2008年2月11日月曜日

香料業界考 (7)

国内大手4社の幾つかの数字を表にしてみました↓

company高砂長谷川小川曽田
連結売上高113,876 M50,066 M38,786 M18,180 M
単体売上高61,549 M45,955 M19,073 M17,996 M
粗利益率(連結)30.1%34.6%-30.6%
粗利益率(単体)28.1%33.4%34.8%29.5%
営業利益率(連結)5.3%13%-10.2%
営業利益率(単体)4.5%12.8%6.2%9.9%
研究開発費8,261 M3,430 M-988 M
売上高研究開発費率(連結)7.3%6.9%-5.4%
製品の割合68%94%-69%
従業員数(連結)2,4381,068-344
研究員数(連結)529267-69
研究員比率(連結)21.7%25%-20%
単体平均年間給与(万円)764.3761.1-752.8
平均年齢(単体)4040.835.841
平均勤続年数15.417.5-17.1

小川は高い粗利の割に、営業利益率が振るいませんが、最近設備投資に熱心だったので、CFで考えなければならないかもしれませんね(非公開企業の為、データをGETできませんでした)。それから、事業ポートフォリオと粗利益率を鑑みると、小川は長谷川と同程度の製品/商品比率であると想像できるのではないかと思います。

曽田は、粗利益率が低い割に、営業利益率が高いです。各社の有報を詳細にみたわけじゃないので(B/S, P/L, CF計算書もツマミ食い程度にしかみていません)、あまり多くを語れませんが、ローコストオペレーションが徹底しているのか(VAとか経費削減とかいってるし)、設備投資を控えていて減価償却費が嵩んでいまいのか、あるいは、他者に比較して少し控え目な研究活動への投資が、競争が比較的緩やかな業界の構造にマッチしているのか?分かる人がいたら教えて下さい。

ちなみに、研究員1人当たり連結製品売上高を計算してみると↓
高砂/ 148.5 M
長谷川/ 176.3 M
曽田/ 179.2 M

製品売上高/研究開発費は↓
高砂/ 9,5倍
長谷川/ 13.7倍
曽田/ 12.5倍

高砂に比べて、長谷川や曽田の研究開発効率が高いような気がします。高砂は上場3社中最も研究開発費に資源(金)を投入している(対売上高に対する比率も一番高い)にも関わらず、その成果がイマイチクンのように感じられます。暇があったらその辺、特に高砂と曽田の比較を詳細にやってみたらやってみようかと思います(ただ、コンキチは会計素人なので、そのへんの勉強もしないといけないですね)。

個人的な即断と偏見に基づく感触としては、長谷川香料が、財務(有利子負債少ない)・収益(利益率良好)・戦略(国内フレーバーシェアNo.1)の面でバランスに優れてるかなと思います(力強い根拠はありませんが)。

最後に香料会社の給料についてちょとサーチしてみました。上場3社(高砂、長谷川、曽田)の平均年収は、2007年に「化学」セクターに上場の218社中、

高砂香料工業 23位 (764.3万)
長谷川香料 26位 (761.1万)
曽田香料 29位 (752.8万)

です(かなりの高水準ですね)。
ref. http://www.nenshu.jp/list/t0007a.htm

寡占市場で、競争もメチャクチャ激しくはなさそうで、それなりにシェアを維持できそうで、けっこう美味しい業界なのかもしれません(大手香料会社は)。

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