とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, August 23, 2009

Direct Asymmetric Reductive Amination

先日、お土産に貰ったおサケを堪能しているコンキチです。


-若松 純米原種 2006年醸造純米酒 メモ-
Rating/ ★★★★★
Rice variety used/ 麹米: 雄町 (自家栽培), 掛米: 日本橋 (徳島県)
Rice polishing ratio/ 65%
Yeast/ 10号系
Alc./ 18-19%
Company/ 那賀酒造(有)
Coment/ 2006年醸造ということで、3年古酒。琥珀色のその液体は熟成が充分に進んでいて、とても旨い。濃厚な老香(好ましい)と甘美な紹興酒様の香りが鼻孔をくすぐる。味は強烈なBodyで、酸、苦、甘のバランスよく、ねっとりとした触感。荒々しくもよく練れた味の秀作。蔵は創業享保拾年 (1736年)の伝統を持つ。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Direct Asymmetric Reductive Amination
J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 11316-11317.

メルクと高砂香料の報告で、β-ケトアミドを直接不斉還元アミノ化するという論文で、この手の不斉反応はこれまでに報告例がないそうです。

で、Direct Reductive Aminationに先立ってまず最初に検討したのは、イミンの不斉還元↓


ターゲットはsitagliptin (シタグリプチン; 糖尿病治療薬;ジペプチジルペプチダーゼ4阻害)。
反応条件は、0.25 M substrate in MeOH, cat. = Ru(OAc)2((R)-dm-segphos), S/C = 200, H2 (290 psi), 80℃, 15 h, additive。

additive無しでは、2% yield (86.9%ee)で、酸の添加が必要。但し、AcOHやBzOHではdimer-likeな副生成物が生成する。


良好な酸はpKaが2程度の酸(ClCH2CO2H, salicylic acid)で、最適additiveは、salicylic acid (1 eq.) + ammonium salicylate (3 eq.)で、96% yield, 99.5%ee。

で、お次はいよいよ不斉還元アミノ化↓


0.25 M substrate in MeOH, cat. = Ru(OAc)2((R)-dm-segphos), S/C = 100, H2 (435 psi), 75℃, 7 h, ammonium salicylate (5 eq.)で、91% yield, 99.5%ee。β-ヒドロキシルアミドが<3%副生。 ammonium salicylateの役割は、エナミンへの平衡のシフトとダイマー形成の抑制と、ダイマーから目的物とβ-ヒドロキシルアミドのリリースで、その添加量が少ない(1-3 eq.)と、dimer-like byproductとβ-ヒドロキシルアミドがけっこうな量副生する。 反応過程で、基質、中間体、目的物、dimer-like byproductが共存しているんだけど、出発物質が還元されたβ-ヒドロキシルアミドの生成が抑制(<3%)されているのは驚きです。 あと、他の基質についての反応例が8つ示されています(>81% yield, >94.7%ee)。

Summaryにも書いてあるけど、アトム•エコノミカルかつステップ•エコノミカルな合成法と思いました。実用レベルで実行可能な不斉合成技術が高砂香料のキーテクだなと思う、二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

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