんだけど、和的な旨味が強い。
この美味しいお出汁をふんだんに纏った大根がそれ自体の味と相まって、ボクの一番人気。
わかめはお出汁の旨味より一層増強するので好き。
がんもは、中の具材の味わいと油とお出汁の相乗効果で旨いですね。
このおでん屋さんは羽田空港第三ターミナル(国際線)にあるんですが、このターミナルは凄いですね。日本情緒溢れる装飾で、来日早々にこんなの見たら、インバウンド勢は日本を好きになっちゃうよと思いました。
ということで、今回の福岡旅行を総括すると、「福岡(博多)は、美味しい」です。
閑話休題
古いんですが、こんな文献を読んでみました↓
Extended Solution-phase Peptide Synthesis Strategy Using Isostearyl-Mixed Anhydride Coupling and a New C-Terminal Silyl Ester-Protecting Group for N-Methylated Cyclic Peptide Production
Org. Process Res. Dev., 2021, 25, 2029-2038.
日産化学からの報告で、N-メチルアミノ酸を含む環状ペプチドを、液相で、コンバージェントに合成するお話です。
ペプチド合成で広く使われているSPPS (solid-phase peptide synthesis)は簡便でスピーディーな手法ですが、過剰量の試薬と大量の溶媒を使用するため、コスト高で環境負荷が大きいです。
さらにコンベンショナルなC-to-N伸長による合成法ではN-メチルアミノ酸を含むペプチドは、N-メチルアミノ酸の立体障害のため、反応時間が長引くことに起因してエピマー化のリスクが高まります。
こうした課題解決のため、著者らは新しいカップリング法を編み出しました。それは、イソステアリン酸塩化物とシリル化剤を使用したN-to-Cにペプチド鎖を伸長させていく液相合成です。
そして、この手法を環状オクタペプチド (モデルペプチド)の合成に応用しました。
cyclic octapeptide (model peptide)
合成戦戦略としてはコンバージェントな合成法を採用し、ジペプチドフラグメントを順次縮合させて行き最後に環化するというものです。
具体的には、
(1) 環状オクタペプチド構成する4つのジペプチドをそれぞれ合成
(2) 酸性/塩基性条件下で安定なcyclohexyl di-tert-butyl silly (cHBS)基をC-末端の保護基に採用して
(3) ジペプチドのフラグメントカップリング敢行
(4) 脱保護して最後にHigh Dilutionで環化
です。
まずは、ジペプチドユニットの合成です。
四つのジペプチドは、N-保護アミノ酸をイソステアリン酸クロリド(ISTA-Cl)と反応させた後、BSA(N,O-bus(trimethylsilyl)acetaminophen)で処理してシリル化した無保護アミノ酸(側鎖は保護)とカップリングさせることで合成します。この際、シリル基が過渡的な保護基として働いてダブルカップリングを抑制するとともに、有機溶媒に対するアミノ酸の溶解性を向上させます(N-to-C伸長で通常必要なC-末端の脱保護が不要)。
こうして、カラム精製無しで高純度のジペプチドを高収率で取得しています。
さて、次はお待ちかねのフラグメント縮合です。
Cbz-Thr(tBu)-Sar-OHのC-末端にcHBS基を導入し、Cbzケミストリーを使って4残基分のC-to-N伸長を行なった後cHBS基を切断。今度はN-to-Cに2残基伸長させて鎖状の保護オクタペプチドへと誘導します。
Cbzケミストリー、Fmocケミストリー、ケイ素のケミストリーを巧みに使用し、結晶化を駆使しすることでカラムレスで定量的に目的のペプチドを取得しています。
また、cHBS基はその嵩高さ故に、N-末端の保護基の脱保護時に懸念されるDKP (ジケトピペラジン)形成抑制にもワークします。
さらに、通常のN-to-C伸長で汎用されるメチルエステルやエチルエステルとは異なり、エピマー化のリスクを高めるアルカリ加水分解を回避できます。
最後の脱保護(Global deprotection)と環化は、二段階で収率70.4%。最終体の環状オクタペプチドをHPLC精製することで仕上げています。
流石、日産化学。エクセレントなプロセスを構築しているんじゃないかと思うとともに、相当検討を重ねたんじゃないかなと感じました。縮合反応なんて全部条件違うじゃないですか。
それから、繰り返しになりますが、Cbz、Fmoc、ケイ素とそれぞれのケミストリーをC-to-NとN-to-Cを巧みに使いこなしているとことが心憎いです。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のN-to-C Reverse Elongationを利用した環状ペプチド合成メモでした。
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