2008年11月2日日曜日

企業年金の憂鬱

乱高下を伴って株価の下落が続く今日このごろ。コンキチの金融資産も大分含み損が出ていることと思います。なんか他人事のような記述かもしれないけど、こういうのって、どういった時間軸で考えるかってことも重要と思います。

つまり、

a) 1年後に資産を倍にしたい
b) 30年後に資産を倍にしたい

ではオペレーションが大分違ったものになるということ。後者を選択するのであれば、自分のターゲット•プライス以下ならば、キャッシュ•ポジションに留意して買い進めればいいんじゃない?ということ。


閑話休題


で、最近のニュースは、サブプライム後の株価の下落とか、一連の企業の不祥事とか、官僚をつっついたりとか、衆院解散とか医療問題とかの話題で盛り上がっているようですが、企業年金の問題はまだクローズアップされないのかなと、その日を楽しみにしているコンキチです。

前回の景気の後退局面で代行返上がけっこう進んだとは思いますが、企業年金自体は依然存在するわけで、確定給付型(ハイブリットも込み)の企業年金制度を敷いている企業の年金資産の棄損はどれくらいあるのかちょっとだけ興味あります(俗っぽい興味で申し訳ないですが)。

コンキチは金融素人なので、以下勝手なことを書きますが、別に株価の下落(乱高下)自体は資産運用上問題ではないと思っています。ただ、年金(特に企業年金)の運用で問題となるのは、金融資産の棄損によって年金資産が少なくなったときにもキャッシュ•アウト•フローがあるということに問題があると思います。

例えば、
a) 100円をマイナス20%で運用すると80円
b) 80円をプラス20%で運用すると96円

一旦、失われた資産が元の価値を取り戻すためには、より多くに利回りが必要になります。しかも、80円のときに10円の支出があって70円になっちゃったら、もっと大変。

団塊の世代の大量退職と若年人口比率の低下が、年金運用にどういゆ影響を及ぼすかを考えると、ちょっと楽しくなります。


あと、報道番組とかで、頭の悪そうなキャスターとかが、年金資産を株で運用するのは良くない的なことを言ってますが、それだったら、年金に高利回りを期待してはいけないことになります。つまり、国債程度のリスクフリー•レートに甘んじろということ。っていうか、100%国債に投資するんだったらそもそも運用機関に高い手数料払う必要もないっていうか、年金そのものが不要っていうことになるような気がする。税制上の優遇処置は魅力だけど、ただそれだけ。


そういった意味で、確定拠出年金には、年金制度上大きな意味があると思う。でも、拠出額に上限に縛りがあったり、運用できる金融商品もバリエーションが少なくて使い勝手は悪いけど。

あっと、企業年金とかの退職給付制度を確定拠出年金100%にすれば、

a) 企業は、本業とは関係ない年金資産の運用リスクから解放される
b) 退職給付引当金の計上に伴う特別損失がなくなり、賃金闘争時の論点が明確になる

という労使双方にメリットがあると思う。

労組とかはよくサーチもしないで、確定拠出年金は元本割れするから恐い。だから、導入に反対という人がいるけど、元本確保型の金融商品の組み入れは必須(当然低利だけどね)。

それから、年金資産が従来制度に比べて目減りするからいやだという人とかもいるけど、目減りする人もいるかもしれないけど、増える人もいるかもしれない。それから、確定給付を採用したって、ハイブリット(キャッシュ•バランス•プラン)の導入が一般的だと思うんだけど、それって、基本的に企業の運用リスクを軽減する設計になってるから、従来制度(適格退職年金)と比較してやっぱり目減りすると思うんですけど。

っていうか、確定拠出と確定給付って、運用リスクを従業員個々人が負うのか、企業が引き受けるのかということで、表裏一体だと思う。なので、確定給付で企業が運用に失敗したときは、従業員は自らボーナス•カットとかを会社に申し出る潔さが必要と思うけど、そんな人いないよね?


なんてことを考えている某二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

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