とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Tuesday, October 12, 2010

友情空間と貨幣空間

←木内酒造のネストビールを呑んでます。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ボトルは真っ黒だけど、淡色ビール。トップ•ノートはmalty, very sweet, citrus, cake-like, ヨーグルト様、ラムネ様。味わいはfruity, peach-like, malty, deep bitter, citrus。とっても奥行きのある多次元な香りと玄妙な味わいでexcellentなBeerと思いました。


閑話休題


残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」の感想の続きです。今回は、ムラ社会が崩壊して市場の倫理による支配が強化されていることを書きたいと思います↓

本書で最も興味を覚えた部分なんですが、それは、我々が生きるこの社会が、政治空間(愛情空間+友情空間+会社等のコミュニティ。ムラ社会的な閉じた系)と貨幣空間(他人と貨幣を介して繋がる開いた系)とから構成されているというアイデアです。

•政治空間/ 権力ゲーム支配。国盗り(集団の中で一番にな)と天下平定(異なる集団の中で自分の集団を一番にする)が目的の勝者総取りのゼロサムゲーム。統治の倫理(搾取)が働く複雑な世界。濃密な人間関係(強い絆)で、100人程度の狭い空間。安心社会。

•貨幣空間/ お金儲けゲーム支配。世界一のお金持ちにならなくても、そこそこ裕福な生活ができればみんあハッピー。市場の倫理(交易)が働くシンプルな世界。お金を媒介(弱い絆)にして無限に人間関係が広がっていく世界。信頼社会。

で、著者は、友情空間は残酷で、貨幣空間は冷淡だと喝破します。政治空間では村八分(排除、いじめ)は(多分、究極的には)死を意味し、友情はきれいごとだけでは語れないといいます(実際、そういう例が報道されている)。それに対して、貨幣空間(友情のない世界)では市場の倫理さえ遵守すれば、外見、性格、人種、出自は誰も気にせす、社会で生きる場所を与えられる。しかしながら、貨幣空間では、自由と自己責任の原則のもとに誰もが孤独に生きて行かなければならず、愛情も友情も喪失し、お金までも失えばホームレスとなるしかない冷淡な社会でもあるようです。

コンキチ的には友情空間よりも貨幣空間の方が好ましいですね。だって、田舎って面倒だもん。コンキチの実家は、最寄り駅は隣町で産業は農業しかないという本格的など田舎でした。で、そういった典型的な友情空間の中では、地域コミュニティー(近所の寄り合いとか)に多くの時間を半強制的に束縛されるし、その規律にも反強制的に従わなければなりません。で、地域コミュニティーの秩序を乱すと排除される。従順であれば、それなりに助けてもられる。要は、自由を犠牲にして安心を担保しているのだ(だから農村では、独創的な農業のイノベーションが阻害されていると思う)。自由度が決定的に制約される。

っていうか、現実問題として貨幣空間が政治空間(友情空間)を浸食していくエントロピーの流れにあがなうことはできない。そして、既に多くの領域が貨幣空間で占められている。おかげでコンキチは、田舎を捨てて首都圏で研究職という職を得て、経済的に不自由なく、そこそこ便利な生活を送ることができている。はっきり言って、もし田舎に閉じ込められていたらと思うとゾッとします。きっと退屈な日常に耐えきれなくなると思う。

現在の金持ちは変わったと著者は説く。かつての金持ち(権力ゲームの勝者)は、超越的な権威で周囲を畏怖させ、組織を睥睨し支配する権力者(堤義明とか。プリンスホテルの支配人だったコンキチのお義父さん曰く、実際、彼は相当偉ぶってたらしいです)だったが、いまでは、孫正義みたいの世界をまたにかけ、多様な人々とコンタクトをとりビジネスとビジネスを結びつけることで富を生み出すのが金持ち(貨幣空間のトリックスター)だと著者は言います。

さらに、「格差社会の底辺にいるのは、社会の犠牲者というよりは、貨幣空間(信頼社会)のルールに適応できないひとたちかもしれない。」と著者は述べます(これは(うだつのあがらない)地方の疲弊と合致しているとコンキチは思います)。

信頼社会はドライだけど寛容。自己責任の世界だが、ゼロサムゲームではない。能力に応じたチャンスはある。
安心社会は相互監視社会の中での安寧。ムラ社会のヒエラルキーに従って生きる事を余儀なくされる。

どちらを選択するかはあなた次第、とコンキチは思います。


c) 評判獲得ゲームの台頭 (バザールでの評判獲得ゲームとショートヘッド)」につづく.....


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