←こんなジャンキーな食品を摂取してみました。
かなり刺激的で、パンチの効いた味わいで(っていうか、なかなかの辛さ)よいです。以前このブログで触れたSoup Stock Tokyoの酸辣湯もこのパンチの強さを参考にして欲しい(see http://researcher-station.blogspot.jp/2008/10/blog-post_11.html)酸辣湯とトムヤムクンじゃちょっと違うけどね。
さて、こんな文献を読んでみました↓
Mechanism of Amide Formation by Carbodiimide for Bioconjygatioin in Aqueous Media
Bioconjugate Chem. 1995, 6, 123-130.
水溶液中における
1-ethyl-3-(3-(dimethylamino)propyl)carbodiimide hydrochloride (EDC)↓
の話です。ちなみに、EDCはWSC (Water-Soluble Carbodiimide)とも呼ばれたりします。
cf. http://dominoweb.dojindo.co.jp/goodsr5.nsf/View_Display/W001?OpenDocument
溶ける溶媒: 水、アルコール、クロロホルム、アセトン、ジオキサン、DMF、塩化メチレン
溶けない溶媒: ヘキサン、エーテル
本報では、これまで(1995年時点で?)あまりサーチされてこなかった水溶液中でのEDCの挙動(pH、カルボキシル基とアミノ基の解離状態等の影響)について、深く掘り下げています。実験はカルボキシル基を導入したヒドロゲルとかのポリマーを使って行ってます。
で、EDCは↓
a) 低pHの水溶液中では即座に活性を失い、ureaになる
b) 中性から高pH領域では非常に安定(25℃、pH>6.54で少なくとも5 hrは大丈夫)
c) pH 3.5(カルボキシル基が解離していることが必要)-4.5といった比較的狭いpH領域で、カルボキシル基とよく反応する(また、過剰のEDCを用いなければ反応は起こらない。カルボキシル基に対して0.5eq.のEDCの使用ではカルボキシル基の変化はみられない)
d) EDCとヒドロゲルとが与えるプロダクトはpH 8以下で安定
e) 過剰のEDCを用いると、N-acylureaを副生する(PEG-COOHとPEG-COOHのカルボキシル基の30倍のEDCとの反応。PEG-COOHはMw=3000のpoly(ethylene glycol)dioglycolic acid)
f) PAAc(Mw=4×106のpoly(acrylic acid)のNa塩)とEDCとの反応により、水に不安定な酸無水物が生成しているようだ(PAAcの-COOHに対して<0.5eq.のEDC) って言う感じの性質があるそうです。 で、 ヒドロゲル(Noncyclizable carboxylic acid, Cyclizable carboxylic acid)とエチレンジアミンとの脱水縮合では、 a) Cyclizableの方が圧倒的にアミドの形成率が高い。
b) one step method (Gels were put in 100ml of pH 4.5 containing 0.1 M 1,2-ethylenediamine, 0.1 M acetic acid, 0.1 M NaH2PO4, and 1.0 g of EDC and keptat 25℃ for 30 min)とtwo step method (Gels were pretreated with EDC at pH 4.5 and 0℃ for 30 min, put in a mixture of pH 7.0 containing 0.1 M ethylenediamine and 0.1 M NaH2PO4, and kept at 25℃, for 30 min)では、one step methodの方がアミド形成率が高い。
c) Cyclizable Gelを用いたtwo-step methodにおいて、BnNH2との反応でpHが高いと反応が促進される。エチレンジアミンの場合は、pH依存に対する明確なトレンドはないが、おしなべてBnNH2より効率が良い。
d) Cyclizable Gelとエチレンジアミンとのone-step methodでは、pH 5周辺が最適pH
e) EDCとカルボキシル基との反応はpH 3.5-4.5。アミド形成はアミンがイオン化していないことが必要。で、この二つの相異なる要請の落としどころとして、pH 5が最適pHになるのではないかと推断
f) Cyclizable Gelとエチレンジアミンとのtwo-step methodによる反応で、アミド形成率は前処理時間に大きく依存。5 minで極大となり、その後の処理時間の延長は劇的な収率低下につながる。中間体が水溶液中で極めて不安定であることが示唆される(PAAcの場合と同様)。
あと、小分子のカルボン酸(マレイン酸、フマル酸)とエチレンジアミンとの反応では↓
a) 13C NMRから、コンバージョンは、マレイン酸>フマル酸(っぽい)
b) マレイン酸とエタノールアミンとの反応: 反応1 hrで、ca. 80%のアミド形成
c) フマル酸とエタノールアミンとの反応: 反応24 hrで、ca. 30%のアミド形成
上記実験結果から、著者らは以下のような反応機構を提案しています↓
あと、エチレンジアミンとBnNH2の反応性の相違については、アミド形成段階ではアミンがイオン化していないことが重要で、
エチレンジアミン: pKb1 6.85, pKb2 9.93 (25℃)
BnNH2: pKb 9.60 (25℃)
だからと考察しています。
今回は以上です。
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