2017年8月14日月曜日

IWAKI (AGCテクノグラス株式会社)より愛を込めて

艦これ(夏イベ)始めてます。GETです。



ども、チバラキ在住のオタッキーのコンキチです。

チバラキと言えば、千葉の渋谷こと柏Cityがまず思い浮かびますが(多分)、柏にはボクの大好きな水出しコーヒーを出してくれるCafe Stageっていうお店があります。そのお店の水出しコーヒーのメモです↓

-水出しアイスコーヒー (620 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
7時間かけてゆっくり抽出した水出しアイスコーヒー。とってもmellowで澄んだ味わい。繰り返しになるけど、糖蜜の様に濃厚な香りと澄んだ味。ハイローストの豆から抽出されたfull bodyのアロマは、一本芯が通っていて、richなフレーバーと清純なテイスト醸し出す。雑味がほとんどなくて清純なんだけどハイローストの濃厚な味。
ミルクとの相性は抜群で、ボクは最初は何も足さずに飲んで、残り半分くらいになったところで、ミルクをたっぷり注いで飲むのが好きです(ちょっと下品だけど)。


←大型のウォータードリッパーが水出しコーヒーの実製造も兼ねてディスプレイされているんですが、この巨大なドリッパーを眺めながら飲むのが最高なんですよねぇ。

このお店は柏高島屋のステーションモールに入っていて、以前はおかわり自由(何杯でも)だったんだけど、先日行ったときは「おかわり自由」の表示がメニューから無くなっていてちょっぴち残念な気持ちになりました(でも、かなり濃厚なので、二杯が限界だったけど)。


閑話休題


突然ですが、ボクはIWAKIのガラス製品が好きです。大好きです。
会社ではIWAKIの駒込ピペットを愛用しています。駒込ピペットの先端は割れ易く、廉価品はすぐにダメになってしまいます(ボクの使い方が悪いだけかもしれませんが)。(ぞんざいなボクの使い方に耐えれる)高品質なガラスの駒込ピペットを探すとなると、IWAKIかSHIBATAの二大ブランドから選ぶことになるかと思いますが、ボクは圧倒的にIWAKI推しです。そして、その理由を一言で言うと、"スタイリッシュ"だから。

駒込ピペットに限らず、IWAKIの製品はSHIBATAのそれに較べて細身で肉薄なのです。ボクが一番良く使っている駒込ピペットは5 mlのものなんですが、SHIBATAのピペットを小さい口(小径)のフラスコに入れようとすると引っ掛かってピペットの先端が入っていかないんですよね、(IWAKIより)太いから。
人によってはSHIBATAの質実剛健で武骨なつくりを好むかもしれませんが、ボク的にはスタイリッシュ(引っ掛からない)で手に馴染み易いIWAKI一択です(まあ、この辺りは一長一短ありますが)。

とまあこんな具合に、駒込ピペットからはじまって、メスシリンダー、試験管、ナス型フラスコといった実験器具にとどまらず、プライベートでもIWAKI製品を愛用しています。

プライベートで使っているIWAKI製品の一番のお気に入りは2重構造耐熱ガラスで、その名も"Airグラス"です。

見た目に美しく、保温性(断熱性)に優れ、ホット(熱燗)でもアイス(on the rocks)でもおサケやコーヒーを美味しくいただけます。耐久性も、まだ割ってないので、大丈夫でしょう。

それから最近購入してコスパが高くて満足しているのが、水出しコーヒーをつくるためのウォータードリップコーヒーサーバーです。


この製品、水の滴下速度の調整は全くできないんですが、初心者には逆にそれが良くて、そこそこ美味しくて、そこそこ一定品質の水出しコーヒーを調製することができます。しかもたったの千四百円ちょっとで。

もう大分前のことなんだけど、社会人になりたての十数年前に、ちょっと気合いをいれて水出しコーヒーメーカー (ウォータードリッパー)を購入しました。ojiのこんなやつ↓(ハンズで買った)


ojiのドリッパーは本格的なつくりなんだけど、水の滴下速度の調整(コックの調整)が難しくってなかなか再現良く美味しい水出しコーヒーを淹れることができませんでしたが、IWAKIの製品は滴下速度調製機能が無いので、悩むことなく、ある程度のクオリティーの水出しコーヒーをBestではないけどBetterな抽出効率で淹れることが出来ています。

ここでちょっと訂正なんだけど、"ある程度のクオリティー"って一応控えめに表現したけど、はっきり言って相当うまいね。たったの千四百円ちっとで美味い水出しコーヒーを自宅で淹れれるんだから相当コスパが高いと思います。

しばらくは、仕事もプライベートもIWAKI (AGCテクノグラス株式会社)でいこうと思う、二流大出のテクニシャン (研究補助員)のIWAKI推しの備忘録でした。

もっと、交換反応 (2) : アセタールをつけたり、とったり

艦これ(夏イベ)はじめました。



ども、オタッキーのコンキチです。

さて、万世橋のmAAchの中に入っている駿河屋賀兵衛 (マーチエキュート神田万世橋店)という塩辛ショップ(居酒屋)に行ったときのメモです。


-喜久盛 シャムロック 生原酒 (800 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
純米酒。シックで辛くて重たそうなtop note。ゆっくりと滑っていくような感覚の舌触り。甘く、辛く、full bodyな酒質で、finishには米由来と思われるコクを感じる。
芳醇旨辛甘口のサケ。

-天然赤ほや塩辛 (700 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
香りも味も最高にfresh。塩辛なんだけど、かなりのfresh感でとても旨い。
葱、若布、山葵と一緒にどうぞ。

-百十郎 +12 (500 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
精米歩合 70%。
cake-like note, vanilla noteのとっても華やかな香り。クセの無い辛口。finishにbitter。

-伊豆鹿タタキポン酢 (980 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
穏やかなroast note。すっきりとクセの無い味だけどbodyの強さを感じる。歯ごたえも楽しい。fresh感じに欠けるのが少々残念。


ボクが訪問した時は、舞の海をかっこ良くした人が調理していました。あと、通販(http://surugayakahei.com)もやっていてアキバのちゃばらに小売店も入っています。


閑話休題


けっこう前の文献だけど、こんな論文を読んでみました↓

Highly Efficient Chemoselective Deprotection of O,O-Acetals and O,O-Ketals Catalyzed by Molecular Iodine in Acetone
J. Org. Chem., 2004, 69, 8932-8934.

清華大学の研究グループの報告で、アセタールの脱保護のお話です。

アセタールの脱保護と言うと、もの凄く古典的な反応の一つで、酸加水分解が最も教科書的な方法だと思います。当然、酸性条件を好まない基質はあるわけで、弱酸性条件や非酸性の試薬を用いた脱保護法が開発されています。本報のイントロでは、CeCl3•7H2O (JOC, 1997, 62, 4183.)、FeCl3 (JOC, 1997, 62, 6684.)、TMSN(SO2F)2 (JOC, 1998, 63, 2365.)、Magtrieve (TL, 1999, 40, 6025.)、CAN (ACIEE, 1999, 38, 3207.; TL, 1999, 40, 1799.; Tetrahedron, 2003, 59, 8989.)、Bi(NO3)3•5H2O (JOC, 2000, 65, 8399.)、Ce(OTf)3 (JOC, 2002, 67, 9093.)、Bi(OTf)3 (JOC, 2002, 67, 1027.)などが紹介されていますが、マイルドで中性条件で選択性の高い脱保護法の開発が望まれています。

ということでThis Workでは、アセトン溶媒中で触媒量のヨウ素を使ったアセタール交換反応により、中性•マイルドな条件下、短時間で高選択的•高収率でアセタールを脱保護できることを報告しています(凄いでネ♥️)



17 examples, 90-98%

マイルドなのに高活性•高選択性。久々に惚れ惚れする反応です。furyl基、tert-ブチルエーテル、ケトキシムといったacid-sensitiveな官能基があっても無問題。さらに、上図の一番最後の基質のジアセタールは温度制御により選択的に脱保護することが可能です。

とことろでこの反応、一つ注意しなければならないことがあります。それは、溶媒=アセトンの含水率に注意しろってことです。無水のアセトンか市販のACSグレードのアセトン(≤0.5% H2O)で反応を行う分には問題ないのですが、等量の水の存在で反応速度が滅茶苦茶遅くなり、含水率が1.0%のアセトンを使うと収率が激減してしまいます(オレの計算が間違ってなければ、含水率1.0%のアセトンを使うとアセタールに対して1.75 eq.程度の水が入っていることになる)。著者らはこの現象について、本報の反応が加水分解ではなく、アセタール交換で進行しているという仮説に合致すると考えています。

ちなみの、著者らの考えている反応機構はこちら↓

ここまで脱アセタールのお話でした。ところで、上述した脱アセタール反応はアセタール交換反応によるものなので、逆反応のアセタール保護はどうなの?ってい考えが速攻で頭を過ると思います。で、はい、あります↓


A New Molecular Iodine-Catalyzed Acetalization of Carbonyl Compounds
Synlett, 2002, 319-321.




こちらはテキサス大学の研究グループの報告で、"facile, convenient, high yield, simple, mild, rapid"を謳ったactualizationです(いい反応だと思うけど、謳い過ぎじゃね?)

アルデヒドとケトンで反応速度に大きな差があるため選択性を出すことができます。ケトン間でも立体的な環境の違いによって選択性が出せます。環境の異なるカルボニル基が共存する系においては、一方のカルボニル基を選択的にアセタール保護した後に、one-potでもう一方のカルボニル基を還元し、acidic workupすることで最初にアセタール保護したカルボニル基を再生(脱アセタール)することで、あたかも一方のカルボニル基を選択的に還元したかのような反応も実行可能のようです。



さらに、アセタール保護を利用したone-pot反応の応用として、還元的二量化やα,β-不飽和エステルのC-C二重結合の選択的還元も可能です(competitive reactionでしか試してないけど)。



"I2 (ヨウ素)"、かなり使えるヤツですね♥️


アセタールをつくってヨシ、はずしてヨシ。さらに、ケトアルデヒドの選択的ケトンの還元は目から鱗というかちょっぴりエレクトしてしまいます(同様の発想の反応を"たゆたえども沈まず"さんが既に紹介しています see http://orgchemical.seesaa.net/article/233637968.html)。


機会があったら是非試してみたい反応と思いました。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の交換反応メモでした。

2017年8月13日日曜日

もっと、交換反応 : NaOMe最強伝説

お相撲さんの街、両国でお蕎麦を食べたときのメモです↓

-そば酒膳 業平屋 memo-

-自家製そばみそ (120 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
老舗のそれと較べて幾分流動性があり、キメ細かい舌触り。モダンで硬めのtasteに「洋」的ニュアンスを感じる。powdery感もあるか?そばの実が多く入っていて、カラッとサクッとした食感ではなく、少ししっとりしている。あと、胡麻も入っている。

-日高見 純米辛口 燗 (一合) (700 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
人肌でいただく。淡麗辛口系も、穏やかだけどしっかりと好ましい甘味•酸味•果実味が湧き出てくる。とても旨い。
平杯で吞む燗酒は、香り立ちが良く旨さの奥行きが広がる。


-冷製トマトそば (1,260 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ズバリ、ぶっかけのとまとそば。フルーツトマト、バジル、オリーブオイル、松の実、etc.を添えたお蕎麦(デザート付)。約25-30年前に生まれた名物で、マリネしたフルーツトマトのうま味と、そばの風味が絶妙にマッチという触れ込みの一品。細切りの二八そばはのどごし重視という。信州産そば粉を、店主が毎月箱根で汲んでくる名水「子母の水」で打つそうです。
蕎麦は極細。一本芯の通ったアルデンテで粉っぽさはない。コシが強く、正にのどごし重視。つゆは、まずバジルの香りが一閃。油(オリーブオイル)が浮いている。一口啜ると、バジルとオリーブオイルのtasteが強いが、そばつゆらしい醤油tasteとかつお節ライクな節系な和的tasteをしっかり感じる。
具材で最も特筆すべきは、やっぱりメインのトマト。皮の剥かれたトマトは柔らかく、とってもfreshでとってもjuicyで柔らかい酸味が気持ちいい。
蕎麦の香味は他の食材•味付けで掻き消され、ボクには感じ取れなかったけど、とっても旨い(ちなみに、ボクはのどごし重視派だ)。極細のキリッと角の立ったのどごし重視の蕎麦が、バジルとオリーブオイルを良く絡める。バスタ(ジェノパーゼ)とは違う独特の心地よい食感。トマトと一緒に食べたり、トマトを崩して周囲のつゆと共に啜ったりするのも味が膨らんで良い。あと、松の実が良いアクセントになっている。
所謂和的そばつゆtasteは表立って自己主張してはいないけど、ベースにはしっかり食い込んでいて、和と様の融合蕎麦がハイレベルで具現化している。
とってもcreativeかつinnovativeなニューウェーブ系蕎麦と思いました。これが25年位以上前にあったなんて凄い!


閑話休題


もう随分前になるけど、エステル交換反応についてメモしました↓
http://researcher-station.blogspot.jp/2013/10/zntac24-environmentally-friendly-and.html

これはZn4(OCOCF3)6O (ZnTAC24TM)というMOF (Metal Organic Framework)を使った触媒反応で、九州大の大嶋先生のグループの報告でした。

で、今回のメモも大嶋先生のグループの報告で、エステル-アミド交換反応のメモです↓

Sodium methoxide : a simple but highly efficient catalyst for the direct amidation of esters
Chem. Commun., 2012, 48, 5434-5436.

23 examples,  70-99% yield  (time = 20-70 hr)

触媒量のNaOMeでエステル-アミド交換反応をするっていう、「とっくの昔に報告済みなんじゃないの?」といった印象のお話です。触媒量のNaOMeを使ったエステル交換反応はよくやられてると思うんですが、エステル-アミド交換も同じように広く使われてるんじゃないのと思っていたんですが、"触媒量のNaOMeで"っていうのはこれまで報告がなかったらしいです(化学量論量のNaOMeやKOtBuを使ったエステルのアミド化は既報がある。ref. JACS, 1960, 82, 665.; JOC, 1963, 28, 2915.; Tetrahedron Lett., 1999, 40, 6177.; Tetrahedron, 2003, 59, 2185.)。

著者らは触媒のスクリーニングをしていて、ナトリウムアルコキシドとカリウムアルコキシドが高い触媒活性を示す一方で、リチウムアルコキシドやカルシウムアルコキシドは低活性でした(ベストプラクティスはNaOMe, see SI)。

エステル側はメチルエステルがベストで、イソプロピルエステルでは収率が大幅に減少し、tert-ブチルエステルだとtrace量しか目的物が得られません。電子不足なエステルは良い基質で、電子リッチなエステルでは反応の進行が遅いです(この辺りは順等ですかね)。また、エステル側のエステルユニットでない方の置換基の立体障害に幾分弱いようです。

アミン側はアニリン以外の種々のアミンにおいて高収率で、アミノエタノールを用いた場合、アミノエステルよりもヒドロキシアミドが優勢となります。

あと、当たり前って言えば当たり前なんだけど、系内に水の存在にり触媒活性が阻害されます(水酸化ナトリウムになっちゃうからね)。なので、MS 3AやDrieriteのような乾燥剤を加えて反応を行うことでNaOMeの添加量を1 mol%まで低減させることが出来ます。

そして、(メチル)エステルとアミンの両方が液体であればsolvent-freeで反応を行うこともできます(E-factor 0.35)。


ところでこの反応は、アミドやカルバメート (N-Boc)には不活性です。なので、著者らはキラルな基質を用いたペプチドカップリングにもトライします。で、ペプチドカップリングの前段階として、まず光学活性アミノエステルのアミド化を検討しています↓

Bocとメチルエステルで保護したフェニルアラニン(Boc-Phe-OMe)とベンジルアミンとの反応(5 mol% of NaOMe)では、収率は良いものの、力強くラセミ化してしまいます(96%, 2%ee)。そこで、著者らは酸性度の高いアルコールを系内に加えることで、ラセミ化の抑制をはかります。結果、その目論みは奏功し、収率とeeがadditiveとして添加したアルコールのpKaと良く相関しています。それで、この結果を基に設定した反応条件がこちら(NaOMeを10 mol%, addiveに30 mol%の4-trifluorophenolを使用している)↓


かなりいい感じのラセミ化が抑えられています♥️

本命のキラルなN-Bocアミノエステルを用いたペプチドカップリングの結果はこちら(Boc-Phe-OMeとH-Gly-OtBu、H-Ala-OtBuとのペプチドカップリングを試しています)↓
特にH-Ala-OtBuの反応性が低く、高めの反応温度と長めの反応時間が必要です(一応、原料回収できて、ボクの嫌いなbrsm (nased on recoverd starting materials)で87% yieldです)。

著者らは本報のNaOMeを用いたエステル-アミド交換反応を、"simple, highly efficient, nontoxic, catalytic, environmentally benign"とアピールしています。確かに、シンプルな基質を用いた反応なら、パワフルで簡便でエコフレンドリーと言えるかもしれませんが、モレキュラスーブスを使用すると、ちょっとおいしさが半減するし、エピメリ化抑制の為に加えてる4-trifluorophenolの入手性が気になります(TCIやAldrichでヒットしない)。それでも、数mol%のNaOMeでガッツリ交換反応が進行するっていうのは魅力的だと思うし、酸性度の高いアルコールの添加でラセミ化が抑制できるって いうのが面白いなって思いました。

因に、他のエステル-アミド交換反応の例として本報のイントロ部分で挙げられている方法には、Sb(OEt)3 (JACS, 1996, 118, 1569.; Bull. Chem. Soc. Jpn., 1998, 71, 1221.)、Zr(OtBu)4-HOAt (JACS, 2005, 127, 10039.)、NHC (OL, 2005, 7, 2453.)、DBU (OL, 2009, 11, 2003.)、triazabicyclo[4.4.0]dec-5-ene (Tetrahedron Lett., 2007, 48, 3863.)、1,2,4-triazole-DBU (OL, 2009, 11, 1499.)、Ru触媒を用いたエステルのアミノリシス (JACS, 2011, 133, 1682.)があるそうですが、基質一般性に改善の余地があり、キラルなα-アミノ酸の触媒的なペプチドカップリングの例はないとのことです。

総合的に判断すると、
やっぱ

NaOMeが最強

なのかなとボクは思います(安いし)。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の交換反応メモでした。



2017年7月30日日曜日

不安定なアルデヒドのためのReductive Amination (2)

神田末広町でランチしたときメモです↓

-鳥つね自然洞 特上親子丼 (1,600 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
鶏肉は比内地鶏と名古屋コーチン。名古屋コーチンの卵三つを使った1日20食限定ランチ。
出汁のとっても良い匂いが立ちのぼる(けっこう強い香りが立っていてる)。
卵の黄身は濃いオレンジ色。黄身も白身もトロトロで大部分が不均一。これを飯や鶏に絡めて食べるのが良い。
出汁の香りは強いが、味自体は穏やかで、控え目。上品な味。
鶏はしなやかな食感で、とっても淡白。味付けは極めて軽微ながらも、噛むほどに鶏肉のコクがじわじわと広がってくる。三つ葉の香りがアクセント(けっこう鮮烈)。
鶏、卵、出汁、飯を一緒にほおばることの旨さがかなり凄い!
鶏肉はrichな気持ちになるほど旨いけけど、卵がそれに負けないほどに旨く、濃厚・豊潤で素晴らしい(こんなに旨い卵を食べたことがない)。
この親子丼、香りは濃厚だけど、味的に無駄に自己主張しない出汁が"丼"全体の味わいを引き立てている。
あと、お新香とお椀つきです↓
 
参考: 平日の月曜日に行って来ました。開店4分前の11:26に到着したら、先に1人が並んでいるだけでした。11:47に食事を終えてお店を後にしたんだけど、その間入店して来たお客は5人程度。なので、平日だったらあまり並ばずに食べれると思います。あと、ポットの中のお茶は焙じ茶。風格のあるマスター(大将)と女性従業員3名で回していました。特上親子丼は「トクイチ」、(普通の)親子丼は「トリイチ」と略されてオーダーが入ります。


閑話休題


以前、不安定なアルデヒドのためのReductive Amination (see http://researcher-station.blogspot.jp/2013/04/reductive-amination.html)と題して、アルデヒドの亜硫酸水素ナトリウムの付加体を直接還元的アミノ化するという文献をメモしました。

で、今回は他の保護基ではどうなの?(直接的に還元的アミノ化できないの?)っていうことについてメモしてみます。

まず、アルデヒドの保護基として"いの一番"に思い浮かぶアセタールですが、こんな文献がありました↓

Direct, One-Pot Reductive Alkylation of Aniline with Functionalized Acetals Mediated by Triethylsilane and TFA. Straightforward Route for Unsymmetrically Substituted Ethylenediamine
J. Org. Chem., 2011, 76, 704-707.

21 examples, 51-97% Yield

反応性の低いアリールアミンの還元的アミノ化はチャレンジングですが、マイルドな条件で中程度から高収率で反応が目的物が得られます。電子吸引基 (ニトロ基、エステル、シアノ基)を有するアニリン誘導体、電子供与基を有するアニリン誘導体の何れもスムーズにアルキル化が進行し、NO2, CF3, CO2Me, Cl, CN, OCH3, HNCOCH3, 二重結合は影響を受けません。

ちなみに、3-methoxy-N-phenlanilineとN-Boc glycinalとの通常条件での還元的アミノ化はイミニウム塩の形成が十分に進行せず、アルデヒドの還元と競合してしましまいます(酢酸を加えてもpoor yield)。それに対して、TES/TFAを用いたジメチルアセタールからの直接的還元的アミノ化は円滑に進行します。



また、10,11-dihydro-5H-dibenzo[b,f]azepineはアルデヒド (ヘキサナール)を用いた普通の還元的アミノ化条件ではno reactionですが、アセタールとのTES/TFA条件だと高収率で反応が進行します。



ところで、アルデヒドの代わりにアセタールを用いた還元的アミノ化には、デカボラン(Synth. Commun., 2003, 33, 3387-3396.)やPMHS/TFA (Tetrahedron Lett., 2009, 50, 5975-5977.)を用いる方法がありますが、本報の手法の方が有効なようです↓




さて、アセタールの次はエノールエーテルです↓

Reductive Alkylation of Aromatic Amines with Enol Ethers
Synlett, 2005, 583-586.

18 examples, 50-98%

アルデヒドの代替としてメチルエノールエーテルとトリメチルシリルエノールエーテルが適用可能で、その反応条件は、意外にも、還元アミノ化の"Standard Conditions"です。

著者らがエノールエーテルを使用するという着想に至ったのは、エノールエーテルとマイルドなプロトンソースによって系内で高活性のオキソニウム種が生成するだろうというアイデアからです。


アセタールとエノールエーテルを用いた還元的アミノ化は、けっこうパワフルな印象を受けました。これらの手法は、不安定なアルデヒド対策ではなく、求核性の低いアミン対策として語られていますが、不安定なアルデヒド対策にも使えるのではないかと思います。
まあ、アルデヒドが不安定なのに、アセタールやエノールエーテルをどうやってつくるんだっていうツッコミはあるかと思いますが(中性条件下でのアセタールの合成法はある。それから、1炭素増炭するけどメチルエノールエーテルはメトキシメチルのWittig試薬で合成できる。それから、保存時の安定性は高い。)、不安定なアルデヒドに対する還元的アミノ化に対するalternativeなアプローチに成り得る反応じゃないかと思いました。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。

2017年4月16日日曜日

もっとFluorination (2)

人形町でランチしたときのメモです↓

-和食•やきとり久助
久助ランチ 焼き鳥重 (920 JPY) メモ-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ランチタイムはこれ一本。味噌汁と漬物つきです。
席に着くと焙じ茶が出されるんだけど、この焙じ茶、甘い香りがしっかり立っていて旨いです。漬物は、沢庵と胡瓜の柴漬。味噌汁にはとろろ昆布が入っていて一息つくのに良い味です。
さて、主役の鳥重ですが、一番上に振り掛けられている海苔の香りが強く、良い海苔の香りが一閃します。鳥肉は、大山鳥のもも肉らしく、鳥自体の味も掛かっているタレも硬派でシックな味わいです。
鳥肉から立ち昇る焦げた香りが質実剛健な硬派な香ばしさで堪らない。肉質はとっても柔らかく、絶妙な弾力。噛むという所作がとても楽しくなる。上品な旨味であっさりしているんだけど、根底にしっかりしたbodyを感じる。
カウンターに置いてある粉山椒を鳥に掛けて食べてみるとそれほどでもなかったけど、舌に直に載せてみるとけっこう痺れる(薬味無しで食べた方が断然旨いと思う)。
また食べに行きたい絶品鳥重。



閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

AlkylFluor : Deoxyfluorination of Alcohols
Org. Lett., 2016, 18, 6102-6104.

Tobias Ritter教授らの報告で、また、Deoxyfluorinationのお話です。
Rittrer教授はこれまでに精力的にDeoxyfluorinationの研究を行ってきて、PhenoFluorとPhenoFluor Mixという複雑な化合物のlate-stageでのフッ素化も可能とする高選択性を誇るフッ素化剤を開発し、上市させてきました。

see
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-1-deoxyfluorination-of.html
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-2-late-stage.html
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-3-is-phenofluor-practical.html

しかし、これらの試薬にも問題があって、
PhenoFluorは種々のフェノールや脂肪族アルコールのフッ素化に対して極めて有効ですが、もの凄く湿気に弱く、保管にも滅茶苦茶気を使わなければいけないとうハンドリング上の大きな欠点があります。
Deoxyfluorination using PhenoFluor

他方、PhenoFluor Mixは、大気中での安定性が高く、ハンドリングの良い試薬となっていますが、脂肪族アルコールのフッ素化には適用できません(Deoxychlorinationと競合してしまう)。
DeoxyFluorination using PhenoFluor Mix

2015年に、安い、安定、簡便をウリに脂肪族アルコールのDeoxyfluorinationができるPyFluorという、ざっくり、PhenoFluor超えを標榜し、Ritter教授をして"実用的"と言わしめる試薬が登場しましたが、使用するDBUやMTBDといったブレンステッド塩基が求核剤として働いて、特に立体障害の大きい基質や複雑な官能基を持つ基質で、収率が低下してしまいます。


で、Ritter教授がPhenoFluor、PhenoFluor Mixの問題点を克服し、PyFluorを超越するDeoxyfluorination reagentとして満を持して(?)発表したのが、AlkylFluorです。

This Work
Deoxyfluorination using AlkylFluor

AlkylFluorは、空気中で安定で、かつ水に暴露しても大丈夫な頑丈な試薬で、マルチグラム
スケールで簡単に合成できます。


値段は高いけど(TCI 8,500 JPY/ 200 mg, 28,800 JPY/ 1g; Aldrich 25,200 JPY/ 250 mg, 63,000 JPY/ 1 g)、他の市販フッ素化剤では容易に合成することのできない化合物にもアクセスできるとして、良い試薬だとRitter教授はアピールしています。

因に、基質一般性はこんな感じです↓


carbohydrateや、アミノ酸、ステロイド、医薬品などを収率良く脱酸素的フッ素化することができ、官能基許容性が高そうです。

それでは最後に、AlkylFluorとその他の市販試薬との比較(可能なもの)を列挙してみましょう↓

AlkylFluor、PyFluorともに報告されている事例が少ないので決定的なことは言えないですが、"reactivity"という観点からは今のところAlkylFluorに軍配が上がるのかなと思います。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のフッ素化メモでした。


2017年4月2日日曜日

もっとFluorination

ども、(そこそこ前の話だけど)冬イベ(乙)を終えたオタッキーのコンキチです。


E-3(乙)ラスダン後、E-1(甲)を20周周回したけど、伊26をGETできずに哀しい気持ちです。
(ちなみに、高波、萩風、山雲、照月、翔鶴、伊401、谷風、瑞穂×2、U-511がドロップしました)

さて、比較的最近流山に出来た、金土日営業で、しかも土日はAM 9:00から営業というトリッキーな営業を行っているラーメン屋で食べたラーメンのメモです↓

-The Noodles & Saloon KiriYa-
http://tnaskiriya.jugem.jp
基本の『らぁ麺』のスープは、豚骨、野菜ベース(清湯豚骨スープ)に煮干数種(鰯煮干とか)、鯖節、宗田節、枯れ木節、昆布などを使用した魚介スープで。麺は、効加水自家製手揉み麺で、北関東ご当地麺を意識したモチモチ麺を目指したとか(そうなのか)。
醤油ダレは、万上本みりん、キッコーマン醤油、窪田味噌醤油 (野田)、甲子醤油 (野田)、川中島御用溜醤油 (野田)をブレンドした地元愛のタレだそう。
さらに、ネギは下花輪 (流山)、上貝塚 (流山)などの葱を織り交ぜて提供しているよう(入荷が一定でない)。
ところで、店名の「KiriYa」はキリヤさんがやってるからかなって思ってたけど、食品営業許可証に書いてある名前は青木さん、(交付時の)住所が桐ケ谷(キリガヤ)だからかな?ちなみに店舗の住所は西初石。

-らぁ麺 ramen (700 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
麺は平打ちの太縮れ麺。っていうか捻れてる。弾力に富み、コシが強いがキックはほどほどで食べやすい。そして、麺自体がかなり旨い。
スープは節系(魚介っていうか魚)の香りが一閃。表面にはうっすらと液体ではない脂(多分、ラード)の膜が張っている豚骨テイスト。マイルドでコク深く、嫌な匂いが全くない。脂の良い味がする。塩味はけっこう控えめだけど、物足りない感じはしない。
具は、メンマ、焼豚、カイワレ、葱、海苔、緑の物体。スープとは対照的に、メンマと焼豚は(塩味が)濃いめの味付け。メンマは柔らかく、濃くて深い味ながら上品さを感じる。焼豚はsolidで、肉々しさがあって好み(肉の旨味を感じる)。食べ進むうちに、海苔の香味がスープに染み出し、味に奥行きを与える。
かなりレベルの高いラーメンと思いました(オレって、基本、太麺はあまり好きじゃないんだけど、この太麺は旨い!)

-油そば abrasoba 並盛 200 g (600 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
麺は、多分、『らぁ麺』と同じ平打ちの太縮れ(捻れ)麺で、旨い味。油そばなので、良く掻き混ぜるわけなんですが、そうすると、この麺がoilでcoatされる。で、その麺に付与されたoilyさが良いです。それにつけても、この麺はホント旨いね。優しい小麦の味がします。
醤油ダレ(塩ダレ?白醤油使ってるのか?)は白く、ちょとしょっぱめだけど、太麺に合う。
具は、メンマ、カイワレ、葱、海苔、焼豚。
あと、油そばには辣油、胡椒、醤油ダレ(黒い)のカスターのセットが付いてくるので、それも試してみる。はじめはプレーンで食べて、その後、胡椒、辣油、醤油ダレをそれぞれ少しづつ振り掛けて食べ進めてみる。
辣油は胡麻油の香ばしい香りとピリッとした辛さがしてとっても良いアクセントになる(これが一番好き)。胡椒も美味しい。そして、胡椒と辣油のコンボもGOOD!醤油ダレは美味しいけどしょっぱくなり過ぎ。
完成度高く、具と調味料による味のバリエーションにも富んでかなり旨い。


-swallowらぁ麺 (800 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
燕三条系背脂ラーメン(だからswallow?)。
上品で優しいお醤油の香りの上に、背脂由来であろうか?コク深い香りと胡椒のspicy noteが少々。
背脂がスープの表面にふんだん。プルプルした食感で仄かに甘く、スープの味に奥行きを付与しているように思う。背脂は確かに脂なんだけど(当たり前だけど)、ギトギトしておらず、割とあっさりした脂。
それから、基本、麺(平打ち太縮れ麺)は豚骨醤油魚介のスープに良く合う。
具は、焼豚、メンマ、岩海苔、刻み玉葱。刻み玉葱の上には粗挽きの黒胡椒。黒胡椒が香り高い。玉葱のシャキシャキ感が心地良く、清涼感を付与。黒胡椒と、岩海苔の濃厚な磯の香りがスープの良いアクセントになっていて良い。
かなりレベル高い。

-devil (850 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
麺は上述した平打ち太縮れ麺。スープの色は黒緑。表面に膜が張っている。はっきりいって見た目のインパクトが凄い。
濃厚な海苔の香りと濃密な魚介の香り(ただの節だけの匂いではない)は、bodyの強烈さを想起させる匂い。 
スープには、はっきりと粘度を感じる。魚介tasteは濃蜜だけど、塩辛かったりするわけではないので、ハードな見た目とは裏腹にけっこう食べやすい。自慢の麺との相性も良い。あと、tailに少し苦味を感じる(これがまた良し)。
具の一番目立つ葉っぱはサニーレタス様(赤からし水菜らしい)。玉葱のシャキシャキした食感と味が濃厚魚介スープの箸休めにbest match!口の中がrefreshされる。で、焼豚の下には水菜(赤からし水菜?)の茎と柚子皮が仕込まれている。水菜の茎はけっこう辛いんだけど、これが良い。あと、焼豚をつまみあげたところで、顔を出した柚子皮から発する柚子の香りがフワっと漂うんだけど、この仕掛けが心憎い。玉葱の上に振り掛けられている赤いい粉は殆ど辛くない(んだけど、何これ?)。
それから、スープの底に黒い粒が残るんだけど、これはイカスミだとか。
お店の紹介文によると、「conc.の烏賊風味。少しビターな仕上がり」だそうです。
いと旨し!


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

PyFluor : A Low-Cost Stable, and Selective Deoxyfluorination Reagent
J. Am. Chem. Soc., 2015, 137, 9571-9574.

Deoxyfluorination (脱酸素的フッ素化)のお話です。
Deoxyfluorinationのパイオニア的試薬と言えばDASTですが、高額であり、爆発的に分解する性質、官能基許容性の制限、副反応 (脱離反応)の進行といった解決すべき問題があります。で、Deoxo-Fluor、XtalFluor、FluoleadといったDASTの熱安定性に対する改良が施された試薬が開発されてきましたが、よりコスト高となり、選択性の改善は限定的のようです。
Deoxyfluorination reagents
(see http://www.chem-station.com/odos/2009/07/dast-dast-fluorination.html)

Tobias Ritter教授らの開発したPhenoFluorは、複雑な天然物のlate-stageでのフッ素化において極めて効果的ですが、コストと安定性には問題が残ります。
see
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-1-deoxyfluorination-of.html
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-2-late-stage.html
http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/phenofluor-3-is-phenofluor-practical.html

で、上述した問題点、要は試薬の製造コストの問題と安定性と選択性、を解決した試薬がこちらです↓



PyFluor (2-pyridinesulfonyl fluoride)です。この試薬は従来のフッ素化剤ではできなかったDeoxy-radiofluorination (18F化)も可能です。

さて、どのようにしてPyFluorをデザインするに至ったかですが、著者らは以前こんな研究を行っていました↓

JACS, 2010 132, 3268.

JOC, 2012, 77, 4177.

これらの反応では、フッ化ベンゾイルとアルコールとのエステル化によってフッ化物イオンが生成します。
で、アシルフルオリドの電子吸引性を増加させれば、生成したエステルの置換反応が起こり、脱酸素的フッ素化が進行するのではないかと著者らは考えました。


この発想から、スルホン酸フッ化物のスクリーニングを行い、(コストも込みで)最も有用だったのがPyFluorです。

最適条件は、
・PyFluor : 1.1 eq.
・base : DBU or MTBD (2 eq.)
・solvent : not highly dependent
                 best → toluene, cyclic ethers
                 reasonable yield → DMSO, CH3CN
です。スルホン酸エステルの形成は数分の間に定量的に進行し、続くフッ素化は徐々に進行していきます。

因に、4-phenyl-2-butanolを基質に用いてスクリーニングしたときの、フッ素化剤(Sulfonyl Fluoride)の評価結果はこちら(conditions: sulfonyl fluoride (1.1 eq.), DBU (2 eq.), toluene (0.4 M), rt., 72 hr)↓
Yield: combined elimination side products as determined GC.
(SIをみると、もっと沢山のSulfonyl Fluorideに対してスクリーニングしています)

そして、気になる基質一般性はこちら↓

幅広い1級・2級アルコールをフッ素化でき、ステロイド、アミノ酸、フタルイミド、複素環化合物、保護・無保護のアミン・アニリンが許容です。殆どの反応は室温で進行しますが、立体的に混みあった基質は穏やかな加熱(50˚C)が必要になります。あと、3級アルコール存在下、1級と2級のみがフッ素化されます。著者等はlate-stageでのフッ素化にも自身を示しています。残念ながら、酸性度の高いα水素を持つβ-ヒドロキシカルボニル化合は、脱離反応のみが進行してしまいますが。
 (アルドのWeb Siteに、4-phenyl-2-butanolとepiandrosteroneのフッ素化で、フッ素化剤の比較情報があります→ http://www.sigmaaldrich.com/japan/chemistry/chemical-synthesis/technology-spotlights/deoxyfluorination-with-pyfluor.html)

それから、deoxy-radiofluorinationの例です↓


では最後に、PyFluorの合成法と物性とコストについてメモして終わりにしましょう。
まず、合成法はこちら↓


著者等は、上記の最適化されていない合成法における原材料費は180 USD / molで、他のフッ素化剤(例えばDAST)と比較してコスト優位性が高いと主張しています。まあ、現材料費だけ示されてもイマイチピンとこないので、試薬グレードの市販価格を比較してみるとこんな感じになります(TCIのPhnenoFluor MIxは31 wt% as 2-Chloro-1,3-bis(2,6-diisopropylphenyl)-1H-imidazolium Chlorideで計算)↓

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選択性と値段の兼ね合いになるけど、PyFluorはけっこうコスト競争力があるように見えます。

PyFluorは融点23-26˚Cの固体で、普通に保存しておけば少なくとも30日は分解物は検出されません。さらにSulfonyl Fluorideは水のエマルジョン中では加水分解されず、熱安定性も良いです(0-350˚Cの範囲で発熱分解しない)。
で、反応(Deoxyfluorination)は空気や湿気を排除する必要がないわけなんですが、これはポイントが高いです。ハンドリングに気を使うフッ素剤が多い中、PyFluorの物性はかなり光ってるとボクは思います。

まあ、オレって今までフッ素化やったことないわけで、この先もやることはないかもだけど、機会があったら試してみたいフッ素化剤と思いました。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の久々のメモでした。