とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Monday, October 11, 2010

やってもできない

今年のノーベル化学賞はクロスカップリングに賞が与えられましたね
有機合成化学の携わる者としては喜ばしい限りです。というわけで、辻先生の本でも読んで遷移金属触媒反応について造詣を深めようと思っているコンキチです。


閑話休題


コンキチの大好きな作家、橘玲の新刊「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」を読了しました。

内容は大まかに言って次のことが述べられていると感じました↓

a) 自己啓発の限界 (やってもできない)
b) ムラ社会の崩壊 (友情空間と貨幣空間)
c) 評判獲得ゲームの台頭 (バザールでの評判獲得ゲームとショートヘッド)

それでは、まず「a) 自己啓発の限界 (やってもできない)」の感想を書こうかと思います↓


お話は、自己啓発の女王様とリカちゃん先生の幸せを巡る論争本の話題からお話が始まりまります。

自己啓発の基本発想は、(人は無限の可能性を持っているから)「やればできる」。一方、行動遺伝学は「やってもできない(人もいる or こともある)」を例証します。要するに、身体的特徴の他に知能も遺伝するから、適性に欠けた能力は努力しても、その向上は限定的であるってことのようです(但し、知能の遺伝は、科学的に証明されても、政治的、道徳的に社会から容認されること決してない。だから、自己啓発は終わらない)。

で、人間には幾つかの知能(能力)があるんだけど、その中で現代社会において、市場で高く評価されるのは、言語的知能と論理数学的知能で、身体運動的知能は相当高くないと殆ど評価されない(義務教育時代にスポーツ万能だった友達のどれほどがスポーツ等の分野で活躍しているだろうか?)。

それから、自己啓発の定番「ナポレオン・ヒル」の自己啓発プログラムの独占販売権を獲得して成功した自己啓発オタクの田中孝顕という人は、結局、自分を変えることはできなかったというエピソードが紹介されています。

で、以上をまとめると、先天的に言語的知能や論理数学的知能に恵まれていない人は、現代社会で経済的に成功することは難しいという回答が導きだされると思います。
(だからといって、語的知能や論理数学的知能に恵まれない人でもそこそこ(世間並みに)生きていくことも可能。なぜならそこのは比較優位の理論が働くから)

それにつけても、空恐ろしくなりますね、この話は。とりあえず、幾許かの言語的知能や論理数学的知能に恵まれ、マックジョブではなく、けっこう好きな有機化学の世界でお仕事できる幸福に感謝したい二流大出のなんちゃって研究員でした。


b) ムラ社会の崩壊 (友情空間と貨幣空間)」につづく.....

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