とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Wednesday, March 9, 2011

有機化学者による有機化学者のため(?)の恋愛小説

一応、お仕事=有機合成化学のコンキチです。

ところで、最近巷で話題(?)のファンタジー系研究ラブコメディ「ラブ・ケミストリー」を読了しました。

ズバリ、テーマーは東大農学部の大学院(M2)に在籍し、難攻不落の天然物の全合成に取り組んでいる絶食系天才有機合成化学者のラブストーリー。本書では、一般人にはかなりハイブローな専門用語(NMRとかHPLCとかTLCとか不斉中心とか)やマニアックな化学者の話題が頻繁に登場していて、これで大衆ウケするのかよ?と少々心配になってしまうのですが、なんと、あの「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞作品なんだそうです(マジ、スゲー)。

個人的にミステリ(サスペンス)としての出来は凡庸と思いましたが(あと、ラストの急展開に若干の疑義を呈したい)、作品全体としては超オモシロい作品に仕上がっていると思いました。特に、有機合成を生業としている人間にはたまらない感じでいっぱいと思います。

っていうか、コンキチももうかれこれ十数年前になるけど、学校(東大とは違ってあまり賢い大学ではなかったけど)の研究室でシコシコ有機化学実験してたんだけど、この小説読んでかるくその当時にトリップすると同時に凄く主人公に感情移入できましたね。今でこそ結婚して子供もいるけど'(一応恋愛結婚で、奥さんは大学の同級生ね。っていうか、オレ奥さんとしかつきあったことないし)、学生時代の自分も、この物語の主人公同様草食系で、人生で女の子に告白したことなんて皆無ですからね(勿論、男の子に告白したことない)。

で、個人的に一番精神にジャストミートしたのは、このフレーズ↓
「それは強者の理論だ。僕たちは心が繊細なんだよ。その脆さたるや、TLC用のキャピラリーとどっこいどっこいだ。すぐにポキリと折れてしまう」


とっても共感できる


理系男子は恋愛に関して奥ゆかしくて、つつましやかな生き物なんだよ!(とボクは声を大にして主張したい)

それにつけても、著者は製薬会社勤務っていうけど、本業の傍らこんなオモシロい小説書くなんて、そのプロダクティビティたるや凄まじいですね。有機合成やってる人は絶対買いの一品と思いました(男子だけじゃなく女子も)。


あと、これから目薬はビタミンB12入りのを買う事にします(ちなみにコンキチの指導教官だった教授は、若い頃ウッドワード研に留学してビタミンB12の全合成に携わり、1工程採用されたそうで、King of Alkylationって言われたって自慢してました)。

以上、量上げしたら反応がなかな完結しなくて、若干困ってる二流大出のなんちゃって研究員のつぶやきできた。


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