とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, August 2, 2009

Framework of Redox Economy (4)

Redox Economy in Organic Synthesis
Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 2854-2867.

のメモの続きです。


Liner Increase/Decrease in Oxidation Level

酸化レベルが行き過ぎると、早晩、その調整をしなければならなくなり、ステップ数が増えます。これを避けるためには、炭素原子の酸化レベルのみを望みの酸化レベルへと、過不足なく、段階的に徐々に到達させることが有効だそうです。さらに、官能基の保護を削減するためには、酸化をできるだけ後ろにもってくるのが良いそうです。

で、スピロヒドロキシイミダゾリンの合成を例に挙げ↓



Heterocycles 2006, 70, 557-570.




Heterocycles 2007, 74, 999-1008.



Angew. Chem. 2008, 120, 3637-3639.


上段のスキームでは、出発物質のイミダゾリノンの酸化レベルを下げなければならないんだけれど、そのためにはZ基による保護-脱保護が必要となる。
中段のスキームでも、トシル基による保護が必要となり、それに係るオペレーション(3つも)が必要となる。
下段のスキームは、axinellamineの合成に使われていて、イミダゾリン環の酸化レベルを低く抑えつつステップ数をこなし、目的物に達する僅か3ステップ前に酸化しているそうです(ちなみにAg(II)-picolinateはoveroxidatioを引き起こさず、保護の必要ないとか)。

酸化ステップを後に配置した方がよいとう例↓


Total synthesis of viroallosecurinine


骨格をあらかた構築した後に酸化工程を入れる、最後に閉環させる合成法。


Total synthesis of allosecurinine


method-orientedな合成ルート。refunctionalizationを繰り返してビニルケトンを合成し、最後は、RCM、ピペリジン環のトラディッショナルな閉環。

前者はエンイン-メタセシスで一気に複雑な構造を構築し、その後適切な酸化状態へと導いている。後者は、対照的にレドックスシーケンスを繰り返すアプローチ。低レドックスエコノミーなアプローチはその価値を減じているという例ですね。

つづく...

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