2024年8月14日水曜日

Raumen_Colle (ラーメンコレ) (18)

ども、ラーメン大好きコンキチです。
暑い夏こそ心頭滅却して熱いラーメンを食べたいんですが、アラフィフの体にラーメンの連食は堪えるので進捗がはかばかしくないです。トホホ。。。。。

気を取り直して、以下、新たにボクの胃袋に収まったラーメンたちのメモです↓


entry 86   らぁ麺 はやし田 (visited Jun. 2024)


-醤油らぁ麺 (850 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
まず薫ってくるのは、(多分)チャーシューの獣臭。このマイルドなクサみが食欲を掻き立てる。 
麺は細麺ほぼストレート。仄かな甘味があって淡白系。冷麦のような味わい。 
スープはあっさり醤油で、それ自体は上品に澄んだ味わいと言っていいんじゃないかと思うんだけど、異様なまでにファッティーフレーバーが付与されていて、これがくどくて気になって仕方ない。 
具は、チャーシュー、メンマ、葱。 チャーシューは豚と鶏の二種(だと思う)。
どちらもチャーシューというよりハムのような食感と味わい。
メンマは細長く、ほどよい軟らかさで美味しい。


entry 87   麺屋ひょっとこ 交通会館店 (新橋, visited Jun. 2024)
住所:千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F https://www.kotsukaikan.co.jp/food_shopping/food_tea/100

-和風柳麺 (730 JPY)- 
-RATING★★★★☆
-REVIEW-
スープを啜るの上品かつ洗練された豊潤な魚介の濃厚な味わい。塩味がいい感じに効いてボディを底上げしている。 
ストレートの極細麺はツルシコでキックがあり、塩味を効かせているような気がする。 で、細麺が和的マックススープをふんだんに纏って口腔内に運んでくるわけ。 
具は、三つ葉、チャーシュー、メンマ、味玉、葱。 
三つ葉が和的スープと物凄くよく合う。要は、和×和の相乗効果。 
チャーシューは、旨味溢れるトロっとした脂部とちょいソリッドな肉部が味わい深くとても美味しい。 
メンマは、軽くゴリっとした食感で、おとなしいラーメンにアクセントを与える。 
マイルドテイストな味玉は、洗練されたラーメンに調和している。


entry 88   幸楽 (大崎, visited Jun. 2024)
住所:品川区大崎1-19-9 

-半チャンラーメン (1,000 JPY)- 
-RATING- 
-REVIEW-
ラーメンと半チャーハンのセット。
まずは、ラーメン。 
優しい甘い味わいが特徴的な澄んだ醤油スープは、アッサリだけど軽薄じゃない。 
縮れの入った中太麺はツルツルでプツッと歯切れが良く味もよく、あっさりしたスープともマッチしている。 
具は、チャーシュー、メンマ、ナルト、海苔、葱。 
厚みのあるソリッドなチャーシューは、獣臭がやんわり残っていて悪くない。
メンマは食感良く美味しい。 

半チャーハンは穏やかな味付け。お醤油の焦げたようなフレーバーが最高に香ばしく、良くできた焼きおにぎりを想わせるテイスト。 
具は、刻みチャーシュー、玉子、葱。 
パラッと解けるご飯は、お米一粒一粒の輪郭がはっきり分かる最高の食感。半チャーハンをこのクオリティで作れることが驚き。
おすすめのセットで間違いない。


entry 89   らーめん七彩飯店 (ヤエチカ, visited Jul. 2024)
住所:中央区八重洲2-1 八重洲地下街 八重洲地下2番通り 

-喜多方 (950 JPY)-
-RATING- ★☆
-REVIEW-
まずスープから薫ってくるのは、コンソメにもちょい似た仄かな香り。それから表層に浮いている油のオイリーな香り。
スープは洗練されたあっさり醤油。 
平打ちの縮れ麺は軟らかく、良くできたすいとん(はっと)のような味。 
具は、青菜、チャーシュー、メンマ、葱。 
チャーシューはかなり美味い。ファッティーで甘い脂部と軟らかくかつ肉肉しい食感の肉部のバランスがサイコー。
メンマはソリッド系で、奥まで味染みしている。 
総じて、洗練され過ぎて少し物足りない。


entry 90   十八番 (西浅草, visited Jul. 2024)
住所:台東区西浅草2-18-7

-酸辣湯麺 (1,000 JPY)-
-RATING- 
-REVIEW-
町中華らしいフェイスから薫ってくるのは、玉子と胡麻油のいい匂いい。 
スープは酸味がキリッと効いていて、ガチ中華みたいにお上品お上品していないのがいい。 
極細麺は軟らかくてコシはないけど、プツッとした歯切れの良さがあって、啜り心地が最高に気持ちいい。 
具は、溶き卵、トマト、キャベツ、木耳、ピーマン、お豆腐、ソリッドでいい味出してる豚肉など。いずれも大きめにカットされていて食感を楽しめる。
卓上に置いてある白胡椒を振りかけると、ジャンクさアップで旨さ倍増。


それにつけても、ラーメンって現代日本の合法ドラッグですね。塩分・脂肪分・糖質による三位一体の脳内ハックは破壊的です。合法だったことに感謝しつつ、これからもアラフィフなりにラーメン道に精進して参ります。



LUNA18のためのCSPS (Classical Solution Peptide Synthesis)

無性にオムライスが食べたくなった時のメモです↓

-むさしや memo (新橋, visited Aug. 2024)-
住所:港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 1F

-オムライス (チキンライスの卵包み) (1,100 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
オムライスに加えてナポリタンがついた、とってもボリューミーな一皿。 
オムライスの表面からは、ファッティーなとってもいい匂い。これが堪らなく食欲をそそる。
酸味の効いたチキンライスはねちゃっとした食感で、玉子にくるんで食べると素晴らしく美味しい。 
ケチャップも酸味がキリッと効いて、酸味の二重素が気持ちいい。 
酸味の効いたナポリタンは、ボクの中で王道の風格にして普通の極み。麺は太すぎず、細すぎず。ブヨブヨでなく、アルデンテでもない。ナポリタンって感じ。ちょいキツめの酸味が堪らないです。


閑話休題


ファルマシアに寄稿されていた記事を読んでみました↓

中分子創薬におけるプロセス化学の挑戦
Farumashia, 2024, 60, 283-287.

中外製薬のKRAS阻害性の臨床化合物LUNA18のプロセス・ルートの合成法に関する記事です。

LUNA18

LUNA18は環を構成する11残基のアミノ酸のうち8つがN-アルキルアミノ酸という合成難易度の高い環状ペプチドです。何故合成が難しいかというと、次の3点が挙げられるかと思います。

1) Fmoc基の脱保護時の副反応 (2,5-diketopiperazine形成)
2) N-アルキルアミノ酸の立体障害により、カップリング反応の進行が不十分
3) N-アルキルリッチなペプチドは酸性条件(global deprotection)下で不安定

一般論としてペプチド合成は固相合成(SSPS : Solid Phase Peptide Synthesis)が基本であり、上記課題を解決した合成法が既に報告されています(J. Med. Chem., 2022, 65, 13401-13412., https://researcher-station.blogspot.com/2023/03/n.html)

なので、起業化(工業化)はSPPSをスケールアップかつブラッシュアップさせたもになのかなと思ったんですが、全く違っていました。
中外製薬はSPPSによるプロセス・ディベロップメントを捨て、低分子化合物の合成で採用される"普通の"古典的な液相合成(Classical Solution Peptide Synthesis)を選択したのです。

固相合成は過剰に用いた試薬や原料などの次工程に持ち越したくない物質をペプチドの結合した樹脂を溶媒で洗い流すだけで除去できるという簡便な操作が魅力ではありますが、製造コストが高くなりがちです。他方CSPSはプロセス開発に時間を要しますが、反応をモニタリングできたり、必要に応じて中間体を精製することで品質の高いファイナル・プロダクトを調製てきるのが大きなメリットだと思います。


中外製薬はSPPSとCSPSそれぞれのメリット・デメリットを天秤にかけてCSPSをセレクトしたわけですが、ただCSPSを実施するだけでがリーズナブルな製造プロセスを構築できるわけではありません。

以下に中外製薬のLUNA18のCSPSのエッセンスをメモしていきます。

(1) Boc保護かCbz保護か?
通常のCSPSではN末端をBoc基で保護するのが常法のようですが、中外製薬ではCbz基による保護を採用しています。
理由は、Boc保護された活性エステルの安定性に問題があるそうです。こんな風に↓

(2) C末端保護基の脱保護
C末端の保護基としてよく用いられるtert-ブチル基の脱保護はTFAとかを使うのが常法ですが、N-メチル置換アミドはブレンステッド酸性条件下で主鎖が切断させることが知られていて、N-アルキルリッチなペプチド合成では大きな問題になります。
そこで、中外製薬の出した解答はルイス酸であるTMSOTfによる脱保護です。これにより、アミド結合が分解することなく脱tert-ブチル化を達成したのでした(下のスキームのペプチドは、LUNA18用じゃないですね)。


(3) 後処理
CSPSでの後処理は液-液抽出が基本で、水でワークアップして不純物を水層に落として取り除きたいわけなんですが、除去し難い活性エステルが意外と安定(比較的安定)で加水分解されにくいそうです。
このままだと活性エステルの加水分解がタイムコンシューミングになっちゃたりするんですが、短時間化のプロセス・インプルーブメントを施しています。
そう、DMAPを加えると活性エステルの加水分解が加速するんですね。

(4) コンバージェントな合成と環化反応
全体的なプロセス・ルートは以下のような工夫を凝らして達成しています↓

a) コンバージェントな合成法を採用することにより、製造期間を短縮化(高純度の中間体を獲得できるメリットもあり)。
b) 環化時にエピマー化を起こす可能性の低いアミノ酸配列の環化前駆体を設定。
c) 環化前駆体のカップリング反応もエピマー化を起こす可能性の低い中間体を設定。
d) 環化反応は擬似高希釈条下での反応条件を精緻に設定(オリゴマーの副生は安定的に5%以下)。


11残基程度のペプチドだからCSPS(Classical Solution Peptide Synthesis)を選択可能だったっていうのもあったんだろうけど、お見事と思いました。

ところで、中外製薬の定義する環状ペプチドのドラッグ・ライクネスのクライテリアによると、アミノ酸の構成残基数を9-11としています(J. Am. Chem. Soc., 2023, 145, 16610-16620.)。なので、LUNA18のプロセス開発で獲得した知見っていうのは、中外製薬の今後の環状ペプチド創薬に大きく貢献するものなんじゃないかなと素人ながら想像します。

それにつけても、LUNA18関連論文のオーサー数って凄いですよね。ペプチド創薬にフルコミットぜ感がビンビン伝わってきます。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の環状ペプチドプロセス開発メモでした。