とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, May 27, 2018

"N"か"O"か?:ピリドンとミツノブ

大好きな浅草で呑んだときのメモです↓

-酒の大桝 雷門店  memo-

-燻製の半熟卵 "スモッち" (200 JPY)- 
-RATING- ★★★★★
-REVIEW- 
中身まで香ばしいsmoky flavorが浸透していて、白身が旨い。 黄身はプルプルで柔らかく、とても濃厚な味で滋味深い。Great! サケに良く合う。 






-森泉 特別純米 90 ml (350 JPY)- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
常温で供される。やさしい口当たり。優しくふんわりした甘さの漂う芳醇濃旨口系。常温でも味(甘さ)がダレていないのは凄い。ひたすらに優しい味。 原料米/ ひとめぼれ 精米歩合/ 60% 日本酒度/ +1 アルコール分/ 15-16% 仕込水/ 自家井戸水 others/ 活性炭による濾過は行っていない。

-自分で炙って!干しホタルイカ (380 JPY)-
-RATING- ★★★★★ 
-REVIEW-
そのままたべても、まあ旨いんだけど、食べる直前にライターで炙ってパクリとやるのが最高に旨い。魚介類を炙ることで出る独特のfishy flavorが堪らない。干しホタルイカは薄いので、熱量がすぐに失われてしまうけど、この食べ方だと、アツアツの最も活性化された最高の状態をいただける。 ちょっとしたイノベーション商品かも?

-特選!熊本産馬刺し (680 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
赤身とタテガミ。両者とも鉄板の旨さ。 赤身はシックで吸い付くような感触。穏やかに濃厚なtasteで、咀嚼すると心地良い弾力。 タテガミは絶品。口に入れると、キュキュッという食感。で、少しづつ脂が溶けだしてくる。この脂が、仄かに甘い素晴らしく上品な脂で、とんでもなく旨い。

-出羽桜 咲 250 ml (760 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
価格760 JPYの内訳は、本体460 JPY + 持込料 300 JPY。 辛口の米・水・酵母をオール山形で醸す発砲清酒。キリッとしたシャープな辛口。 ほんと、けっこうな辛口で相当締まった味。それでも、日本酒なので、柔らかさもあって良い。このおサケを魚介類を肴にやるのが最高にオシャレと思う。

-浅草神社公認乃酒 三社権現社 本醸造 90 ml (290 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
(提供温度は)5-10℃位か?冷え過ぎていないのが良く、いい香りの吟醸香がする(けっこう強い)。味わいは淡麗辛口で、乾いたような辛さがあって面白い。 原料米は山田錦で、花酵母使用。

-豚ロースカツ (580 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
何もつけずにそのまま食べて普通に美味しい。柔らかくてジューシーなカツ。表面が少ししっとりしていて、幾分油の重さを感じる。ソースなしの方が旨いと思う。あと、カラシは良いアクセントになる。 

-HELIOS GOYA DRY 350 ml缶 (584 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
584 JPYの値段の内訳は、本体284 JPY+持込料300 JPY。 カクテルとか酎ハイライクで、爽快なお飲物。 アルコール分/ 5%。 麦芽使用比率/ 25%未満 原材料/ 麦芽・ホップ・糖類・ゴーヤ果汁


 雷門裏にある凄くお洒落な店。カウンター席多くて 綺麗な店内。ホスピタリティに優れるけれども分煙は無し。店舗の隣に公衆トイレがあるのが玉に瑕。


閑話休題


以前、"N"か"O"か?っていう、ピリドンみたいにN-アルキル化とO-アルキル化の両方が起こる可能性がある反応から得られる生成物のNMRによる構造決定の話をメモしました。で、今回はN-アルキル化とO-アルキル化の"選択性"に関する話のメモをしようと思います。

まずはこれ↓

N- vs. O-Alkylation in the Mitsunobu Reaction of 2-Pyridones
Tetrahedron Lett., 1994, 35, 2819-2822.

タイトルそのまんまで、無置換ピリドンを光延反応でアルキル化しようとした場合の選択性に関する論文です。


2-ピリドンのアルキル化はピリドンをメタル化してアルキルハライドと反応させるのが一般的で、その位置選択性はメタル、アルキルハライドの構造、ピリドン上の置換基、反応溶媒に依存するそうです(ケースバイケースってことね)。で、メタル化したピリドンの求核置換反応の特徴はこんな感じになります↓

a) 一般的には、N-アルキル化が優先する(多くの場合でmixtureとなるが)
b) ピリドンのナトリウム塩やカリウム塩を用いた反応ではN-アルキル化が優先する。
c) 嵩高いハロゲン化アルキルを用いるとO-アルキル化の割合が増加する。
d) 非極性溶媒中、銀塩を用いることでO-アルキル化体が選択的に得られる (J. Org, Chem., 1970, 35, 2517.)。

で、(無置換)ピリドン(pKa 11.62)を光延反応でアルキル化するとどうなるのかっていうのがこちら↓



溶媒効果がかなりデカイです。ベンジルアルコールを用いた反応では、クロロホルム中ではO-選択的に反応が進行するのに対して、ジクロロメタン中では選択性が殆ど無くなっているのに驚きです(しかもN-アルキル化の方が少し優勢)。

あと、THF中では"ArCH2OH"構造だとN-アルキル化が優勢(PhCH2CH2OHが圧倒的にO-選択的なのが不思議)。それ以外はO-選択的。嵩高いアルコールほどO-選択的なのかと思ったけど、PhCH2CH2OHの圧倒的なO-選択性がその考えを打ち砕きます。


そしてもう1報↓

A comparison fo N- versus O-alkylation of substituted 2-pyridones under Mitsunobu conditions
Tetrahedron Lett., 2013, 54, 3926-3928.

今度は、置換ピリドンと乳酸エチルとの光延反応の論文です。で、結果はこちら↓




置換ピリドンと乳酸エチルとの反応の場合、ピリドンの3-位の置換基の効果は極めて軽微です(選択性がほとんど出ない)。
一方、5-位の置換基は重要です。しかも、modified resonance constantと生成物のO-/N- rato (選択性)との間にそこそこの相関がみられます(modified field constantとは全然相関がないけど)。

すなわち、ピリドンの5-位の置換基の共鳴効果が大きいほどO-アルキル化が優勢となり、共鳴効果が小さいほどN-アルキル化が優勢となるということです。
で、3-位の置換基が選択性に殆ど影響を及ぼさないのに対して、5-位の置換基の共鳴効果が選択性に強く影響することは、有機電子論的に次のように説明できます↓




以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のピリドンとミツノブ(光延反応)の素敵(?)な関係メモでした。


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