とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Thursday, April 30, 2009

最強のエンターテイメント番組

コンキチは報道ステーションを好んで視聴しています。

だって、同番組は最強のエンターテイメント番組だから。

同番組出演者の真の意図がどこにあるかは分かりませんが、日々生じるニュース性が疑われる事象について、どうでもいいコメントや無責任で軽薄なコメント、さらには(一見すると個人の)偏向したコメントや白痴(を装ったとしか思えない)的コメントやトンチンカンなコメントを、さも神妙そうな面持ちから語られる様は、他の番組の追随を許さぬ娯楽性を有しています。

特に古館伊知郎はイイ。あの空疎でツッコミ所満載な発言はコンキチの心を捕らて離さない。彼の(多分計算された)トークは、人気お笑い芸人でさえ足下にも及ばぬエンターテイメント性を感じさせます。古館伊知郎は日の本一のエンターテイナーと思います。

そして、時折登場するゲストコメンテーターのサヨクチックな発言も、なんか時代錯誤っぽくて非常に面白い。

あと、代替案など考える必要もなく、問題を無責任にツッコミまくるだけの姿勢も見ていて気持ちよいです。スカッとするよね

でもって、話題の切り替えは余韻を全く残さない超絶ドライ。カックイーな。


これからも報道ステーションには、ぶっちぎりのエンターテイメント番組であって欲しいと願い二流大出のなんちゃって研究員なのでした。そうであるかぎり、コンキチは忠実な同番組の視聴者であり続けるでしょう。

Labels:

Wednesday, April 29, 2009

不格好なメディア

朝、通勤時に電車で新聞を読んでいる人をよく見ます。でかい紙面を起用に折り畳んで記事に目を走らせているわけですが、コンキチにはその姿は不格好この上なく見えます。

っていうか、何故混雑する車中で無駄に大きい新聞を必死になって(?)読まなければならないのか意味不明です。

コンキチは数年前に日経テレコン21を使って、日経四誌を読み漁っていた時期がありました。結構面白かったのは日経産業新聞とMJ。でも、今は殆ど新聞を読みませんね(iPhoneで産經新聞をたまに読んだり、日経テレコン21でたまに記事検索する程度です)。理由は、「新聞を読む」ということよりも費用対効果が高くて面白いものがあるから。例えば、ハーバードビジネスレビューとか経営学の本とか農芸化学の雑誌(これはPDFをiPhoneに仕込んで読んでいる)とか海堂尊の本の方が断然面白いし、メディアの形態も断然優れている(手に取って読み易い)。そして、その情報に素晴らしく価値の高いものが多い。

よく社会人になって日本経済新聞を読み出したという人の話を聞くけど、彼等彼女等は日経のどの辺りに価値を見いだしているのか聞いてみたい。(日経)新聞が無価値とまでは思わないけど、満員電車でその無駄にでかい紙面を器用に折り畳んでまで読むほどの貴重な情報はコンキチには見いだせないので。それに多く新聞記事が他のメディア(TV、雑誌、インターネット)で重複して流れるし。

それにつけても新聞紙面の形状と内容に全く変化が見られないのは新聞社の怠慢だとコンキチは思います。つまり、コンパクトな新聞があってもよいのではないかということ。媒体が紙である必要があるのかということ。それから、株価とかテレビ•ラジオ欄とか必ずしも必要か?ということ。そもそも新聞の価値は情報の一語に集約される。そして、情報はITとの親和性が非常に高い。実際、金融(銀行、証券会社)や音楽分野ではインターネットを介したサービスが隆盛を極めている。なのに、情報のど真ん中である新聞が、まだあんなにも多くの紙に媒体をばらまいていることにコンキチなどは驚きを隠せません(そういえば、我が国ではe-bookの普及も全然進んでないような気がするな)。

経営努力が足らないんじゃないの?と言いたいですね。


以上、二流大出のなんちゃって研究員の呟きでした。

Labels:

Sunday, April 26, 2009

鳩山邦夫の奢り?

SMAPの草薙くんと(多分)同い年のコンキチです。

先日、SMAPの草薙くんが逮捕されましたね。事件以来、各種マスゴミはその報道で一杯ですね。こんな事件でこんなにも世間が大騒ぎするなんて、軽く驚きです。はっきり言って、酔っぱらいすぎちゃってちょっとフィーバーしちゃっただけでしょ(勿論、褒められたことじゃないが)。自慢じゃないがコンキチも20代の頃、泥酔して、電車で座り込んだこととか(意識なし)、路上で朝を迎えたこととか(意識なし)があり、服を脱ぎださなかったことはラッキーだったななんてことがあり、軽く人ごとではありませんでした。

ただ、 家宅捜索が入ったというのには、芸能人や学生に薬物汚染の問題があるので、驚きませんでしたが、現役閣僚の発言には驚きを隠せませんでしたね。

いくら地デジのイメージキャラクターだからといって、「恥ずかしい、最低の人間だ。絶対許さない」という発言は明らかに言い過ぎだろう(自分だったら遺憾の意を表します)。ちなみに彼は東大法学部卒で頭がいい(はず)。今回の自身の発言が、過剰発言で、世間(お茶の間)からのバッシングにさらされるということに気づかないはずはないだろう(とコンキチは思う)。

ということは、彼の過激発言には何か他の意図があったのではないかとコンキチなどは穿った見方をしてしまいます。

それは、ズバリ



草薙くんの擁護



鳩山大臣の過剰な非難によって草薙くんに「彼のしたことは、最低呼ばわりされるほどの大罪じゃないだろ」というお茶の間の同情のこころが芽生え(もともとたいした事無いし)、草薙くんの今回の失態に対する禊が加速される可能性があるからね。

コンキチは、鳩山邦夫とジャニーズ事務所に蜜月関係があったんじゃないかと疑っています(笑)
そうでないと、彼が(文系だけど)頭の良い東大法学部出だということが説明できない。

その後の草薙くんの記者会見は謝罪に終始し、他の多くの著名人の醜悪な謝罪会見に比べればかなりマシで、事件の重要性を鑑みれば、お茶の間の信頼を回復する一手段としては及第だったと思います。さらに、石原都知事の「いろいろフラストレーションがあったんだろうね。裸になりたい気持ち、分からないでもないな、おれは」「ちょっと騒ぎすぎじゃないか」という発言で、草薙かわいそう論に拍車がかかったように思います(さすが、「太陽の季節」で芥川賞とっただけあるね)。

ジャニーズパワー恐るべし。そう思うのは二流大出のなんちゃって研究員のコンキチだけでしょうか?

Labels:

手塚治虫が無料になった日

スティーブ•ジョブズを崇拝するiPhoneユーザーのコンキチです。

最近App Storeをチェックしていたら、手塚治虫アプリ(週刊手塚治虫マガジン)という無料アプリを発見しました。

創刊4月13日のこのアプリは、現在第2号配信中。データの更新は毎週火曜0時で、ボリュームは100頁超。とりあえず、2009年9月末まで期間限定の無料サービスです(将来、週刊誌や日刊紙(新聞)といった課金配信の為の実験なのかな?)。データ量は多いですが、Wi-Fiを使って一旦ダウンロードしちゃえば問題なく軽快に閲覧可能です。

まあ、配信されるコンテンツはおまかせ(7号5月26日更新分まで予定は決まっている)だけど、伝説の巨匠手塚治虫の漫画を手軽に無料で観賞できる価値は大きいと思う。

前にも書いたことがあると思うけど、iPhoneは既存携帯とは異なるインターネットマシーンであり、App Storeはその魅力を高めるツールとしてよく設計されていると思います。実際、最近のiPhoneのCMはApp Storeのアプリを使ったものが多い。

App Storeのアプリ開発(R&D)に他者のリソースを利用するというアイデアは、通常のPC市場において広く見られることであり(それ以外にもP&GのC&Dや、オープン•マーケット•イノベーションなどがあるsee http://researcher-station.blogspot.jp/2007/01/blog-post.html)、別段目新しくもない。しかし、携帯電話市場で、PCと同等かそれ以上の使い勝手の良いアプリを提供するという戦術はiPhoen以前には見当たらない(と思う。サーチ不足だったらごめんなさい)。

iPhoneのディスプレイのサイズやマルチタッチスクリーンの採用(キーを無くす事でディスプレイサイズをスマートに最大化)も、ユビキタス最右翼であるモバイルホン上でインターネットマシーンを具現化するために必要不可欠だったもであり、インターネットにおける視覚(視認性)の重要性を認識した設計だったのではないかと素人のコンキチには思えます。ブロードバンド環境が整備されて以来、インターネット空間におけるコンテンツは多様化し、画像や動画といったコンテンツはあある程度の視認性(見やすさ)を確保しなければ、人間の方の限界につきあたり実用に耐えないものとなってしまう。

通常の携帯キャリアは携帯を電話として戦略(?)を立てているのに対して、アップルは携帯(iPhone)をインターネットマシーンとして考えて戦略を立案している。そのようにコンキチは思います。


あと、この手塚治虫アプリの提供元であるYappaは産経新聞iPhoneアプリの開発も手がけているのだが、ちょっと気になりました。

Labels:

Saturday, April 25, 2009

ユニクロの戦い

昨日、電車でユニクロの中刷りを発見しました。で、とうとうモデルにもえちゃん(押切もえ)を投入してきました。

世界No. 1アパレルカンパニーを目指すユニクロにとって、ライバルはH&M、GAP、ZARAと目されているようですが、売上高に大きな差があることに加えて(see http://researcher-station.blogspot.jp/2008/10/2.html)、国内であってさえブランド力が弱いとコンキチなどは感じます。かつての最大ウリであった(とコンキチは思う)Cheapというイメージが払拭できていない思う。

コンキチはユニクロとGAPの愛好家だけど、二者における購買様式は全く異なります。ユニクロの場合は普段使いの店で、GAPはバーゲン時に出動してまとめ買いします。近年、ユニクロの品質とデザインの向上には目を見張るものがあり、業績も好調だけれどもやっぱりGAPよりも格下の感はいなめません。価格帯もGAPの方がかなり高いし、ブランド力を強いと思う。費用対効果を考えれば、「ユニクロ>GAP」と思うんだけど、GAPの服の方が存在感があるかな(これがブランド力)。

で、上述したメガアパレルと伍していくためには、ユニクロは自身のブランド力を高めなければならないと思います。その為には広告。なのでユニクロは数年前から多くの芸能人を投入して自身のブランド力を高める努力を継続しています。そのかいあって、CheapからQualityへの転換がゆっくりだけど着実に進んできたと思います(素材の開発とかデザイン面でも進歩が認められる)。

そして、とうとう若い女性のファッションリーダー的存在のもえちゃんを投入するまでに至った。(国内では)確実にユニクロブランドのプレゼンスは高まっている。っていうか、国内アパレルではユニクロ一人勝ちだしね。


ユニクロの成長に今後も期待するとともに、ポスト柳井が心配な二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

Labels:

Sunday, April 19, 2009

椅子取りゲームからの脱却

最近よく、年功序列が崩壊して、会社に滅私奉公しても(一生懸命働いても)報われなず(ポストがあてがわれない)、会社に裏切られた的な論調を耳にすることがあります(気のせいだったらごめんなさい)。つまり、椅子取りゲームの椅子の数が少なくなったとうお話。


でもこれってバリバリ文系チックなゼネラリスト志向の人のお話のような気がして、自分自身には殆ど実感がありませんね。だって自分、一応理系のスペシャリスト(志望)だからね。

キャリア•パスが職制を昇り詰めることに集約されている(ようにコンキチにはみえる)椅子取りゲームへの参加のみを考えることは短絡的と感じるのは気のせいだろうか?っていうか、そんなにマネジメントやりたい人で溢れてるの?そんな面倒くさそうなこと、コンキチは願い下げなのだが.....


っていうか、理系になって、知識労働者になって、研究員になって、楽しいことだけやって、シコシコ残業することなく、そこそこの給料貰って、そこそこ滾って、のほほんと生きる(っていっても手を抜くことを言っているわけではくてね)っていうのも悪くないと思うんですがね(それなりにプレッシャーもかかるし、たまに胃が痛くなるときもあるけどね)。


調査したことないからよく分からないけど、賃金の下落が激しいのは代替が非常に容易い単純労働(なんちゃってゼネラリストを含む)で、比較的高いスキルが必要とされる職業(業界)はどこ吹く風のような気がします。


で、結論↓
理系になって、大学院行って、知識労働者になって、比較的アウトソースが困難な職業につくことで、雇用を確保し、経済的不安を取り除きましょう。


そうすれば、そこそこ滾れて人生を謳歌できる確率が高くなるとコンキチは思います。


椅子取りゲームに熱中して、文系が幅をきかせてるどこぞの国のどこが「ものつくり大国」なのか?と思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

Labels:

Saturday, April 18, 2009

婚活の戦略

密かに結婚10年目のコンキチです。ついでに二児の父です。ちなみに恋愛結婚です(付き合い始めてから16年かな)。

そして、密かに結婚に失敗したと思っています。
(でも、自分で言うのもうれしいけど、ウチのカミさんはけっこう美人です)


さて、何故コンキチが結婚に失敗したと思っているかというと、ズバリ


価値観の相違


ですね。

よく、ちょっとした俗っぽい雑誌で高学歴女性の結婚感に関する特集なんかがありますが、その中で高学歴女性はこのように宣います↓

結婚相手に学歴は求めないけど、旦那は東大卒です (東京大学卒の女性談)


要は、低学歴(バカだ大学)男性だと、話のレベルが合わな過ぎてコミュニケイト不能になるってことと思います。

自分も経験(女性と経験ではないが)あるんで良くわかります。具体的には、自分化学工場で働いてたことがあるんですが、はっきり言って工場の人と話をするのは苦痛でしたね。話が合わない。パチンコの話とか風俗の話とか他部署の女性の話とかばかりされても困るって感じなんですよね。一応大人なので、話はできる範囲で極力合わせるし、興味ありそうなフリして自分の不快感を極力出さないように話をしましたが、苦痛でしたね。

それと同じ事が男女間の結婚空間には存在すると思います。結婚するということは、人生の多くの時間を共有するということに他なりません。コミュニケイトタイムが凄くある。その中で話が合わないというのは致命的と思います。より正確にいうと、話が合わないのではなく、思考レベルの解離ですね。

例えば、コンキチの場合、コンキチは(理系の文系と揶揄される化学が専門ですが)理系です。一方、カミさんはバリバリの文系(教育学部)。コンキチは多少論理思考であるのに対して、カミさんは論理に集積を屁理屈と一刀両断し、感情に支配された物言いを好みます。なので、価値観が違う。意思決定のプロセスが違うから合意を取り付けるのが困難(場合によっては永遠に平行線)。軽く苦痛です。

結論:

a) 理系男子(女子)は理系女子(男子)と結婚すべし
b) 文系男子(女子)は文系女子(男子)と結婚すべし
c) 高学歴者は高学歴者と結婚すべし
d) 低学歴者は低学歴者と結婚すべし


高校時代、将来結婚難民になったら、統一教会に入信して集団結婚すればいっかなんてけっこう本気で思っていました二流大出のなんちゃって研究員の呟きでした(なので、あまり本気にしないで下さい)。

Labels:

脱コンプライアンス宣言 (6)

企業不祥事後の対応で非常に評価が高いジャパネットたかたのケースをメモしてみます。

ジャパネットたかた顧客データ流出事件

概要
2004年3月 約51万人の顧客情報が名簿業者に売られていたことが発覚。3ヶ月後、2人の元社員が逮捕。

対策
a) 社長の謝罪 (発覚した3月9-12日まで毎日、その後は事業再開まで1週間毎に謝罪と報告を繰り返した)
b) 即座に49日間の営業活動の自粛(HPも停止)→原因究明と再発防止作の策定の為
機会損失 150億円 (2003年度の売上高705億円)
c) 情報漏洩防止ソフトの導入
d) コンプライアンステストを定期的に実施 (記述式試験もあり、成績悪いと追試)
e) セキュリティの強化
f) 地元採用、はえぬき主義からの転換

その後
2006年 売上高 1千億円突破(現在もさらなり成長)
イメージアップ
社内見学を希望する企業が相次いだ


企業不祥事を隠蔽したり、(本当は責任があるのに)責任を回避する営トップの発言などで信用を失墜させている企業とは対照的な対応です。特に、即座に49日間の営業活動の自粛はインパクトが大きい。これが、たかたのイメージアップ(誠実な企業だ)に繋がったのではないかと思います。っていうか、普通の企業となかなか自発的にこういうことはできない(追い込まれることはあるが)。

コンキチはジャパネットのターゲット外顧客なので(セット商品に全く魅力を見いだせない)、同社の通販を利用する機会は無いと思いますが、楽しいテレビショッピングで我々の目を楽しませて欲しいものです。

こういう姿勢の企業で買い物したいよね


ところで、企業が不祥事を起こしたときに謝罪する経営トップの多くは、なんでああも無様な姿をテレビでさらすんですかね(上場企業でさえも)?そして、社会のコンセンサスを得ることが全く期待できないであろう誠実さを欠いた対応ばかりするのだろうか?数は少ないが、不祥事後の信頼回復に成功した事例が既に存在しているというのに。

不思議です。

ぱっぱり、トップ自ら不祥事に積極的に関与しているから、全てが白日の下にさらされると困るからかな?


今日も不誠実な企業に対して、プチ不買運動を続ける二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

Labels:

Monday, April 13, 2009

脱コンプライアンス宣言 (5)

前回のブログで松下(現パナソニック)の不祥事対応をメモりました。リコール修理後に1人の中毒者がでるまで後手に廻る対応だった松下ですが、その後はスーパーマジモードに突入し、徹底した物量作戦で信頼回復を果たします。世論は松下の取り組みを好意的に受け止め、さすが天下の松下!企業理念が違うね!!なんて思った人も多いかと思いますが(少なくともコンキチはそう思った)、実はモデルケースが存在していて、っその情報を松下の幹部は仕入れていたのです。

で、そのモデルケースというのは、ジョンソン・アンド・ジョンソンのタイレノール事件です。

タイレノール事件:
1982年9月に、ジョンソン・アンド・ジョンソン社が製造・販売していたタイレノール(Tylenol, 解熱鎮痛薬)に第三者が(店頭または流通過程で)青酸カリを混入し、シカゴ地域で8人の死者を出した事件。

ジョンソン・アンド・ジョンソの対応↓
a) 市中に出回っていた1億5000万ドル分のタイレノールを即座に回収した。
b) 衛星放送を使った30都市にわたる同時放送、専用フリーダイアルの設置、新聞の一面広告、TV放映といったマスコミを通じた積極的な情報公開を実施
c) 異物混入を防ぐために新パッケージを開発(3層密閉構造:外箱の折り蓋はすべて糊付け密閉、ボトルのキャップは強いプラスチックのバンドでネック部に密着、ボトルの入り口を強固な内部のファイルが密封)
(この後、1986年に2度目のタイレノール事件が発生し、後、異物混入を防ぐ更なる強化策として、剤型を“カプセル”からカプセルのように見せた“錠剤”(ジェルキャップ)としたそうです)


結果
a) 1年後、事件発生前以上の市場占有率
b) ブランドイメージの向上
c) 企業姿勢が高く評価された


はっきり言って、松下の対処は完璧にジョンソン・アンド・ジョンソンのパクリですね。

ちなみにタイレノール事件ははっきり言って、ヤクザに訳の分からない因縁をつけられたような事件で、事件にジョンソン・アンド・ジョンソンの落ち度は見いだせません。それでも損失覚悟で消費者に誠意を感じさせる対応をし、なおかつ強化策まで開発する姿勢は松下の数段上を行きますね。

だからといって松下のような対応ができる企業は希有だとは思います。

Labels:

Sunday, April 12, 2009

脱コンプライアンス宣言 (4)

松下電機産業(現パナソニック)のケーススタディーです↓
あと、松下の事件とよく比較されるダメな例としてパロマ湯沸かし器事故の事例も対抗としてメモします。

松下石油ファンヒーター事故
a) 経過 (赤: 対応)
2005年1月 FF式石油温風機(1985年-1992年に製造)によるCO中毒事故発生(1人死亡、1人重体)。
2005年2月、4月に同様の事故が発生(2件、5人が中毒症状)
2005年4月 事故を公表し、リコール開始
2005年5-6月 新聞折込み無償修理を呼びかけるチラシを配布(2度に渡り計180万部)

2005年11月 1人死亡、1人重体
2005年11月 経産省が「緊急命令」発動、「FF緊急市場対策本部」設置
2005年12月 リコール修理後1人中毒症状
2005年12月 1台5万円で温風機の買い取り開始
ローラー作戦開始(142万枚のチラシを配布)
テレビCMを「おわびとお知らせ」の告知に差し替え
2006年1月 タウンプラス(配達地域指定冊子郵便)で6千万世帯に買い取り通知
~2006年4月30日 テレビCM 2万8千本、新聞告知24回、折り込みチラシ4億4千万枚弱、雑誌広告260万部、ポスター32万枚、対策費要総額249億円。


b) その後の評価
松下のブランド価値向上
「おわびとお知らせ」の告知CMが好感度2位(CM総合研究所調べ)
他の製品の販売への影響↓
12月1日から7日までは前年同期比88%
12月8日から19日までは前年同期比104%
20日から31日は前年同期比118%
2006年3月期決算(連結) 売上高2%増、営業利益34%増、経常利益50.4%増、純利益164%増


パロマ湯沸かし器事故
a) 経緯
2006年7月 CO中毒事故(1996年に発生)の再捜査をきっかけに発覚
製造責任を否認(事故原因はサービス業者による不正改造で、製品には全く問題ないという認識)
事故原因の一部が安全装置の劣化であることを認める
20年間(1985年~)で計28件。死者21名。
2006年8月 経産省は消費生活用製品安全法に基づき、パロマ工業に対象製品の回収を命じた

1987年の死亡事故で安全装置の不正改造を把握し、88年に営業所などに向けて注意喚起する文書を配布
その後も修理業者による不正改造が横行し死亡事故も相次ぐ
ホームページなどでは自社製品について「25年間 不完全燃焼無事故」などと宣伝
緊急回収や一般利用者への告知などの抜本的な再発防止策は後回し


b) 影響
問題機種の点検・交換作業の費用に約200億円超
パートやアルバイトなどのリストラに追い込まれた



正に、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれと思います。それから、北の国からの菅原文太の「誠意ってなんじゃろな?」っていう台詞を思い出す二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

Labels:

脱コンプライアンス宣言 (3)

近年、お茶の間を賑わせた企業の不祥事をジャブ程度に収集してみました。結構適当に調べたので間違ってたらごめんなさい。

2000年
雪印集団食中毒事件 (食品衛生法)
三菱自動車クレーム隠し (道路運送車両法)

2002年
雪印食品牛肉偽装事件 (食品衛生法)
日本ハム牛肉偽装問題 (日本ハムが法律違反ではないなどと説明していることについて、当時の農水次官は「法令順守は法律を形式的に守ればいいということではない」と批判)
日本ハム子会社原料の虚偽表示 (JAS法)

2003年
UFJ銀行検査妨害事件 (銀行法)

2004年
ソフトバンク顧客データ(約450万人分)流出事件 (個人情報保護法施行前)
カネボウ粉飾決算事件 (証券取引法)
三菱自動車リコール隠し事件 (道路運送車両法)
六本木ヒルズ回転ドア事件 (メーカーと管理会社の役員を含む6人の書類送検)
西武グループ証券取引法違反 (証券取引法)
浅田農産鳥インフルエンザ感染隠蔽 (家畜伝染病予防法)
関西電力美浜原発蒸気噴出事故 (日本原子力学会の倫理規程に違反)
ジャパネットたかた顧客データ(約51万人分)流出事件 (個人情報保護法施行前)
白骨温泉入浴剤問題 (景品表示法)
読売ジャイアンツ不正スカウト問題 (スカウト活動の違反)

2005年
JR西日本福知山線脱線事故
橋梁談合事件 (独占禁止法)
松下石油ファンヒーター事故
伊藤ハム豚肉関税脱税事件 (関税法違反)
明治安田生命保険金不払問題
アイフルの取り立て問題
三菱地所土壌汚染隠蔽 (宅地建物取引業法)
耐震強度偽装マンション販売事件

2006年
ライブドア事件 (証券取引法)
パロマ湯沸かし器事故
中国電力データ改竄 (公害防止協定)
日興コーディアルグループ粉飾決算
スカイマーク整備不良
コムスン介護報酬不正請求事件 (人員基準違反)

2007年
不二家期限切れ原材料使用問題 (食品衛生法)
ミートホープ牛肉ミンチの品質表示偽装事件 (不正競争防止法)
NOVAの不祥事 (労働基準法)
大日本印刷個人情報流出事件
あるあるねつ造事件
西武不正スカウト問題 (スカウト活動の違反)
フルキャストの違法人材派遣問題 (労働者派遣法)
白い恋人賞味期限改ざん問題 (JAS法)

2008年
三笠フーズ事故米穀不正流通事件 (不正競争防止法)

2009年
美少年酒造裏金問題


こうしてみると、人の噂も75日って言う感じで、事件発覚当時は憤って(1人不買運動したりして)いたのが、時間の経過とともに風化しているのに気がつきます。

あと、パロマは非上場なのでいまいちよく分からないんだけど、寡占化が進んでいて(勝手な思い込み)、売上げ構成比の8割くらが海外だからか、事件発覚あとも売上高は増えてるからね。

ところで、企業不祥事というと、その殆どがイメージダウンを余儀なくされるけど、その対応に誠意をもってあたることで稀に株をあげる企業があります。(上記リストの中で)具体的には、松下(現パナソニック)とジャパネットたかたなんだけど、今後その辺りをフィーチャーしていきたいと思います。

Labels:

Saturday, April 11, 2009

脱コンプライアンス宣言 (2)

今週、東京地方は桜の見頃で、コンキチなんぞは通勤途上で桜吹雪に包まれたりと、なんとも日本的な幸せを感じた一週間でした。

さて、コンプライアンス関連本を一冊読んでみました↓


IBM、デュポン、コカ•コーラといった企業にコンプライアンス•コンサルタントの書いた「ウサギはなぜ嘘を許せないのか?
」です。

はっきり言って、フィクションで「物語」なのですが、良い話と思いました。最終的に正直者がその正しさに見合った成功を勝ち得るという勧善懲悪的な使い古されたストーリーなのですが、とても面白く読めました。

現実社会への適用という点では難大有りと思いますが、学校の道徳教育に使って欲しい一冊です。キャラクター設定とかストーリー展開もよく出来ていると思います。ただ、159頁の薄さで1,029 JPY(税込)もするのかよ!と軽くいらっときてしまいました(まあ、金額と頁数と内容に相関はないですが)。

各章末に「ウサギの教え」と称するTipsがあるんですが、人生訓として、というか個人の倫理上の問題を考える観点から次の3つがコンキチの胸にヒットしたのでメモしておきます。



Tips 1
"二者択一"という難しい選択をすることによって、倫理的な問題を考えてはいけない。選択肢はきっと、ほかにもある。


具体的にはこういうこと↓
Q.
(i) 母親が手術をしなければ命を落とすことになる。
(ii) 母親はお金もなければ、保険にも入っていない。
(iii) あなたもお金を持っていない。
(iv) あなたは、職場では手術に必要なだけのお金を自分のものに(横領)できる立場にある

あなたは母親の命を救うために横領しますか?

A.
病気に苦しむ母親のために不正を犯す(横領)という解決法は、賢明でも効果的でもない。
(i) 正しいこととは何かという問題を飛び越えてしまっている。
(ii) 横領したお金は病気を抱える顧客のものかめしれない。
(iii) 余計な努力を惜しんでいる。

努力を要するが、他の解決策がある
(i) 虎の子の貯金を全て提供する
(ii) 医者や病院と相談して支払い計画をたてる


Tips 2
何も言わないことによって引き起こされる結果は、
声をあげることによって引き起こされる結果より、つねに深刻である。


人材管理を目的とするある情報センターの調査結果↓
自分は組織のなかで誰よりもモラルを大切にする人間だ 99%
法やモラルに反する行為を目撃しても「何もしない」 65%
(理由: 「みんなと歩調を合わせていない」と避難されるこが怖いから 96%)

6割超の人が、「誰よりもモラルを大切にする」が「モラルに反する問題を黙認」する。この結果、事態はいっそう好ましくない方向に進む。


Tips 3
寝ても覚めても嘘のことが頭から離れない。
そんな状態でないことが、どれほど自由かよく考えること。


そのままですね。


コンプライアンスの邦訳である法令遵守という言葉からは、法律を守ってさえいればいい的なニュアンスが強く感じられますが、脱法行為や倫理や社会通念に反する行為は、多くの批判を招き、社会的信用を失うことに繋がるでしょう。

要は、誠実であることが大事ということをこの本は言っていると思います。カタカナでコンプライアンスと言ってみたり、四字熟語で法令遵守なんて堅そうな法律問題だけに限定するような言葉なんて使うから、社会からの根源的要請である誠実さをヴェールに包んでしまうのではないかと乙女チックなこと思ったりする二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

Labels:

脱コンプライアンス宣言 (1)

先日、三菱UFJ証券の顧客情報流出が発覚しましたね。企業不祥事は枚挙に尽きません。で、企業不祥事とセットで語られるのがコンプライアンス。日本語では主に「法令遵守」と訳されるのが一般的と思います。

一応、月並みながらComplianceを辞書で調べてみました↓

リーダーズ英和辞典第2版によると

1 (要求•命令などへの)対応、服従、追従; 遵守; 準拠; 従順; 承諾
2 (理)コンプライアンス(外力をうけたときの物質の弾力性•たわみ; また機械キャパシタンス)


だそうです。

ちなみにCollins COBUILDのEnglish Dictionary for Advanced Learnersによると↓

Compliance with something, for example a law, treaty, or agreement means doing what you are required or expected to do.

必ずしも法令遵守というのが本源的な意味ではないようですが、現代社会では企業活動に係る法律や規則といった文脈で登場するのが常のようです(ビジネスコンプライアンス)。

ちなみにコンキチがコンプライアンスという言葉を初めて聞いたのは2001年前後くらい。日経テレコン21<野村版>(直近の過去10年までが限界)で軽くサーチしてみると、1999年には既に新聞記事でコンプライアンスという単語の使用が認められます。

2004年2月27日の日本経済新聞朝刊の桐蔭横浜大学大学院郷原信郎特任教授(当時)の記事に、「コンプライアンスという言葉はこの十年余りの間に日本企業の間に急速に広まった。」という件があり、1999年半ばには既にコンプライアンスという言葉がわが国で使われていたのだろうと思います。

コンプライアンスの重要性が声高に謳われ続けている中、企業不祥事がザクザク湧き出てくる様を鑑みると、その響きが非常に空疎なものに感じられます。


脱税、談合、粉飾決算、裏金、偽装、隠蔽などは、企業不祥事の常連客で(個人レベルではインサーダー取引とか)、そういった不正がばれると、刑事処分、行政処分、損害賠償、社会的制裁といった手痛いしっぺ返しがあるというのに、それらの犯罪に手を染める人々は後を絶たない。情報の非対称性を盲信しているのか?学習能力がない(バカな)だけなのか?性格が刹那的だからなのか?

不正行為を行ったことによって得られる利益×ばれない確率 << ばれた時の被る損失×ばれる確率

とコンキチなんぞは思うのですがねえ。少しコンプライアンスについて考えてみますか。

Labels:

Monday, April 6, 2009

脱CRMの内向き志向

先日、近所の紀伊国屋にとある雑誌のバックナンバーを注文しました。

1週間程時間がかかるという回答を得て、待つこと1週間+1日。連絡がないので、会社帰りに直接店舗に問い合わせてみました。

すると↓

3/29 コンキチがバックナンバーの取り寄せを依頼
4/1 版元から取次店に本が入る(予定)
4/6 明日確認してみます。

だそうです。

凄いね

なんで取次店入れたりとかしてわざわざ業務プロセスを煩雑化させて、CSダウンさせてるんだろうか?

まあ、いろいろしがらみとか、持ちつ持たれつの付き合いとかあるのかもしれないけど、だからアマゾンにいいように牛耳られるんじゃないの(アマゾンは上述した不誠実なバックナンバーサーヴィスはやってない。その役目をマーケットプレイスに転嫁している)?といいたい。

結局、顧客の利便性を考慮してサーヴィスを設計してないんだよね。そもそも、バックナンバーでコストの固まりのような気がするんだけど、それって通常販売分にバックナンバー分のコストが載っかてるってことだよね。バックナンバー注文してて言うのもなんだけど、バックナンバーの取り寄せサーヴィスってやる価値あるの?と思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

Labels:

Sunday, April 5, 2009

瑞穂ちゃんの戦略

どうも、俗物のコンキチです。

先週、はじめてAERA (380 JPY)を購入しました。理由は、



特集「東大女子の宿命」


という俗っぽさ100%のタイトルに食指をそそられたからです。

で、その特集記事の中で驚愕の事実を認識しました。



福島瑞穂は東大法学部卒


個人的に超絶サプライズ!

だって、東大出身者は頭がいいはずなのに、何故社民党なんていう
ウジ虫みたいな存在価値のない
弱小政党に入っているのか?


あっ、分かった。社民党というスモールワールド&クローズドサークルの女王として君臨することが狙いなのかな?


コンキチはそうみました。


二流大出のなんちゃって研究員の戯言と思って聞き流して下さい。

Labels:

Merlot vs Cabernet Sauvignon

こんな文献を読んでみました↓

Comparison of Aroma Volatiles in Commercial Merlot and Cabernet Sauvignon Wines Using Gas Chromatography-Olfactometry and Gas Chromatography-Mass Spectrometry
J. Agric. Food Chem. 2006, 54, 3990-3996.

MerlotとCabernet Sauvignonワインの香気成分の違いって何?という論文です。

過去の研究成果↓

a) Cabernet SauvignonとMerlotワインのGC-MS分析を用いた研究からは、揮発性成分の違いは量的なものだけだった
ref. J. Sci. Food Agric. 2000, 80 (11), 1659-1667.

b) フランス産のCabernet SauvignonとMerlotワインの官能試験の結果、アロマは類似していた
ref. 1999年のボルドー大学の博士論文

c) Cabernet SauvignonとMerlotワインのアロマは似通っているが、キャラメル様香気の強度に違いがあり、それは4-hydroxy-2,5-dimethylfuran-3(2H)-oneと4-hydroxy-2-ethyl-5-methylfuran-3(2H)-oneの含有量の違いを反映している
ref. J. Agric. Food Chem. 2000, 48(11), 5383-5388.

d) GC-O(溶媒抽出で揮発成分をワインマトリックスから分離し、AEDAで評価)を使った2つの研究があって、スペインのアラゴン産およびフランスのボルドー産のCabernet SauvignonとMerlotワイン中に見いだされた最も強い有香成分は、10-11のうち同じ成分は3つ(β-damascenone, 2-phenylethanol, 3-methylbutanol)だけだった
ref. J. Sci. Food Agric. 1999, 79(11), 1461-1467.; J. Agric. Food Chem. 2000, 48(2), 400-406.

ワインのアロマは、季節差、ブドウの栽培法、醸造法の影響を受けるし、揮発成分の抽出方法の違うと本質的に異なる結果を示すとして、著者等の研究の目的を次のように述べています。

「産地とヴィンテージの異なる市販のMerlotとCabernet Sauvignonワインのアロマの組成を、
同一のサンプル調製法と同一の分析法で比較し、
ヴィンテージと産地の違いから観察されるアロマの特性を確認する」

とのことです。


で、以下著者らの仕事↓

まず実験に使った市販のワインなんですが、名指しです(かなり驚き)

Black Swan Cabernet Sauvignon 2000 (Australia)
Napa Valley Cabernet Sauvignon 2002 (California)
Jacob's Greek Merlot 2000 (Australia)
Harbinger Napa Merlot 2002 (California)
 
香気成分の捕集方法は、スタティックヘッドスペースサンプリングでマイクロ固相抽出です。

GC-MS分析から特定された香気成分は66化合物で、4種類のワインは似かよった組成でした。大きな違いは定性的な部分よりも定量的な部分で、TICがMerlotはCabernet Sauvignonのおよそ2倍の
ピークエリアを示したそうです(EtOHを除いて)。

次に著者らは、4つのワインの揮発性分を比較するために、全てのサンプル中で最も大きいピーク(EtOH以外ね)を基準として指数化しました(具体的にはJacob's Greek Merlot 2000中のethyl octanoateを100とした)。

GC-MSの結果
a) high ethyl octanoate valueはMerlotに特徴的で、Harbinger Napa Merlot 2002で77, Cabernet Sauvignonはそれぞれ18, 12。
b) Cabernet Sauvignonで、酢エチ, 3-methyl-1-butanol > ethyl octanoate
c) ethyl octanoate, ethyl decanoate, 酢エチ, 3-methyl-1-butanol, isopentyl hexanoate, diethyl succinate, 2-phenylethanolともう1個のピークでnonethanolピーク面積の81-85%を形成
d) 特定された66の香気成分のうち、29がエステルだった(60-83%)。Jacob's Greek Merlot 2000で83%。その他は60-63%。

cf. エステルはフルーティーなアロマの主要素で、その含有量はブドウ品種によって大きく異なる。例えば、ポルトガルのBagaは15%(Anal. Chim. Acta 2004, 513, 257-262.)

e) EtOHの他に17のアルコールが検出され、その中で最もハイコンテントだったのは3-methyl-1-butanol。これらのアルコールは対応するエステルの酸加水分解によりゆっくりと生成する。そして、それらアルコールのMSピーク面積はエステルのそれと比べて極めて小さい(エステルはアルコールの2-7倍)

GC-Oの結果
a) 4ワインから74の香気成分を検出(カラムはDB-Waxを使用)
b) 内、24成分が共通
c) さらに14成分が3つのワインで共通
d) Napa Valley Cabernet Sauvignon 2002が最も複雑
Black Swan Cabernet Sauvignon 2000 (Australia)/ 51 aroma volatiles
Napa Valley Cabernet Sauvignon 2002 (California)/ 61 aroma volatiles
Jacob's Greek Merlot 2000 (Australia)/ 49 aroma volatiles
Harbinger Napa Merlot 2002 (California)/ 50 volatiles
e) Napa Valley Cabernet Sauvignon 2002のtotal MS peak areaは最も小さかったが、total aroma peakは最大だった→Napa Valley Cabernet Sauvignon 2002は極低濃度の閾値の小さい化合物を含んでいる

GC-Oの比較
a) 匂い強度の強かった香気成分/ 3-methyl-1-butanol (malty), 3-hydroxy-2-butanone (acetoine) (dairy, over ripe fruit), octanal (fatty), ethyl hexanoate (fruity), ethyl 2-methylbutanoate (apple, sweet), β-damascenone (honey, sweet), 2-methoxyphenol (guaiacol) (smokey, burnt), 4-ethenyl-2-methoxyphenol (peppery, spicy), ethyl 3-methylbutanoate (fruity, floral), AcOH (pungent, sour), 2-phenylethanol (rose, spicy)
b) ethyl octanoate (ripe fruit), β-damascenone (honey, sweet), ethyl hexanoate (fruity), 3-methylbutanoic acid, isoamyl acetate (banana)は若いワインの重要な香気成分であるという報告例有り(J. Sci. Food Agric. 2000, 80 (11), 1659-1667.)これら5成分は本研究で実施したGC-O分析で全て検出された(って書いてあったけど、3-methylbutanoic acidは発見できなかった。誤記かな?)

Wine Aroma Categories
著者らは有香成分を9つのカテゴリーにグルーピングして各ワインを比較しています。で、9つのカテゴリーというのは、#1 「fruity」, #2 「sulfury」, #3 「caramel, cooked」, #4 「spicy, peppery」, #5 「floral」, #6 「earthy」, #7 「pungent, chemical」, #8 「woody」, #9 「green, vegetative, fatty」。ただし、これはGC-Oにより検出された個々の香気成分の強度を単純に積算しただけなので、シナジーとかマトリックス効果とかは考慮されていないことに注意。また、1つの成分が1つの香気カテゴリーにどれくらいフィットしているかという問題もある。ということで、本研究で使ったワインの特徴↓

a) 4ワインはfruity, green, caramelといったアロマから構成されている
ちなみに、過去の熟成していないワイン(Merlot, Cabernet Sauvignon)ではcaramel, rose, leatherが最も重要という報告がある(J. Agric. Food Chem. 2000, 48 (11), 5383-5388.)
b) #1「fruity (29のエステルから構成)」, #9「green, vegetative, fatty」, #3「caramel, cooked」が優勢


MerlotとCabernet Sauvignonのアロマの違い
基本的なアロマカテゴリ-の強度は類似しているようですが、微妙な違いがあり、それについて言及しています。

a) MS→EtOHを除いたTICの総ピーク面積は、MerlotがCabernet Sauvignonの2倍
b) Napa Valley Cabernet Sauvignon 2002は
(i) 他のワインに比べてアロマの強度が40-65%大きい。
(ii) TICの総ピーク面積は最小
(iii) 香気成分の数が最大
(iv) 他のワインに区比べて、#6「earthy」と#9「green, fatty」が際立っており、オークコンタクトかスキンコンタクトの時間が長くとられていることが示唆される。
c) Kotseridis等は、MerlotとCabernet Sauvignonはcaramel様香気の強度と4-hydroxy-2,5-dimethylfuran-3(2H)-one (HDMF)と4-hydroxy-2-ethyl-5-methylfuran-3-(2H)-one (HEMF)によって区別されると報告していて(J. Agric. Food Chem. 2000, 48 (11), 5383-5388.)、この研究でもその主張が支持されたようです。具体的には、GC-O分析でHDMFはMerlotでは検出されなかったけれど、Cabernet Sauvigninでは検出された(って書いてあるけどなんかリストのテーブルに誤植があるような気がする)。

Comparison of Most Intense Odorants
GC-O(溶媒抽出で揮発成分をワインマトリックスから分離し、AEDAで評価)を使った2つの研究があって、スペインのアラゴン産およびフランスのボルドー産のCabernet SauvignonとMerlotワイン中に見いだされた最も強い有香成分は、10-11のうち同じ成分は3つ(β-damascenone, 2-phenylethanol, 3-methylbutanol)だけだった
ref. J. Sci. Food Agric. 1999, 79(11), 1461-1467.; J. Agric. Food Chem. 2000, 48(2), 400-406.
という過去の研究結果に対して、本論文でもβ-damascenone, 2-phenylethanol, 3-methylbutanolは最も強い有香成分としてリストアップされている。最も強い有香成分群の中で、スペインの論文ではエステルが4つ、本論文ではエステルガ3つ含まれているが、フランスの論文ではエステルは含まれていない。



Q. 過去の研究の整合性の欠如は何に由来するのか?なんでリストアップされている化合物群が似ていないのか?

A. 揮発成分のワインからの抽出方法が異なるから。
具体的には↓
スペインの論文/ freon 11 (CCl3F)抽出*(連続抽出, 24 h, 28℃)
フランスの論文/ CH2Cl2抽出(N2下バッチ抽出, 1℃, 30 min, 撹拌)
本論文/ スタティックヘッドスペースサンプリングでマイクロ固相抽出

古典的な液-液抽出(high-volatileな化合物を逃したり、溶媒や抽出法によって抽出効率が変わったり、不揮発性の物質も抽出しちゃったり、時間かかったりする)よりも、SPMEの法が優れているってことをアピールしてるのかな。

で本論文では、MerlotとCabernet Sauvignonは、ヴィンテージと地域が異なっていても、多くの香気物質が共通して含有ししていると結論付けています。なんとも煮え切らない結論のように聴こえますね。caramel様香気の強度と4-hydroxy-2,5-dimethylfuran-3(2H)-one (HDMF)と4-hydroxy-2-ethyl-5-methylfuran-3-(2H)-one (HEMF)についてももうちょっと強い主張があるかとも思ったのですが.....

結局違いは含有量ってことなのですかね(今の分析技術で確認できるのは)?まあ、4つのワインを比較するだけでそう結論付けていいのかと門外漢のコンキチなんぞはツッコミを入れたくなりますが(実験計画法でチョイスしたの?)、試験に使ったワインを名指ししているのは画期的と思いました(あんまりこういう論文を読んでる訳ではないので、気づいていないだけかもしれませんが、銘柄を隠すのが通例かと思っていました)。その点は一消費者として素直に評価したいです。

PS. 農芸化学の論文もSupporting Informationつけるべきなんじゃないの?と思うコンキチです。

Labels:

Saturday, April 4, 2009

就活STP

ども、マーケティング、スーパー素人級のコンキチです。マーケティングのフレームワークにSTP (Segmentation, Targeting, Positioning)というのがあります。これって就職活動に応用可能と思います。何故なら、就職活動とは、自身を企業に売り込むことに他ならないから。

S (Segmentation)
「産業•業界」「職種」を分類する。

T (Targeting)
「産業•業界」と「職種」の組み合わせを選択する。

P (Positioning)
ターゲッティングした「産業•業界」-「職種」に適した能力を身につける。


で、STPベースで就職活動を行う場合、いつから潜在的就職活動は始まっているのでしょうか?

1stステップは理系と文系を選択するときかなと思います。世の中には、所謂「理系」でないとなれない職業が沢山あります(我が国で文系っぽい職種の給料が理系っぽい職種の給料よりも高いという現実とは別として)。

例えば、営業とか銀行員とか小売業とかそ教師とか俳優とか作家とかサービス業とかは文理の別を問わずなれる可能性が高いと思う。しかしながら、自然科学系の研究員とか医者とか薬剤師とかエンジニアとか建築師とか理系を選択して実際に理系の大学(学部)を出ないとなることは(わが国では)ほぼ不可能です(多分)。

なので、高校の文理選択の際は、「理系」を選択することをおすすめしますね、コンキチは。でないと(未熟な)高校生というをはやい段階でT (Targeting)できる範囲をいたずらに狭めてしまいます。別に、理系だからと言って、理系チックな職業を強制されるわけではないのだから。


では次に就活におけるSTPについて考えてみます。まず、S (Segmentation)は現実としてある産業、業界、職業をしっかり把握することが重要でしょう。例えば、東証では業種を33のセクターに分類しているので、まずはそれを参考にしてみるのが良いかと思います。しかしながら、盲信してはいけません。コンキチの専門はざっくり言って「化学」です。で、東証の33業種の中には「化学」というセクターがあります。だからといって(通常想定される)就職先が「化学」セクターに限定されるわけではありません。有機化学を専攻してきたコンキチの(通常想定される)就職先には。「化学」セクター以外にも「医薬品」セクター(コンキチは指導教官から当時の山◯内製薬を紹介されたこがある)や「食品」セクター(大手は事業ポートフォリオが広範に渡っている)も対象になり得ます。あと、東レや帝人などは「繊維製品」セクターに分類されますが、就職対象となります。逆にユニチャームは「化学」セクターに分類されていますがはっきりいって畑違いです。また、香料会社も「化学」セクターに属していますが、半分「食品」みたいなところもあります(所謂総合香料メーカーは、合成香料、フレーバー(食品香料)、フレグランンス(香粧品香料)の3つの事業分野からなり、そのウェイトはフレーバーが大きい)。まあ、当たり前かもしれませんが、愚直に業界研究するしかないということでしょうか。

次にT (Targeting)。昨年、「不動産業」セクターに属する会社から内定取消された学生の話題が世間の耳目を集めましたが、コンキチに言わせれば、マンションディベロッパーをターゲッテッィングする時点で終わってると思います。そもそも事業素養が悪すぎる(全ての不動産業の事業素養が悪いとは思っていません。あと、コンキチは門外漢なので、不動産業と建設業の違いがよく分からない)。じゃあ事業素養の良い会社を選べば万全かというとそうでもないと思う。まあ、倒産リスクはかなり減じると思いますが、必ずしも事業素養の良さと給料の多寡は比例しなし、業界内のヒエラルキー(競合企業同士の競争)により財務基盤•収益性•報酬は全然違います。それから、事業素養が良くても必要な専門性が大して無ければ、従業員の取り替えは容易に可能なわけで、使用者の優位性が高くなるでしょう(専門性が低いと低い給料に甘んじなければならない可能性が高まる)。要は、「事業素養の良い産業•業界」と「専門性の高い職種」のミックスが重要と思います。まあ、「自分のやりたい仕事を選ぶんだ」というのも良いでしょうが、最低限「貧すれば鈍する」にならないような職業選択をすべきだと思います。

最後にP (Positioning)です。対象の「産業•業界」-「職種」に必要なスキルを身につけるわけですが、分かり易い「産業•業界」-「職種」と分かりにくい「産業•業界」-「職種」があると思います。分かり易い例としては、医者、弁護士、弁理士、教師、会計士、税理士etc.といった資格がそのまま職業となるものは分かり易いですね。医者だったら医学部に入る。弁護士だったら法学部に入る(必須ではないが)。弁理士だったら理系の学部を出て弁理士事務所に入るとか。あと、理系の仕事は比較的分かり易いと思いますね。特にコンキチの(一応)専門の有機化学(有機合成)は、それを仕事にした場合、学生時代の経験が100%役に立ちます(っていうか基本的にやってることは一緒)。佐藤健太郎さんのブログでも、

即戦力、スーパールーキーなんてものがありうるのは、野球選手と合成屋くらいじゃないかと思います。
<引用終了>


と述べられているほどです。逆に自分の築いてきた専門性を外れてしまうとキツイかも知れません。で、文系系の仕事はどうかというと、公務員(理系もあるが)と小中学校の先生が分かり易いと思う。公務員の場合は、帝大(法学部)→国家I種、二流大学→地方上級。小中学校の先生は教育学部教員養成課程。これで決まりのような気がする。でも、それ以外はどうなのかさっぱり見当がつきません(コンキチが理系だから分かってないだけかもしれませんが)。そもそも、営業とか作家とか銀行員(金融工学のいらない)とかアナウンサーとか商社(営業?)とか小売業とかサービス業とか、就活時に優位なポジションを築くのが難しいと思うな。っていうか、何をもって優位となるのかシグナルを発するのが難しいと思う。ということは、偏差値の高い大学を卒業してシグナルを発信するしかないのかなというような気がする(作家やアナウンサーには有効ではないと思うが)。


とりあえずSummary
就活にSTPがよく機能するのは理系。但し、Segmentation-Targetingはより有利な職業選択をするという観点からはおしなべて有効だと思います。でも、一体どれくらいの人が戦略的STPを用いて就活するだろうか?ちなみに、コンキチは、新卒採用時、漠然とした成り行きに身を任せていました。Segmentation-Targetingは、理想的には大学入学時点で決定しておかないといけないわけで、大学(+大学院)はPositioningを確立する場だと思うんですが、実際はそうではなく、大学に入学した段階で限定的Segmentation-Targeting(文系→理系はほぼ不可能。理系間でも専門性の高い他領域へのコンバートは無理)とPositioningを並行して行っていくことになるのでしょう。そう考えるとミンツバーグのクラフテイングがしっくりくるような気もするけれど(ちなみにコンキチはミンツバーグは殆ど読んでいない)、Targetingだけは重要だと思います。昨今、格差(正規雇用-非正規雇用)社会(本当は世代間格差)が世間の耳目を集めていますが、正社員間でも大きな格差が存在しているんだよね。それは産業間格差であり、産業内格差であるんだけど、大手TV局がヒエラルキーの頂点に君臨しているせいか、その事実はあまり世間の周知するところには至っていないように思われます。で、産業間格差や産業内格差を知らずに職業選択することは危険であり、結果泣きをみるのは乙女チックとしかいいようがないと思います。で、そんな乙女チックさから卒業して、格差の罠を最小限に抑えるのに就活STPはそこそこ有効であるとは思います。

Labels: