2008年10月26日日曜日

続•Trialkylzinc(II) ate complex

先日、有機合成化学協会誌(Vol.66 No.10 2008)を眺めていたら、こんな記事(ケミカルズ覚え書き)が↓

高活性アルキル化剤
エチルマグネシウムクロリド
(活性化剤: 塩化亜鉛)
Highly Efficient Alkylating Agent
Ethylmagnesium Chloride (activated with Zinc Chloride)


TCIの人が書いた記事で、コンキチが以前読んだ論文(Highly Efficient Alkylation to Ketones and Aldimines with Grignard Reagents Catalyzed by Zinc(II) Chloride M. Hatano, et. al., J. Am. Chem. Soc., 2006, 128, 9998-9999.)の紹介記事です。
see http://researcher-station.blogspot.com/2006/10/trialkylzincii-ate-complex.html

この論文は、名古屋大学の石原先生のグループの報告で、2006年7月-9月の速報部門で"Most-Accessed Articles"の第1位に輝き、世界的の注目されているトピックスなのだそうです。注目していたのはコンキチだけじゃなくてよかったです。

ちなみに、塩化亜鉛添加済みのGrignard試薬はTCIで製造•販売されているそうです(CMだね)↓
Ethylmagnesium Chloride (ca. 0.8mol/L in Tetrahydrofuran) activated with Zinc Chloride (ca. 10mol%)
エチルマグネシウムクロリド (約0.8mol/Lテトラヒドロフラン溶液) 活性化剤 : 塩化亜鉛 (約10mol%)

あと、この記事に記載されていた文献を列挙↓
1) M. Hatano, S. Suzuki, K. Ishihara, J. Am. Chem. Soc., 128, 9998 (2006)注目の論文ね
2) 波多野学, 鈴木信治, 石原一彰, 化学, 62(3), 16 (2007)
3) M. Hatano, T. Matsumura, K. Ishihara, Org. Lett., 7, 573 (2005) RR'2MgLi•LiClを使った反応
4) 関連する総説 (a) M. Hatano, K. Ishihara, J. Synth. Org. Chem. Jpn., 66, 564 (2008); (b) M. Hatano, K. Ishihara, Synthesis, 2008, 1647.

あと特許も出願されています↓
特許公開2007-290973「亜鉛-マグネシウムアート錯体を含む求核試薬及びそれを使用する求核付加体」


以上、メモでした。


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