とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Sunday, September 6, 2009

(+)-Mintlactone

気が付けば9月です。秋の匂いが漂いはじめた今日この頃、今年の秋こそは読書の秋にしたいものです。

さて、こんな文献を読んでみました↓
Expeditious Construction of (+)-Mintlactone via Intramolecular Hetero-Pauson-Khand Reaction
J. Org. Chem. 2009, 74, 2592-2593.

ヘテロPauson-Khand反応を鍵反応とした光学活性ミントラクトンの短段階合成の報告です。で、合成法はコチラ↓


(-)-シトロネロールを出発物質ろして、これをdemethanation、酸化し、最後にHetero-Pauson-Khand反応で縮合γ-ブテノリド骨格をジアステレオ選択的に構築して、(+)-ミントラクトンを得ます。3%のisomintlactoneも生成して、これは分離できない(inseparable)と記述されています(分離できなかっただけか?)。

ちなみに遷移状態はこれ↓


収率はかなりイマイチですが、イントロで最近のミントラクトンの合成例(プロパギルアルコールのTHPエーテルを出発物質とした10段階合成(J. Org. Chem. 2008, 73, 8104.)やシトロネラールを出発物質とした10段階合成(Tetrahedron Lett. 1992, 33, 4589.)を引き合いに出して、step economyとstrategic efficiencyをアピールしていますが、関西学院大の田辺先生のグループが既に(-)-体の1段階合成を報告していたりします(一応、本論文ではその他大勢の参考文献として記載されています)↓


Chem. Commun. 2002, 2542-2543.


ちなみに田辺先生の論文では、isomintlactoneが<10%生成するようですが、カラムで分離しているようです(inseparableじゃなかったの?)。 demethanationとかHetero-Pauson-Khanといった着想は凄いと思うけど、コンキチはダイレクトアルドールの方が好きだな。

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